NHK札幌放送局

投票を諦めないで! 不在者投票の活用を

衆院北海道2区補選

2021年3月26日(金)午後2時48分 更新

4月に行われる今回の衆議院北海道2区補欠選挙。 春は就職や進学、転勤などで“人の移動”が盛んになりますが、選挙区内から選挙直前に引っ越した場合、投票できるのか? 諦めないでください。「不在者投票」という制度があるんです。 

【「不在者投票」とは?】

通常、選挙権があれば、住民票がある自治体で有権者として選挙人名簿に登録されています。選挙は、住民票がある自治体で投票するのが基本です。投票日当日に投票に行けない場合は、その前に「期日前投票」することもできます。
ただ、なんらかの事情があって、そもそも投票所に行けないケースもあります。
そこで登場するのが「不在者投票」。長期の出張や旅行、入院などのため住民票がある自治体の投票所に行くことができない有権者が、滞在先で投票できる制度です。
この「不在者投票」。冒頭述べた引っ越しに絡むケースでも活用できます。詳しくみていきます。

(ケース① 就職で道外に出る大学4年生)
北海道2区内には北海道大学をはじめ大学が数多くあります。
その1つに通っていたAさん。この春卒業して道外に就職することになりました。
Aさんは大学進学の際、住民票を実家のある自治体から北海道2区内に移し、選挙人名簿にも登録されていました。この住民票は引っ越しにあわせて、3月下旬、春休み中に新住所地の自治体に移します。
4年間の学生生活ですっかりなじんだ地域だけに、今回の補欠選挙はぜひ投票したいというAさん。さて、この場合は?

「不在者投票」をオススメします。
実は、選挙人名簿の登録は、引っ越し先の自治体で住民登録後すぐ行われるわけではありません。
その自治体に「3か月以上、住民登録していること」がまず必要で、その有権者を対象に、▽年4回(3月、6月、9月、12月)の定期的な登録(※「定時登録」といいます)と、▽選挙にあわせての登録(※「選挙時登録」といいます)が行われます。
定時登録は原則1日ですので、たとえば春休みの3月下旬に引っ越した場合、選挙がなければ新住所地の自治体の選挙人名簿に登録されるのは9月になります。
裏を返せば、引っ越し直後であれば、選挙人名簿には旧住所地の自治体で登録されているわけです。
Aさんの場合、道外に住民票を移したとしても、4月段階では選挙人名簿としては北海道2区内で登録されたままですから、今回の補欠選挙で投票できるわけです。

なお、こうした対応は国会議員を選ぶ選挙に限られます。
知事選挙や道議会議員選挙、市町村長選挙、市町村議会議員選挙の場合、選挙区を離れると投票できなくなります。
Aさんは、投票日に北海道2区内に戻って投票することもできますが(※期日前投票も可能)、入社直後でなにかと慌ただしい時期ですので、新住所地の自治体で「不在者投票」するのが現実的でしょう。具体的な方法は後ほど解説します。

なお、進学の際に住民票を実家のある自治体に残したままにする方もいると思いますが、実家が北海道2区以外だと、当然ながら今回の補欠選挙では投票できません。
ことしは秋までに衆議院選挙もあります。
「不在者投票」は手続きで少し手間がかかります。
こうした手間を避けるためにも、進学で実家を離れる場合はきちんと住民票を新住所地の自治体に移してください。そもそも、その自治体で住民サービスをさまざま受けるためには住民登録が基本となります。

(ケース② 進学で道外に出る高校3年生)
北海道2区内で育った高校3年生のBさん。この春、道外の大学に現役合格。親元を離れて人生初、念願の1人暮らしを始めます。
Bさんの誕生日は3月下旬で、選挙権は18歳になるこの春休みに得ます。
つまり、3月の定時登録段階では選挙人名簿にはまだ登録されていません。
また、Bさんは春休み、17歳のうちに住民票を新住所地の自治体に移します。さて、この場合は?

