NHK札幌放送局

感染急拡大の胆振に何が?

いぶりDAYひだか

2021年5月28日(金)午後8時11分 更新

今月に入り、新型コロナウイルスの感染確認が急増した胆振地方。なぜ、感染は急拡大したのか。そして今、何が起きているのか。道の保健行政の担当者に聞きました。
(室蘭局:篁慶一)

「状況一変した大型連休明け」

胆振地方で5月1日から28日までに感染が確認されたのは、計495人。前の月のおよそ6倍です。直近1週間の10万人あたりの新規感染者数は37.8人で、政府の分科会が示す感染状況の最も深刻なステージⅣの水準・25人を大きく上回っています。また、若い世代で感染が広がっていることも、今回の「第4波」の特徴です。

新型コロナウイルスの感染状況をとりまとめ、対応に当たっている胆振総合振興局保健行政室の田中研伸室長は、「大型連休中の往来」と「変異株」という2つの理由を挙げました。

田中室長:大型連休中に感染が拡大している札幌市や道外との往来がありましたし、家族や知人が集まって飲食をともにする機会が多かったり、大型の集客施設に出かける機会も多かったように思います。しかし、そうした中でマスク着用などの感染予防対策が十分に行われず、感染が拡大したと考えています。また、従来株より感染力が強いとされている変異株の影響が非常に大きいと考えています。感染した方が家庭に持ち込み、家族全員が感染してしまう事例も確認されています。

医療崩壊の可能性も

今回の感染拡大によって、コロナ患者を受け入れている病院では、感染症病床の使用率が上がっています。市立室蘭総合病院や苫小牧市立病院など、各病院は病床数を増やして対応していますが、人員の確保が大きな課題となっています。田中室長は、「医療崩壊の可能性」に言及しました。

田中室長:各病院には、医療従事者が非常に限られた中で、病床の確保にご協力いただいているが、これ以上病院の負担が増えると、新型コロナの感染者を胆振で受け入れることができなくなるかもしれませんし、急病やけがをした際に通常の医療が受けられなくなるような可能性もあります。非常に危機感を持っています。

また、感染者への対応や予防対策にあたる保健所も保健師などの人手が足りず、他の部署や周辺の自治体から応援職員を派遣してもらい、業務を継続しているということです。田中室長は、不安な胸の内を明かしました。

田中室長:この2、3週間で急激に患者数が拡大していて、保健所の対応だけでは限界があります。職員は休みもなかなか取れない中で頑張ってますが、今後も続くと非常に大変で、健康面でも心配なところが出てきます。

急増する自宅療養

さらに、感染した後に自宅での療養を続ける人が増えていることも問題となっています。
道によりますと、日によって数が変動するものの、胆振地方では100人程度に上っているということです。

胆振を含む道央圏では、札幌市内に複数のホテルを借り上げ、看護師などが常駐する宿泊療養施設を確保しています。胆振に宿泊療養施設は設置されていないので、保健所が感染者の症状や同居家族の有無といった周囲に感染させるリスクなどを踏まえて、札幌の施設の利用を調整しています。ところが、感染拡大で利用者が増えた結果、施設の部屋が埋まり、受け入れが難しくなっているのです。
 
自宅療養中の感染者には、保健師が毎日電話で連絡を取るほか、血液中の酸素の値を測る「パルスオキシメーター」を必要に応じて貸し出していて、道は積極的に体調の把握に努めていると言います。また、1人暮らしの感染者などで周囲から支援が得られない場合は、道が食料品や生活用品を届ける支援も行っているということです。

パルスオキシメーター

ただ、札幌市や道外では、自宅療養中に容態が急変して死亡する事例も確認されています。胆振でも宿泊療養施設の確保を求める声が強まっていますが、簡単には進まないといいます。

田中室長:宿泊療養施設の設置に当たっては、感染リスクを減らせる構造の建物を確保する必要があります。また、24時間体制で運営するので、継続的に相当な人員を確保しなければならず、胆振では課題となっています。患者数の増加で宿泊療養施設の必要性が増加していることは理解していますが、札幌市内で施設を増設する動きもあるので、まずは施設の運営状況を注視していきたい。

感染対策の徹底に協力を

感染者数の高止まりが続き、田中室長は「今後感染状況がどうなるかを見通すことは難しい」と危機感を強めています。

大きな期待が寄せられるワクチンの接種は胆振地方でも始まっていますが、国が7月末までの完了を目標としている高齢者への接種については、一部の自治体がNHKの取材に対し、医療従事者の不足などを理由に「難しい」と回答しています。

田中室長は、感染対策の徹底をこれからも続けてほしいと協力を呼びかけています。

田中室長:感染リスクを避けるために、不要不急の外出を出来るだけ控えていただきたいです。また、マスクなしの会話で感染したケースが保健所で数多く確認されていますので、飲食やカラオケ、サウナ、職場における更衣室や喫煙所などの場所で、マスクを外したまま会話を行うことは避けてください。そして、手洗いや部屋の換気など、基本的な感染対策の徹底をお願いしたいです。

(2021年5月28日放送)

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