NHK札幌放送局

次世代へと受け継がれる「“宝”と思い」

ローカルフレンズ制作班

2021年6月24日(木)午後2時36分 更新

ディレクターが地域に滞在して「宝」を探す番組「ローカルフレンズ滞在記」。6月の舞台は、道東の弟子屈町です。滞在4週目(最終週)の取材テーマ「寒暖差が生み出す甘みあふれる○○」に向かった、平原D。そこで出会ったのは、“絆”・・・  
※放送は 6/24(木) ほっとニュース北海道 で

弟子屈町の歩み伝わる商店

ローカルフレンズ滞在記 弟子屈町に1か月に渡って滞在しています、
ディレクターの平原和真です。
散歩や自転車で市街地をゆっくり巡ると、いろいろ見えてくるものがありますよね。

そんなひとつに、「ん?何を売ってる店」と立ち寄らせて頂いた商店。

店内には、雑誌に布団、駄菓子に文房具と食料品以外の生活に必要なものが全てそろっています。更に、衣料品まで置いています。

その品ぞろえにワクワクさせられた店。

須田 潤さん(73)さん、妻のとも子さん(73)は、このお店を40年以上続けてこられたそうです。(二人は弟子屈町内の小・中・高校の同級生)
なぜこんな品ぞろえの良い店に?
実は須田さんは、親の代から布団類の販売や布団の打ち直しを続けてこられたそうです。
私がおじゃました店舗は、本業とは別に空き家の活用にと、文房具店として始めた店。
しかし時代も進み、布団の打ち返しの依頼も少なくなり、お店を一つにまとめることに。
更に、訪れる客の要望に応える形で、その後、おもちゃや駄菓子、手芸用品などを置き始め、その時代、その時代のニーズに合わせ、商品数が増え、今のような形になったのだとか。

驚いたのは、今では店頭であまり見かけないプラモデル、それも相当古いもの。
昔はたくさんの子どもたちが店にやって来ていたんだろうなぁと思わせてくれます。

須田さん:昔は客がいっぱい、働きづくめでした。町の子どもが減り、売れ残ったプラモデルですが、町外からたまたまやって来たお客さんから「このプラモデル今、プレミア価格で数倍の値段がしますよ!」と教えられ、自分たちが気づかないほど、いつのまにか時が経っていたんだなぁと、思わず笑ってしまいました~。
平原:衣類までおいてあるのがびっくりしました。
須田さん:問屋で仕入れを行う時、町内のあの人にはこの服が似合うな~とか、今の季節だったら、この人にぴったりだろうな~と、長い付き合いの顧客の顔を想像しながら仕入れているんです。

須田さんの商店は、弟子屈町民の生活に欠かせない店。
そして弟子屈町の時代の移り替わりが、感じられるそんな店でした。



寒暖差が生み出す甘みあふれる摩周メロン

最終週は、視聴者のアンケートで取材先の決まった「寒暖差が生み出す甘みあふれる〇〇」。
〇〇とは、弟子屈町で7月下旬~8月下旬のわずか1か月余りしか収穫されない、その名も「摩周メロン」です。

30数年前、高価格帯での販売が期待できる農産物の生産を目的に、栽培が始まった摩周メロン。現在も農家(メロンと兼業)7名が約1万8000玉を生産しています。



未来の摩周メロンの担い手は東京から

農家の高齢化が進む中、農業の継承に取り組むため、町では「地域おこし協力隊」を3年前に募集。そこに飛び込んできたのが、大森 慎一郎(おおもり・しんいちろう)さん(44)です。千葉県出身で、弟子屈町へ来る前は、東京の自転車部品の輸入品を販売する会社で働いていた、全くの農業初心者です。

自然と触れ合うのが好きと言う大森さん、東京でも比較的、自然が豊かな地域に家族と住んでいたそうですが、毎日の通勤に1時間40分を掛ける生活にいつしか疑問を抱きます。
起きている娘に会えるのは休日だけ、更に70歳の定年まで今の仕事を続けられるのか?自問自答の毎日だったそうです。
そんな時、自転車旅行で一度訪れたことがあった、弟子屈町の地域おこし協力隊募集を発見!すぐさま応募します。そして今年の3月まで農業研修やメロン栽培を学びました。

妻の圭美さん(37)は、夫が弟子屈へ移住を考えている時、長女とお腹に赤ちゃんがいる状態。それでも「食べるのは何とかなるだろう!」と意外にも移住にOKだったそうです。

今では2人の娘さんと長男の5人家族に。

摩周メロンの美味しさの秘密は、弟子屈町の気候。寒暖差によって甘みが引き出されるといいます。6月の朝の気温は約10℃、そして、日中晴れた日は23℃ほど。メロンは寒いと甘みを蓄えようと働きます、そして暖かいと大きくなろうとします。
大森さんは、一日中農業用ハウスの温度を気にして、開けては閉め、閉めては開けを繰り返します。

