白老町にあるアイヌ文化の発信拠点「ウポポイ」の慰霊施設で、17日、アイヌの人たちの先祖を供養する伝統の儀式が行われました。
民族共生象徴空間「ウポポイ」にある国の慰霊施設には、明治から昭和にかけて研究目的として各地の墓地から掘り出され、全国の大学で保管されてきたアイヌ民族の遺骨1600体余りが安置されています。
17日は北海道アイヌ協会や北海道大学の関係者などおよそ60人が参列し、はじめに鎮魂式が行われました。
この中で北海道アイヌ協会の大川勝理事長は「遺骨が返還されたから終わりではない。大学には遺骨収集の背景やアイヌを含む社会に研究成果がどう還元されたかなど説明責任が問われ続ける。引き続き誠意ある対話を求めていきたい」と述べました。

これに対し、式に参列した北海道大学の山本文彦副学長は「今後も遺骨の返還に向けた取り組みに対し、保管していた大学として責任を持って協力していきたい」と述べました。
このあと先祖を供養するための儀式「イチャルパ」が行われ、木を削って作ったささげ物に酒かすをかけたり、食べ物を供えたりしていました。

最後に先祖に向けて歌と踊りを披露し、先祖の霊を慰めました。
2021年10月17日放送