気温が高くなってきて、ホームセンターなどには花や野菜の苗が並ぶ季節になりました。北海道のおけるガーデニングの季節の到来です!今回は「花」や「野菜」「ハーブ」などを一緒に植えて楽しむ「ポタジェ・ガーデン」のやり方を、園芸家でポタジェ・アドバイザーの藤井純子さんに教えていただきました。
そもそも「ポタジェ」とはpotager(仏語で家庭菜園)。語源はポタージュ(混ぜ合わせる)からきていると言われています。ハーブや野菜などを同じ敷地内に植えるヨーロッパ伝統の菜園で、観賞と収穫の両方を楽しむことができます。そんなポタジェ・ガーデンは広い庭が無くても、プランターを使った寄せ植えで手軽に楽しむことができます。

ご紹介したのは2種類。
「ミニトマトとバジルの寄せ植え」と「ハーブの寄せ植え」です。

使う道具はプランター・鉢底ネット・じょうろ・鉢底石・培養土。そのほか手袋やはさみ、土入れスコップなどを準備してください。苗は、茎が太く安定しているもの。ひょろひょろと背が高く葉と葉の間が広い苗は避けるようにしてください。葉の色が濃い緑色のものがおすすめです。

「ミニトマトとバジルの寄せ植え」には、このほか茎の誘引用に支柱とひも(麻ひもなど)を準備してください。
ミニトマトとバジルの寄せ植え
①野菜を植える場合は、なるべく深さのあるプランターを準備する。
(今回使用したのは、深さ35センチ程度のもの)
②プランターの底に鉢底石を、ひと並び程度入れる。
(穴の開いたプランターの場合は鉢底ネットを敷く)
③次に培養土を入れる。この時に大切なのが「ウォータースペース」と呼ばれるスペースを確保すること。その下のラインが最終的な土の高さになるように苗を一つ置いて確認する。
④土の高さが決まったら仮置き。あらかじめ植える場所を決めておくと、植えるときに迷わずレイアウトすることができる。苗は、鉢の縁から、少し離したところに置くのがポイント。
⑤野菜やハーブの苗は、根鉢を崩さずに、ポットから出したらそのまま植えていく。葉の裏に土がかからないように気を付けながら、苗の周りに培養土を入れる。
⑥全体にまんべんなく培養土が入ったら、それぞれの株元を軽く押さえる。こうすることで、苗と培養土が馴染みやすく、根がシッカリと張れるようになる。生育が良くなる効果も。
⑦トマトに支柱を立てる。植物にとって強い風で揺れることは、ストレスになり生育不良になってしまうので、しっかりとヒモで誘引すること。
⑧植え付け後は、すぐに水をあげる。葉に水がかからないように気をつけながら、たっぷりとあげる。


このときのポイントとお手入れ方法です。

続いてハーブの寄せ植えです。
ハーブの寄せ植え
①鉢底ネットを敷いて、鉢底石を並べたら、培養土を入れる。このときも、ウォータースペースを確保することを忘れずに。
②背の高いものを一番奥にしたら、次に背の高いものは右に。そして左には一番背の低い植物を植えて正面からみて三角形になるようにすると見栄えがよくなる。

③花の咲く植物を植えるときには、根鉢の部分にハサミで切り込みを入れて、からまった根をほぐすように。こうすることで成長を促し、大きくてきれいな花を咲させることができる。ミントやレモンバームなどのハーブはそのまま植えて大丈夫。培養土を足してしっかりと鎮圧したら、たっぷりの水をやって完成。

実は、今回の寄せ植えには、そばに植えることでよい影響をもたらす「コンパニオンプランツ」を使っています。 コンパニオンプランツを植えることで、病気や害虫の被害にあいにくくなる、生育がよくなる、風味や味がよくなるといった作用があるんです。
たとえば、ミニトマトとバジルの場合

ほかにも、キュウリ+チャイブ(ネギ)やナスタチウム+イタリアンパセリやミントなど、相性のいい組み合わせがいろいろとあります。種や苗を購入する際には、農家の人やホームセンターの園芸担当の人などに聞いてみるのもいいかもしれません。

ぜひ、みなさんも花や野菜、ハーブを一緒に植えて、「見て・収穫して・食べて」楽しめるポタジェ・ガーデンに挑戦してみてください。

【出演】園芸家/ポタジェ・アドバイザー
藤井 純子(ふじい・じゅんこ)さん
放送日 2022年6月1日(水)