3月下旬に植えた種は、1か月後には小さな身をつけます。更に1か月後、メロンの特徴である網目模様が浮かびだします。
この時期、大森さんはメロンの底が湿りすぎ、網目が太くならないよう、通気用のプラスチック皿を1玉づつ敷く作業をしていました。

1本のつるに2個だけ選抜され、残されたメロン。今年は5000玉の収穫を予定しています。


まるで親子 親子以上

大森さんに3年に渡って、メロン栽培のノウハウを教えたのは、藤田 重太郎(ふじた・じゅうたろう)さん(75)です。
これまでメロン栽培に加え、ビートや麦を作る畑作も行う大規模農家でした。メロン栽培も収穫全量の半数を藤田さんがつくっています。

気になる、師である藤田さんと弟子である大森さんの関係を、藤田さんの妻、たひ子さん(73)にうかがうと、

たひ子さん:お互い言いたいことを言っているから問題ないよ。
言った方がスッキリするからね。まるで親子みたいよ。

本当に親子のように接すると同時に、互いに信頼しあっているんだと感じました。
藤田さんは4年後にメロン業をすべて大森さんに譲る考えです。
「これで摩周メロンは残っていく」と話す藤田さん、30年余りメロン栽培に心血を注いできた苦労や努力は大森さんの手にゆだねられます。

大森さんは現在、新たな住まいをリフォーム中です。
というのも、今は車で5分ほどのところに住んでいるんですが、この5分がメロン栽培の命取り。気温の上昇などすぐに対応する為には、近くに住むのが最善の策。大森さんは藤田さんのお母さんが使っていたという築60年の家を借り受けました。
大森さんが理想としていた子どもたちと常に顔を合わせられ、70歳まで打ち込んで仕事ができる環境が整ったのです。

大森さんは、弟子屈に来て見る「朝日」や「夕日」、その美しさにいつも心が癒され、今日も頑張れると話します。豊かな暮らしがここにはあります。



川上さんの情報発信の新たな拠点が完成!

1か月に渡って町の人たちが集まり、ペンキを塗ったり、壁紙を張り替えたりなど手作業で拠点のリフォームが進められ24日の放送に合わせ完成を迎えます。
改めて、川上さんに、この場所でどんなことを行い、どんな試みを行い、どんな情報を発信していくのか聞きました。

【改めまして、1ヶ月にわたり弟子屈の今をご覧いただきました皆様、本当にありがとうございました!

番組コメントや町の公式チャンネル、私個人のSNSなどにもたくさんの反響があり、少しでも弟子屈の魅力を知って貰えたのではととても嬉しい気持ちで一杯です。そして、平原D!本当にありがとうございました。初日に屈斜路湖に落ちた平原Dを見た時は、これから1ヶ月間どうなることやらと少しハラハラしたのは良い思い出です!

沢山のフレンズを紹介すると同時に進めてきたのが
町の公式チャンネルのスタジオにもなる『弟子屈JIMBAのリノベーション』です!
この3週間で40人以上の町の方が訪れ沢山ご支援いただき、なんとかスタジオとしてスタートが切れそうです!ただ、これは一つのスタートに過ぎません!

ここから本格的な町の情報発信拠点の整備や更なるリノベーションが始まります!

最後に、私達の活動拠点である弟子屈JIMBAの合言葉は『出会いは一瞬、繋がりは一生』です。
今回の放送をきっかけにたくさんの発見や出会いがありました。これらのきっかけを次に繋げながら弟子屈の地で僕達は元気に頑張ります!

滞在記はもう終わってしまいますが、少しでも多くの方に、この弟子屈の魅力を知ってもらう為、活動に関するクラウドファンディングも始める予定です!

次はテレビの前ではなく、直接、弟子屈でお会いしましょう!!】

「弟子屈町地域おこし協力隊の川上椋輔」



【九州、福岡県から北海道札幌市にやってきて9か月。そんな中、弟子屈町にやってきたことは、福岡とは、そして札幌とはまったく違う環境、大自然がなんなのか?そして自然にひかれる人々の気持ちが少しだけわかった気がします。
「牛がいる!(ホルスタインは九州では見かけません)鹿もいるなぁ(鹿を間近で見たのは生まれて初めて)自然はいっぱいだけど何もない田舎町だなぁ~」と感じた当初。
滞在して気づいたら「足りないものなんてないじゃん!」に変わっていました。
出会ったみなさんはこの自然を愛し、自然をいかし、そしてその魅力を発信している人ばかり。とても素敵な暮らしの営みがあると感じました。そして受け入れてくれる温かい町の人たち。いきなり取材にうかがっても嫌な顔一つ見せず、話をしてくれました。
自然と温泉、そして魅力溢れる人たち、体も心も癒され元気をもらえた弟子屈町に感謝。】

「滞在ディレクター 平原和真」

2021年6月24日

2021年6月24日(木)の「ほっとニュース北海道」で弟子屈町の滞在記を放送する予定です。
北海道にお住いの方は、ぜひご覧ください。

弟子屈町の滞在2週目のウェブ記事はこちらから
弟子屈の夜空も宝!?


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