災害は他人事ではありません。
起こった時に「まさか…」とならないように、
いつか必ずやってくると考え、備えることが重要です。
総合テレビ、夕方6時40分からの
「ほっとニュース函館」では、
地元の皆さんの安全安心を守る
「道南DEぼうさい!」という企画を毎月放送し、
道南の災害のリスクと備えについてお伝えしています!
教えてくださるのは、防災士の國田博之さんです。
國田さんは、渡島総合振興局で地域防災も担当しています。

函館も直下型地震のリスクあり
上野:今回のテーマは?
國田:「道南の直下型地震のリスクを知ろう!」です。
都市などの直下で断層がずれ動いて発生する地震を
「直下型地震」と言います。
阪神淡路大震災や熊本地震、胆振東部地震などが
代表的ですが、道南の中でも人口が集中する函館エリア。
ここにも直下型地震のリスクがあるんです。
こちらをごらんいただきましょう。

國田:函館平野西縁断層帯。
これは、直下型地震の原因となる活断層です。
読んで字のごとく、函館平野の西のはじに沿うように
活断層がのびています。
活断層というのは、簡単に言いますと、地震を伴いながら
繰り返し活動している断層のことです。
この函館平野西縁断層帯も、過去数万年にわたって
繰り返し活動したことがわかっています。
その度に断層の西側の地面が
3メートルも隆起してきたんです。
平均的な活動間隔から考えると、
そろそろ次の活動が起きてもおかしくないと考えられています。
上野:ということは、明日がその日かもしれない…
國田:はい。政府の地震本部も、ここで将来、大きな地震が発生する
確率が「やや高い」としてマークしているんです。
その時、函館は…
上野:気になるのは、断層帯が活動した時、
函館を含む道南がどうなるのか、ということですが、
どのくらいの地震が起きるんでしょうか?
國田:既に想定が出ています。こちらをご覧頂きましょう。

國田:もし、函館平野西縁断層帯を震源とする地震が
発生した場合は、北斗市や七飯町の広い範囲、
さらには函館の市街地の一部では、
震度6強以上の激しい揺れが襲うと予想されています。
道では、冬の早朝にこの地震が起きた場合、
函館や北斗、七飯を中心におよそ1800棟の家屋が全壊、
およそ1万4千人が避難を強いられると想定しています。
「震度6強」では、動くことはほとんどできませんし、
固定していない家具のほとんどが移動して、
倒れるものも多くなる。これほどの揺れが、
わたしたちの所でもおきるかもしれないんです。
私たちに必要な備えは…
上野:道南で、こんなに激しく揺れる地震が起きるかもしれない、
と思うと不安です。
國田:でも、いつかこの日がやってくるんです。
どう備えたらよいのか、ポイントはこちらです。

國田:直下型地震の特徴として
「緊急地震速報」が間に合わない恐れがあるんです。
大きく揺れる前に安全な場所へ逃げる、というのが、
この函館平野の地震については難しい。
このため、急に大きな揺れに襲われても
ケガをしにくいように
部屋の安全性を高めるための対策を進めましょう。

上野:具体的にはどのような対策がおすすめですか?
國田:例えば、タンスとか食器棚とか
大きな家具は固定する。
コップなど割れやすいものは高い場所に置かない、
特に寝ているところにモノが落ちてきたり、
倒れてきたりしないようにする。
「急に大きな揺れに襲われても、
ケガをしにくい家に住む」というのをコンセプトに、
暮らしを見直すのがオススメです。
上野:ホームセンターで安全器具を探して、
ご自宅の地震対策を進めてみるのもいいかもしれません。
國田:直下型地震による被害は、
道南、特に函館エリアの皆さんにとっては
決して人ごとではありません。
備えを進めていきましょう。
上野:道南DEぼうさい!、
今回は「道南の直下型地震のリスク」についてでした。
(NHK函館 上野速人)
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