NHK札幌放送局

"教師の卵"が伝える防災講座~釧路市・ひぶな幼稚園~

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2022年7月29日(金)午後6時22分 更新

地震や津波の恐ろしさは、大人の私たちはこれまでの経験や記憶からある程度理解することができます。ただ小さな子どもたちはどうでしょうか。 今回、NHK釧路放送局は、釧路地方気象台、そして北海道教育大学釧路校とタッグを組み、小さな子どもたちに防災の大切さを伝える取り組みを始めました。講師をお願いしたのは、教育大の学生たち。小学校の先生を目指すいわば“教師の卵”です。 学生たちが試行錯誤の末にまとめた、津波から避難する時に大事な「3つの行動」をご紹介します。 (釧路局 野口学/島中俊輔) 

【子どもに伝えるにはどうしたら…】

授業開催のためにタッグを組んだのは「防災のプロ」釧路地方気象台と、「子供に伝えるプロ」を目指す北海道教育大学釧路校の学生たち。プロとは言っても、園児に教える経験はありませんでした。そこで、まず子どもたちにどう伝えるか、学生たちの意見を聞きながら話し合いました。

気象台が作成したオリジナルの講座資料は、地震や津波の発生のメカニズムについて伝えたものでした。資料はほとんどひらがなで書かれ、図やアニメーションを多く使用。私はとてもわかりやすいなと感じていました。しかし、学生たちから上がったのは意外な声でした。

「そもそも地震がなぜ起きるなど理論的な説明は、子どもには理解できない」

防災のプロである気象台は、災害の情報を入手し、すぐに避難行動をとることが命を守ることにつながることをよくわかっています。1人でも多くの命を救いたいという願いが、理論的な説明の多さにつながる傾向があったのです。うーん。なるほど。見た目がわかりやすくても、本質が難しければ内容は伝わらないんだな…。

学生、気象台と話し合い、園児に伝える前提条件を確認しました。

▼簡単なことばを使う。
▼身振り手振りを大きくする。
▼覚えやすいポーズで伝える。

【じしんのときは…ダンゴムシのポーズ】

迎えた本番。まずは気象台の職員が講師を務めました。
大きな地震が来たら、まずは自分の身を守ることが大事です。机の下などに隠れられないときは、頭を守る「ダンゴムシのポーズ」をとります。テレビや携帯電話から緊急地震速報のチャイムが聞こえた時に「ダンゴムシのポーズ」をとる練習をしました。

【つなみ、いのちをまもる3つのポーズ】

続いて津波の避難について。ここで登場したのが教育大の学生たちです。
「つなみファミリー」と題し、学生がお父さん、お母さん、3人の子どもの5人家族に扮して、津波が起きた時の行動を劇にしました。大きな地震が起きたら、津波がやってきて、繰り返し押し寄せてきます。津波から身を守るためには「すぐに逃げる」「できるだけ高いところへ逃げる」「逃げたら戻らない」という3つの行動を起こすことが必要なのだと、大きく身振り手振りを交えた演劇と、学生たちが考えたわかりやすいポーズで伝えました。

園児たちにも体で覚えてもらおうと、一緒に津波避難の大切な要素を詰め込んだポーズをやってもらいました。

①「大きな地震が起きたあとはすぐに避難!」
   非常口の看板のように、走って逃げるポーズ。
②「避難するのは高い場所へ!」
   高い場所を指さすポーズ。
③「津波は何度も押し寄せるので避難したあとは戻らない!」
   動かないぞ、と腰に手を当てるポーズ。

【小学校の教師の卵が園児に教える意味】

今回、講座に協力してくれた学生たち。その学生を指導する防災教育の専門家は学生たちが「伝える」ことに向き合うことは、今後の防災教育の普及に欠かせないと考えています。

北海道教育大学釧路校 境智洋教授
「将来、学生が教員になった時、地域の防災の力になってほしい。そう願っているのです。小学校1年生2年生にどう教えるのか、幼稚園の子供を知ることによって教え方が変わると思います。上の学年であれば話せばいいとか、実験を見せればいいとか。でも幼稚園の子どもたちになると、さらにそれにどう加えたらいいのかということを学生自身で考えたことが成長になったと思います」

【学生から子供へ、親へ。防災意識は伝わっていく】

そして、子どもへの防災教育は最終的に私たち大人にも好影響を及ぼすと専門家は考えています。

北海道教育大学釧路校 境智洋教授
「防災教育については、年齢が低ければ低いほど素直に受け取ってくれます。子どもがやることを大人が見て真似してくれます。そして、子どもが言ったことは大人は聞いてくれますよね。そして、学生から子どもたちに防災への意識が伝わって、子どもたちはそれをまたかみ砕いて、親に伝える。こういうつながりが地域の防災力を高めていくことにつながっていくと思います」

【NHKの防災講座、いかがですか?】

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。あれ、NHKは何したんだっけと思われる方もいるかもしれませんが、1つコンテンツを紹介しました。
津波の浸水の高さをAR=拡張現実の技術を使って疑似体験してもらうコーナーです。実際の映像に浸水の様子を重ねることで、危険性を学ぶことができるシステムです。

NHKはこうした防災の出前講座を全国各地で開催しています。
これからも道東の幼稚園や保育園、小中学校などで開いていきたいと考えています。
ご希望の方がいらっしゃいましたら、下の投稿フォームからご連絡ください。お待ちしています。


(2022年7月29日)

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