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放送後記:函館・道南でもう一泊!

  • 2023年10月5日

夜景、赤レンガ倉庫、教会群、五稜郭など観光資源が豊富な観光地・函館。函館市が8月に公表した2022年度の調査によりますと、函館観光の回数は「初めて」が32.2%で最も多いのですが、次いで多いのが「5回目以上」(30.1%)。「もう少しいたかった」、「また来たい」というリピーターが多いんです。そこで今回は「一日じゃ足りない!函館・道南でもう一泊」と題して、観光地・函館の特徴や今後の可能性について深掘りしました。

ゲストは国内外の観光地を知り尽くす航空・旅行アナリストの鳥海高太朗さん。進行は大学時代を北海道で過ごした、アナウンサーの向井一弘が担当しました。

函館は究極の癒しのスポットである

鳥海高太朗さん
金曜夕方の便で函館に入ってベイエリアのホテルに泊まり、土曜日ゆっくり過ごして夜東京に帰るのが僕の“黄金パターン”です。空港から街なかまで車で20分くらいと近いし、時刻表上は羽田から1時間20~25分ですが離陸して着陸するまでだいたい1時間です。札幌に行くより近くて、本当にフラっと来るのにいい場所です。食べ物がおいしくて、湯の川温泉があって、五稜郭の桜があって、函館山の景色もある。“究極の癒しのスポット”というか、疲れた時に来てほしい場所なんです。

函館の“朝食”でもう一泊!

いま観光客が訪れる大きな目的の1つがホテルの朝食です。大手旅行サイトが毎年発表する「朝食のおいしいホテル」ランキングでは、2020年の全国トップ10に函館市内のホテルが3つもランクイン。その後も年々参戦するホテルが増えています。
イクラかけ放題など北海道ならではの海産物、目の前で肉を焼いてくれるライブキッチン、150種類という豊富なメニュー、朝から飲み放題のスパークリングワインなど、各ホテルが工夫を凝らして切磋琢磨し、高いレベルで競争が繰り広げられています。

鳥海高太朗さん
ホテル選びの楽しみがあって、“次はあそこに行ってみたい”というリピーター獲得につながっています。“函館の朝食戦争”という言葉が出てきたのが7~8年前。そこから各ホテルの競争が相乗効果になり「函館は朝ごはんがおいしい」というイメージにつながっています。もともと函館観光の基本は朝市で、ホテルと朝市の競争もある。“競う”というのは非常に大事です。1か所しかないと将来的な伸びには限界があるからです。競い合うことでクオリティーが上がり好循環につながっているのです。

鳥海さんは「この朝食の盛り上がりが続いているのは、実は当たり前のことではない」と言います。コロナ禍には大きなピンチがあったそうです。

鳥海高太朗さん
2020年のGo Toトラベルの時、一部でビュッフェスタイルをやるホテルは入れないんじゃないかという議論があったんです。全国ではビュッフェから定食に切り替えたホテルもありました。でも“これをやめたら函館の魅力が薄くなってしまう”と函館のホテルはビュッフェを死守したんです。感染対策は両手手袋、トングはひとりずつなど、色んな苦労をしました。それがあって今があるんです。

「朝食がおいしいホテル」ランキングはコロナ禍以降中止となっています。函館の各ホテルが強い心意気で守った朝食ビュッフェのストーリー。ランキングが再開し、その続きが見られる日も楽しみです。

新規旅行客を獲得せよ カギは新幹線

かつて函館市の観光客は年間500万人を超えていて、市は2014年からの長期計画で「2023年に年間550万人達成」を目標にしていました。しかしコロナ禍で観光客数は大きく落ち込み、2022年度は約455万人。当初の目標からは95万人ほど少ないのが現状です。そんな中、自治体や交通機関、観光地などは、新たな観光客誘致のカギとして北海道新幹線に注目しています。

鳥海高太朗さん
今や新幹線で東京から新函館北斗まで4時間台で来ることができます。この一番の恩恵を受けているのが外国人の観光客、いわゆるインバウンドです。観光目的の訪日外国人向けにJR全線で新幹線や特急の指定席に何回でも乗車できる「ジャパン・レール・パス」というものがあります。7日間使えるもので5万円(※10月以降)です。この価格で、九州や大阪を旅行してから東京に戻って北海道に来る、なんてこともできるんです。驚いたのは、今年1月に釧路に行ったんですけど、そこにいた外国人の多くがジャパン・レール・パスで来ていた方でした。

