NHK札幌放送局

感染症指定病院に『第3波』への備えを聞く #ナットクとかち

十勝チャンネル

2020年7月1日(水)午後7時14分 更新

ナットク!とかちchは「私困っています新型コロナウイルス」をテーマに十勝のみなさんの疑問や困りごとにこたえるコンテンツを目指しています。
たくさんの投稿をいただいている、十勝の感染症医療の体制についてです。前回に続いて十勝地方でただ一つの感染症指定医療機関、「帯広厚生病院」を取材しました。

医療体制への「不安」

ナットク!とかちchに寄せられている投稿の中には、十勝の医療体制についての不安がいくつも寄せられています。

20代女性
「感染者が増えた場合の隔離施設の準備はあるのか?」
33歳女性
「十勝では何人まで感染者の受け入れが可能なのか?」
60歳女性
「最悪の事態を考えた体制の準備がなさすぎ。受け入れる病院のベッドも確保できていないのではないか。バタバタ出てきたら、医療崩壊はすぐだと思う。ひとごとではない」

十勝では6月29日に80代の女性が、新型コロナウイルスに感染していることが確認され、十勝での累計の患者数は4人になり、少ないとはいえ、感染はなくなってはいないのが現状です。
みなさんが心配している医療体制は、どうなっているのか? ”第3波”にはどのように備えているのか。感染症指定医療機関の帯広厚生病院のトップ、菊池英明院長に聞いてきました。

十勝の「最後の砦」として

まず一番に質問したのは、十勝で流行が拡大した際の医療体制についてです。院内の設備は、前回、その仕組みを詳細にお伝えしましたが、帯広厚生病院では9階フロアにある感染症病棟があり、ウイルスを外に漏らさない「陰圧」管理の6床の専用ベッドを備えています。

今回のインタビューで菊池院長は、十勝がウイルスの蔓延期となり病院の患者の受け入れがその6床を超える事態になったときは、フロアの病棟ごと感染症対策専用にしてベッド数を20床程度にまで大幅に増やす計画があることを明らかにしました。
また、院内には人工心肺装置「ECMO」(エクモ)を2台用意、重症の患者にに対応するための高度な治療の備えもできているといいます。

「備え」とは何か

しかし、ベッドを増やすにあたって課題になるのは医療スタッフの確保。特に新型コロナウイルスの治療にはこうした高度な治療装置の扱いや、院内感染を防ぐ対策の徹底で、人手や準備時間がかかるため、通常の治療に比べ、患者1人あたりに投入する医療スタッフの数も多くなるというのです。

さらに、感染が広がって、再び小学校で臨時休校となれば、子育て中の看護師が出勤できなくなる事態も想定されます。
このため、ベッド数を増やす場合は、一部の病棟を閉鎖した上で、その病棟の医療スタッフもウイルス治療に投入する方針です。

新型コロナ重症患者対応のため一部病棟閉鎖の場合も

重症患者に集中して対応するため、症状の軽い感染患者については、十勝の他の病院に受け入れてもらえないか、話し合いも進めています。すでに複数の病院が受け入れる意向を示しているそうです。
こうした地域での医療提供体制の役割分担も進めることで帯広厚生病院は、十勝最大規模の医療機関として使命を果たしていく覚悟です。

菊池英明 院長
「十勝の最後の砦であり続けていく決意ですから、重症の患者さんが十勝圏外まで移送しなければならないということをできるだけ少なくして、十分な治療を受けられるようにしたい。一方で、病院では、十勝の基幹病院で、コロナ以外の重症の患者も受け入れる救命救急センターもあるので、医療の質も落とさずに一緒にやる必要があり、両立していくことががとても重要になってくる」


住民の理解がなければ・・・

十勝の医療体制の”最後の砦”となる帯広厚生病院。その構築でもう一つ重要となるのが地域住民の理解です。これまで医療の根幹を担う病院職員たちが一部の住民からの目線に不安になる場面があったということです。

菊池英明 院長
「厚生病院職員だと聞くと、歯の治療は後日にしてほしいとか、飲食店の方でも利用控えてもらえないかといわれた、と報告を受けています。不安を抱えているからなのだと思いますが、やはりパニックになるとそういう対応が起こりうる」

病院としては、病院職員のメンタルサポートを強化し、院内の保健師に、早い段階から悩みを相談できる体制を作ってきました。住民側に、再び不安が高まった際に、どのように、うわさや誤解が生まれないようにするのか。医療体制がひっ迫する際には、病院側から、住民に理解してもらう発信の必要性も感じています。

菊池英明 院長
「われわれ厚生病院にかぎらず、コロナウイルス感染症の対峙している病院は、院内で次々と蔓延していかないような十分な対策をとっています。できる限りのことはやっていますので、皆さんが不安になるほど、心配な状態ではない、ということをよく理解していただけるようにしたいです」


取材した加藤誠記者は
菊池院長によりますと、これまで帯広厚生病院のコールセンターには「大勢入院しているのを隠しているのでは」という電話も寄せられていたということです。実は同様の投稿は、「ナットク!とかちch」にもいただいており、私も皆さんの不安な気持ちの広がりを感じていました。
現在、十勝で4人目の患者が確認され、最前線の医療現場では闘いが続いています。今回多忙な中でも、帯広厚生病院がNHKの取材に全面的に応じてくれた背景には地域の基幹病院として、少しでも住民の方の気持ちに寄り添いたいという思いがあるのだと、感じています。同時に私も、視聴者の皆さんとのつなぎ役になれるよう、これからも全力で頑張っていきたいです。

2020年6月30日の放送はこちら

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