NHK札幌放送局

ブラックアウトの星空を忘れない

ほっとニュースweb

2021年9月3日(金)午後4時53分 更新

あなたはおぼえていますか? 星だけが輝く街を。3年前の胆振東部地震では道内のほぼ全域に及ぶ大規模停電、「ブラックアウト」が発生しました。怖いくらいにきれいな星空を見て、多くの人たちがカメラのレンズを向けました。「あの日の気持ちを忘れないでほしい」、ブラックアウトの星空はいま私たちに問いかけています。

きれいな星空 じわじわと恐怖に

当時、江別市の写真館でカメラマンの仕事していた津村明彦さん。地震から半日あまりが経ちましたが停電が続く中、周りの様子を見ようと外に出ると、今まで見たことがない星空が目に入ってきました。

9/6 20:10撮影・津村明彦さん
津村さん
「怖いのにきれいというか、きれいでわーっと思うんですけどそれと同時にこんなに見えちゃうんだ。どうして見えちゃっているんだろうということをゆっくり考えると、じわじわ恐怖にリアルな恐怖に思いました」

忘れたくない あの日の気持ち

時間がたつ中で星空を見上げたときに抱いた気持ちが薄れていくのを感じた津村さん。当時の写真を見ることであの日の気持ちが少しでもよみがえるのではないかと思い、写真展を開くことを考えました。

津村さん
「星を見ることでしか思い出せない独特の感覚があるんですよ/写真を見ることでそのときの気持ちを実感として思い出してもらえるかな」


津村さんは仲間に声をかけ、当日の星空の写真を集め始めました。さらにツイッターなどのSNSで写真をアップした人を探し、提供を呼びかけました。

家族の絆を大切に

津村さんの呼びかけに応じた1人、大学生(当時)の山口奈緒さん。自宅の窓から見た星空があまりにも輝いていたので、外に出て近くの小学校で写真を撮影しました。

山口さん
「空にいっぱい流れ星が流れていました。田舎に行って見れたらすごい喜ぶものなのに、喜ばしい流れ星ではないと思いました、そのとき。」
9/6 21時ごろ撮影・山口奈緒さん

あの日、満天の星空に抱いた寂しい気持ち。しかし、今になって写真を見返すと、それだけではない気持ちを思い出します。

山口さん
「星とか見ると、1つの記憶じゃなくて、あのときにしてもらったこととか悲しかったこともうれしかったこともいろいろ考えると思うんですよ。」

山口さんが抱いた気持ちは身近な人とのつながりの大切さでした。星空の写真を見ることで改めてその時の地震のことを思い出してもらって、支え合った家族や友人との絆を思い出してもらえたらなと思っています。

山口さん
「地震の前とかはお母さんとかすごい長文で絵文字を使ってくれてたりしてたんですけど『ちょっとうるさいな』って思っちゃったりすることもありました。地震があってからはそれがあったかく感じます。『心配してくれているんだな』とか『絵文字とか多いのもうれしいし、かわいい』とそう思うようになりました。」

地震の半年後 『9.6の夜空』写真展開催

来場者たちは・・・
「これを見るだけでも、その日っていうのは思い出されますよね」
「思い出すんだけどさみしさじゃない思い出し方ができるっていうこの展示会はすごいすてきなことだと思います」
9/6 21時ごろ撮影・山口奈緒さん

あの日の気持ちをおぼえていますか?
ブラックアウトの星空はいまもわたしたちに問いかけています。

取材・佐藤寿康カメラマン
放送日・2019年3月6日

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