北海道は鉄道の廃線が相次いでいますが、鳥海さんは「北海道の大自然が好きで訪れたいと思っている訪日外国人は多くて、鉄道は彼らがそこに行きやすい環境を支えている」と指摘し、稚内、釧路、網走など特急の主要路線には観光の面で残していくメリットや可能性もあると言います。

鳥海高太朗さん
8月にJNTO(日本政府観光局)が発表した訪日外客数によると、すでに外国人旅行客はコロナ前の85%ぐらいに戻ってきています。中国からの観光客の戻りは遅れていますが、今回の数字とコロナ前の2019年8月の数字からどちらも中国人観光客の数を引くと、今年8月の方が訪日外国人はすでに多いんです。そして今は滞在日数が長い欧米の方、特にアメリカ、カナダ、メキシコからの入国者が増えています。そういう方は大体1週間。長いと2~3週間過ごすので、その中で北海道に足をのばす外国人が増えている状況です。

また、北海道新幹線を利用する旅行客でいま増えているのが「修学旅行生」です。渡島総合振興局や道南の自治体、JR北海道・東日本などが連携して関東や東北の学校の誘致に力を入れているのです。函館市によりますと、去年までの3年間で埼玉県の学校が3校から12校に、福島県の学校が4校から15校に増えるなど、今まで修学旅行では関西方面に行っていた学校が新型コロナの影響で「人ごみが少なくて感染リスクが低い北海道に行こう」という動きが出ているのだそうです。
鳥海さんは学校側の視点から、もう1つ新幹線を利用するメリットを指摘します。

鳥海高太朗さん
最近は航空機も小型化してきて、飛行機を利用すると生徒全員が一度には乗れないということもあります。しかし新幹線は座席数が多いためそのようなことが起きにくく、学校全体で行動がしやすいというメリットもあると思います。

天気が急回復!函館山は大賑わい

番組では日没直後の函館山から中継を予定していましたが、この日は朝から雨。奥野真代キャスターが標高334mの山頂にロープウェイで到着した時は霧で一面真っ白。展望台にはほとんど誰もおらず「中継は無理かも」という状況でした。

しかし夕方になって事態は一変!天気が奇跡的に回復し、続々と山頂に観光客がやってきたのです。中継のタイミングは日没後15~20分の薄暮の時間。ちょうど夜景が最もきれいに輝いて見えると言うトワイライトタイムでした(マジックアワーとも)。函館出身の奥野キャスターも喜びいっぱいに取材しました。

奥野真代キャスター
展望台には午後5時ごろから多くの観光客が訪れて、キラキラ輝く函館の夜景に皆さん見入っていました。
海外からの観光客も多くて、アメリカから訪れたという男性は「函館は2回目。日本が初めてという友人にどうしてもこの素晴らしい夜景を見せたくて連れてきた!」と話していました。そんな風に言ってもらえると函館人として私もとても嬉しい気持ちになりました!」

奥野キャスターの取材によると、ほかに青森、神奈川、愛知などからの修学旅行生もいて、名古屋からの高校生はなんと新幹線で函館まで来たそうです。仙台で1泊、函館で1泊、札幌で1泊という、新幹線があるからこその日程!北海道新幹線の可能性を実感するエピソードでした。
最後に鳥海さんは函館山の夜景を効率的に見るための攻略法を披露。

鳥海高太朗さん
日没の今の時間、僕は外すんです。日没目当てで行く方が多いので、登れるんですけど下りのロープウェイが30分から1時間待ちになるんです。鳥海流のやり方は、先に5時半くらいから夕食を食べて、7時半ごろに函館山のロープウェイに行きます。すると5~10分待ちで上に登れて、夜景を見たあとも混まずに降りてこられます。

※これは放送日の写真ではありません

「あれを見たい」、「これを食べたい」、「もうちょっとゆっくりしたかった」―1回目の函館はそんな風に少しだけ満たされなくて、また来たくなってしまう不思議な魅力を持った街です。回数を重ねて鳥海さんのように自分なりの攻略法を見出す喜びもあるようです。
本当かどうか、ぜひ皆さんもフラっと1度訪れて確かめてみてください。函館・道南でお待ちしています。

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