やはり、「不在者投票」がオススメです。
少し細かくなりますが、旧住所地で住民票の登録期間が3か月以上ある17歳の人が転出後4か月以内に新住所地で18歳になったものの、新住所地での住民登録が3か月未満の場合、旧住所地の自治体で選挙人名簿に登録されます。
Bさんとしては、選挙にあわせた選挙時登録で北海道2区の選挙人名簿に登録されます。
先ほどのAさん同様、「不在者投票」を活用してください。

(ケース③ 転勤で北海道2区内に来た社会人)
社会人のCさんはこの春、東京本社から札幌支社に異動。家族を東京の自宅に残して、みずからは北海道2区内で1人暮らし。単身赴任を始めます。その昔、昭和の時代には“サッチョン族”なんてことばもありましたが、さて、Cさんの場合は?

答えは、「投票できません」。
AさんやBさんと違って、北海道2区内で3か月以上、住民登録していないので、今回の補欠選挙段階では北海道2区の選挙人名簿には登録されません。よって今回の補欠選挙は投票できません。
ただ、次の選挙に向けて、住民票は忘れず北海道2区内に移してください。

ここまで引っ越しと選挙の関係をみてきました。

なお、以下の点に注意してください。

(引っ越しで注意する点は)
①引っ越したら忘れず住民登録を
住民登録しないと新住所地の自治体では投票できません。
旧住所地で「転出届」を出したあと、新住所地に「転入届」を出さずに4か月が過ぎると、旧住所地でも選挙人名簿から削除され、すべての選挙で投票できなくなります。
②郵便局に「転居届」を
選挙の際、投票所で使う「投票所入場券」は選挙人名簿に従って選挙管理委員会から送られます。
引っ越し後に旧住所地の自治体で、なんらかの事情から突然、選挙が行われることもありえます。この場合、「知らない間に選挙が行われていた」という事態を避けるためにも、「投票所入場券」がきちんと新住所地に届くようにしておきましょう。
郵便局に「転居届」を出しておくと、1年間、旧住所あての郵便物が新住所に転送されます。

【「不在者投票」具体的には?】

次に今回の補欠選挙での「不在者投票」の手続きを具体的にみていきます。

まず、選挙人名簿に登録されている区の選挙管理委員会に「不在者投票宣誓書」を郵送し、投票用紙や必要書類を送ってもらいます。
その用紙を使って、新住所地(※直前に引っ越した場合)や滞在先(※長期の出張や旅行などの場合)の自治体の選挙管理委員会などに出向いて投票します。具体的な投票場所や時間はその自治体にお問い合わせください。なお、実際に投票用紙に記入するのは、その自治体の「不在者投票記載所」です。
「不在者投票」は投票日前日まで行われていますが、郵送には時間がかかることから、札幌市選挙管理委員会は早めに手続きするよう呼びかけています。詳しくは札幌市選挙管理委員会のホームページを参照してください。

このほか、選挙管理員会があらかじめ指定した病院や老人ホームならば、入院・入所者がそこで「不在者投票」できます。その施設の長が「不在者投票管理者」となって、選挙管理委員会から投票用紙を取り寄せ、投票後は選挙管理委員会に投票用紙を送ります。
また、郵便を使った「不在者投票」もあります。▽重度の障害がある有権者は自宅で投票用紙に記入して郵送できるほか、▽自分で投票用紙に記入できない場合は代理人に記入してもらい郵送することもできます。この郵便投票の利用には条件があり、あらかじめ選挙管理委員会に申請する必要があります。そのうえで、投票用紙を投票日4日前、つまり4月21日までに請求する必要があります。

投票所で直接、投票できない有権者のために「不在者投票」の制度が整っています。
貴重な1票を無駄にしないように制度を積極的に活用してください。
投票を諦めないでください。

報告 NHK札幌 臼杵良

2021年3月26日

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