NHK札幌放送局

ジビエブーム 食中毒に注意

ほっとニュース ミニ

2020年2月26日(水)午後4時50分 更新

エゾシカやカモなどの野生動物の肉・ジビエは脂肪分が少なく栄養価も高いことから近年人気を集めています。しかし昨年、札幌市内のレストランで熊肉が原因とみられる食中毒が発生しました。ジビエが身近になった一方で、あまり知られていない危険性とは…?

昨年11月、札幌市のレストランでジビエ料理を食べ、食中毒になったという竹中 健さん。初めて訪れた店で、熊肉の料理が気になり注文したとのことです。

「熊のいろいろな部位の盛り合わせ。赤くて見るからにおいしそうな感じの。実際食べたらおいしかったんですよ。それもあって結構大量に食べちゃったんです」(竹中さん)

それから10日後、39℃の高熱が出て、3週間後には全身にじんましんが出たといいます。

筋肉痛、じんましん、発熱、あとおなかの不調。それがずっと何度も何度もくり返し続いたという形ですね。つらい・苦しいというより、原因が何か分からない症状が1か月・2か月近く続いたというのが不安でしたね」(竹中さん)

血液検査の結果、原因は「旋毛虫(せんもうちゅう)」と呼ばれる寄生虫でした。

旋毛虫が寄生した熊肉を食べるとどうなるのか。まず、食べた熊肉は胃から小腸へ移動します。

そこで生まれた幼虫は血管を通って全身に運ばれます。この時に、じんましんが出ます。

やがて幼虫は筋肉に入り込み、取り除くことはできません。

「正直驚きました。熊の寄生虫に関して知らなかったんですよね。これから寄生虫と共に生きていかなきゃならない。体の中にずっともう休眠している状態で」(竹中さん)

感染症を専門とする、市立札幌病院 感染症内科 児玉 文宏医師です。

「旋毛虫というのは、一般的には動物の筋肉の中に生息している。人間が食べたときに加熱が不十分だった場合、それを生きたまま食べてしまう。そういうことで感染します。あまりなじみのない疾患・感染症だったということが、今回食中毒として発生してしまった原因かなと思います」(市立札幌病院 感染症内科 児玉 文宏医師)

国内ではここ数年、ジビエ料理が人気です。

道内でもジビエの利用量が平成28年に402トンだったのが、平成30年には628トンとおよそ1.5倍に増え、飲食店やスーパーでジビエが食肉として普及しつつあります。しかし一方で、ジビエが正しく調理されていない現状もあると児玉医師はいいます。

「例えば、シカだとE型肝炎と呼ばれるウイルスを持っています。野生の動物はそういった細菌やウイルスを持っていることがあり、加熱が不十分だと感染してしまいます。貴重なジビエの肉をおいしく、安全にいただくためには、基本は中心部まで含めた肉の75℃以上の加熱を1分以上ですね。これが原則的になってます」(市立札幌病院 感染症内科 児玉 文宏医師)

竹中さんは、現在じんましんや発熱はないものの、時々体にピリッと電気が走るような感覚があるということです。

決してジビエが悪いということではなく、適切に調理をして食べる必要があるということです。生では食べず、肉の中心部を75度以上で1分以上しっかりと火を通すことが大切です。

(2020年2月20日放送)

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