放牧中の牛がクマに襲われる被害が相次いでいる道東の厚岸町で、牛を安全な場所に移す作業が進められています。
厚岸町では先月から今月にかけて放牧中の牛がクマに襲われる被害が4件起き、あわせて7頭が死にました。襲ったクマは見つかっていません。
4頭が被害にあった町営牧場では、再発を防ごうと牛を安全な場所に移す作業を17日から始めました。

町営牧場では町内の農家から若い牛およそ1600頭を預かっていますが、このうち被害のあった地区で放牧していたおよそ900頭を農家に返したり、牛舎に退避させたりしています。
18日も午前中から作業が行われ、牛をトラックに乗せておよそ6キロ離れた農家まで運んでいました。
移送作業は19日までに終える予定です。
町によりますと、町営牧場の被害額はおよそ1600万円と推定されるということです。
厚岸町営牧場の櫻井唯博牧場長は「このままでは来年の牧場の運営も見通せず、1日も早い捕獲が望まれる。町単独では限界があるので広域での対策が重要だ」と話していました。
クマによる被害は隣接する標茶町でもことしに入って5件起きていて、ふたつの町と道などは19日に対策会議を開くことにしています。
2021年8月18日