NHK札幌放送局

“整えて投げる”  日本ハム 北山亘基投手

ほっとスポーツプラス

2022年4月8日(金)午後4時05分 更新

日本ハムのドラフト8位ルーキー、 北山亘基投手。 新庄剛志監督から今シーズンの開幕投手に抜てきされました。 大役を務めたあとは 勝ちパターンの中継ぎとして 定位置をつかんでいます。 北山投手がプロ相手に いきなり活躍できるのはなぜか。 秘密は試合前の準備にありました。 (札幌放送局 雁田紘司)

サプライズで開幕投手に

北山投手の武器は最速156キロの速球に、落差のあるカーブ、それに三振を奪えるフォークボールです。高めの速球を生かすカーブ、低めの速球を生かすフォークと、ストライクゾーンの上下をうまく使ってピッチングを組み立てます。北山投手のピッチングに新庄監督はすぐに注目しました。2月の沖縄キャンプではブルペン投球を何回も視察し、直接、アドバイスも送りました。

オープン戦でも起用され、5試合で6イニングを投げて無失点。13個の三振を奪いました。この活躍で新庄監督は、北山投手の開幕投手への起用を決断しました。

新庄 剛志監督
ボールを見てもすごい。キャンプからずっとよかった。マウンド度胸もすごくいいし、チームにとっても彼が一番いいかなと。(開幕投手と伝えたら)『僕のマウンドでの姿を楽しんでください』という答えが返ってきたが、なかなかそれは言えない

3月25日のソフトバンクとの開幕戦。北山投手は公式戦の初球で153キロのボールを投げ込み、その後も気迫を前面に出したピッチングを見せました。2回を投げて2安打無失点と大役を果たし、勝ちパターンの中継ぎへの定着につなげました。

北山 亘基投手
初めての経験だったので、想像もつかなかった。いま思っても不思議な感覚だった。あれだけ注目されたマウンドに立てたというのは幸せだったなと思います。これからプロでやっていくうえで、いいヒントになったかなと思っています

勝負を可能にする準備 “整える”

北山投手はオープン戦や公式戦、どのマウンドでも、プロのバッターに向かっていく投球を見せてきました。それを可能にしているのは何か。本人に直接聞くと、キャッチボールでの取り組みやブルペンでの投球ではなく、意外な言葉が返ってきました。

北山 亘基投手
準備です。しっかり自分のなかで、準備が完結していれば、あとは腕を振るだけなので、マウンドのうえで迷うことも一切ないです。マウンドにあがるまでの時間をどれだけこだわって出来るかということだけを大事にしているので

北山投手の言う準備とは、投球前までに、体の軸をはじめ、重心移動といった体の使い方を整えておくことです。北山投手が試合のある日に、球場で最初に行うのは、「体の調整」。体の軸を意識したストレッチや器具を使って重心移動をスムーズに行う動作など、自分のメニューを繰り返し行います。地味に映る動作ですが、体の細かな反応を感じとりながらズレがあれば修正しています。

北山 亘基投手
朝起きると、その日の体の状態というのは大体わかります。立ったときの重心の位置や関節の可動域でちょっといつもと違うなというのは、すごく敏感にわかるほうだと思います。それを球場に来る前に、自分の中で整理しておいて、練習が始まる前、自主アップの時間にそこを調整して、フラットな状態に戻しています。プロの世界に入ってからはこれを一番大事にやってきています

登板までに自ら体を整えたあと、仕上げとして、試合のマウンド近くでも行うルーティーンがあります。北山投手はマウンドに駆け寄ったあと、バックスクリーンに向いて直立し、両手をピンとあげて、かかとを浮かせた姿勢を取ります。そして体の軸を意識したあと、かかとを落とす動作を行います。投球前に体を整える最後の作業です。

北山 亘基投手
ピッチングをするうえで、体の軸もそうですし、心の軸も大事になってくるので、心身ともにひとつの芯を作って投げるという意味合いでやっています。心と体をつなげるというか、どちらにも芯を通して、軸を持って投げられるようにするためです

ニックネームは「教授」

北山投手は高校と大学で、自ら体の構造や効率的な使い方を学び続け、プロで生かしています。その豊富な知識で、チーム内では「教授」と呼ばれ、一目おかれています。自分自身を分析し、独自の取り組みを続けるなかで入団前は最速153キロだった速球は156キロに伸びるなど、着実に成果を出してきました。

北山 亘基投手
球速はプロになって数ヶ月で大きく変わってはいるんですけど、僕のなかで、何か取り組みを大きく変えたかというと、そうではないんです。特に大学4年間で、体の使い方、メンタルも含めて細かいところをかなりつきつめてやってきたことが少しずつ成果として出てきてるという感覚です。今までの延長線上で、やっと形として、少しずつ現れてきています

冷静に自分をみつめる

ルーキーとして衝撃的なスタートを切った北山投手ですが、現在の状況を冷静に見つめ、今後も活躍するためにどうすればいいか、考えをめぐらせています。

北山 亘基投手
いまはただのルーキーのひとり。緊迫した場面での登板も増えてきて、そういった変化はあるんですけど、いちルーキーとしては変わらないと思う。対戦相手からすると、ルーキーでデータもなく、初めて対戦するピッチャーなので、まだまだ甘い部分があると思う。自分にとって有利な部分がたくさんあると思うので、手応えは一切ないです。これから対戦回数が増えるにつれて、相手の甘さがなくなってくると思うので、その時に抑えられるのかと考えるといまの状態だとまだまだ。毎試合、課題は明確にして取り組んでいるので、それを続けていけば、今後もある程度はできるのではないかと思っています

自分をみつめて成長するルーキーに、新庄監督の期待も大きくなっています。

新庄 剛志監督
彼の実力は新人ではなく、度胸も据わっている。バッターがまっすぐを投げてくると思っていてもファウルをとれるボールを持っているので、緊張せずにマウンドで踊るように投げてほしい

果てしない成長を

インタビューの最後に、北山投手に目指すピッチャー像を聞くと、また意外な答えが返ってきました。

北山 亘基投手
目指すピッチャー像はないんです。果てしなく、成長できるだけ成長したいという気持ちで、あまり完成形は見えないというか。何歳になってもよくなっていくようなイメージのピッチャーを目指しています。若い間だからよくなるという訳ではなくて、どれだけ年齢を重ねても、どんどん成長できるようなピッチャーになりたいと考えています   

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