地域と共に長い歴史を共にしてきた札幌交響楽団。先が見えないコロナのトンネルの中での葛藤は、彼らの音楽に何をもたらしたのか
<放送予定>
11/20(金)後10:45~11:12
11/22(日)前8:25~8:52(再)
地域と共に長い歴史を共にしてきた札幌交響楽団。しかしこれほど辛い一年はなかった。長い自粛の間、楽器にさわることも許されなかったティンパニスト。孤独にリードを削り続けたオーボエ奏者。役目を見失ったコンサートマスター。長い自粛期間が明けて、彼らが奏でたのは、苦しみを突き抜けて喜びに至れ、という言葉を遺したベートーベンの楽曲だった。先が見えないコロナのトンネルの中での葛藤は、彼らの音楽に何をもたらしたのか。
【ナレーター】堀菜保子 【出演】札幌交響楽団
番組を担当した園部Dの取材後記です
「オーケストラは密を好む」
あまり気づかないことだが、楽団員は演奏中、近くの楽団員の息遣いや音を注意深く感じ取ろうとしているのだ。それを許さないコロナは札響の演奏にも、経営にも大きなダメージを与えた。
取材が始まったのは 自粛期間が明け、徐々に活動を再開したころだった。団体活動で恐れるのはクラスター。感染を少しでも防ごうと 演奏者の距離をとったり、アクリルパネルで隔てるなど ステージを進行する裏方さんの苦労も目の当たりにした。
事務局も取材には協力してくれたが、感染防止の取り組みは取材には大きな足かせになったことも事実だった。幸い、楽団員の自宅での自撮りが許され、楽団員も「素の姿」を見せてくれた。この部分がなければ番組として成立しなかったかもしれない。「希望のシンフォニー」が開かれたころ、札響は延期になっていた演奏会の実施などもあり多忙を極めた。しかし、苦境を完全に乗り越えたわけではない。そんな現状を躊躇なく見せてくださった札響の事務局、楽団員の皆さんに改めて感謝したい
関連番組のお知らせ
番組で取り上げる『交響曲第8番』の演奏は、Eテレ「クラシック音楽館」で放送します。是非ご覧ください。
クラシック音楽館 オーケストラでつなぐ希望のシンフォニー 第四夜
Eテレ 11/22(日)後9:00~11:30

オーケストラでつなぐ希望のシンフォニー
NHKは、全国各地で活躍するオーケストラの演奏によるコンサート
「オーケストラでつなぐ 希望のシンフォニー」を開催しています。
新型コロナウイルスの影響で苦しむ多くの方々の明日への希望につながることを願って、ベートーベンの遺した交響曲や劇音楽などの名曲をオーケストラが1つずつ奏で、日本を音楽でつないでいきます。
