NHK札幌放送局

田中賢介さん 日本ハムの今シーズンを展望

ほっとスポーツプラス

2021年3月23日(火)午後7時16分 更新

 いよいよ開幕を迎えるプロ野球。 日本ハムは、 2年連続の5位から巻き返しを図るシーズンです。 日本ハムOBで 、NHKプロ野球解説の田中賢介さんが 今シーズンを展望します。 
(札幌局 雁田紘司)

今シーズンのパ・リーグは

質問:今シーズンのパ・リーグをどう見ているか
 昨シーズンは、オリックスだけが最下位で離れていたが、今シーズンはオリックスも上がってきているので、6チームで去年よりさらに激戦になるのではないかなという印象がある。

質問:その中で日本ハムは
けが人もなく、すごく順調にきていると思いますし、新しい戦力では伊藤大海や野村佑希も出てきているので、そういう意味では去年よりは上積みはしっかりできたのではないかと思いますね。

日本ハムの先発投手陣

質問:先発ローテーションはどう見ているか 
まずは外国人(選手)がどれくらいで入ってこれるのかはあるが、上沢が柱であり、そのあとに加藤、河野、伊藤と続いていくのかなと。その後ろに、吉田輝星であったり、北浦、池田、金子が入ってくるのかなという印象がありますね。

質問:昨シーズンオフに、有原投手が大リーグ移籍し、バーヘイゲン投手もまだ入国できていない。先発陣は厳しいという見方もあるが
そこは栗山監督もすごく考えているところだと思う。本来であれば、カードの頭にエースをもってきて、カードの頭を取りながら2勝1敗という形を取るのが基本的な3連戦の戦い方だが、あえて上沢を頭に持っていかずに、必ず1勝はしていく。対戦相手のピッチャーに合わせて自分の勝てるピッチャーを当てていくというのを前半戦をやっていけば、団子になる。パ・リーグのなかであえて、団子のままいくという作戦も、私自身はありかなと感じています。カードの頭で、エースで勝てればすごく良くなりますけど、負けたときには一気に最下位に落ちていく可能性もあるので、上沢をどこで投げさせるかは結構、重要かなと思います。

上沢直之投手 エースへの期待

質問:今シーズンの上沢投手をどう見ているか
やはりエースとしての自覚がすごく芽生えていますし、自分が勝たせないといけないという思いは、近くにいても感じますので、そういう意味でもことしの上沢は、タイトルを総なめにするくらいの活躍は期待できるのではないかなと、
私自身は思っていますけどね。(上沢投手は)ドラフト上位で入ってきたわけではなく、ドラフト下位で入ってきて、入ってきた時は140キロそこそこしか出なかった。自分なりにトレーニングや投げた方を考えて、いまでは150キロを超えるボールを投げて、本当に成長した選手の1人。いろいろなことを考えながらできる選手ですから、そういう意味では心の強さを持っているので、エースとして1年間やってくれるのではないかと思っている。

質問:エースへの期待がプレッシャーにはならないか
上沢の場合はどちらかというと、意気に感じてやるタイプですね。※去年もすごく苦しかったんですけど、自分がやるんだというのが強く出過ぎて、前半に飛ばしすぎて、後半にバテてしまったというのがあるので。そこはチーム側がある程度、球数も含めて、登板間隔も含めて、上沢は『投げます、投げます』と言うので、ある程度、チームのほうで制限をかけながら、1年間、もたせていくというのは大切かなと思いますけどね。(※上沢投手は昨シーズン、左ひざの骨折から復帰。リハビリを終えて、そのままシーズンに入り、納得のいくトレーニングが出来ていたわけではなかった)

ドラフト1位ルーキー・伊藤大海投手

質問:伊藤大海投手の先発起用が決まった
入団する前は、抑えが適正ではないかという噂をけっこう聞いていたんですけど入団してキャンプを見ているうちに、すごく器用な選手なんですよね。変化球にしてもいろいろな球種を投げられるし、マウンドさばきにしても、すごく器用な選手なので、先発に向いている選手かなという感じはした。自分で考えられる力を持っているピッチャーなので、オープン戦でも1回打たれても、その次の試合は必ず抑えていくという、失敗をして、反省をして、次に生かすということができていた。この短い期間のなかで出来る姿を見ると、1年間で良い時も悪い時もあるでしょうけど、それをしっかり反省して、次に生かせる選手だと思うので、
けががなければ、1年間、ローテーションでまわってくる選手だと思う。

質問:伊藤投手がプロで戦っていくには
いろいろな球種を投げられるが、どうしても変化球に頼りがちになってくると思う。そのなかで、ストレートをしっかり怖がらずに投げきることを1年間通して
できれば、そこそこ成績は残ってくると思います。やはり打たれたくないと変化球が多くなってきたときが、一番ピンチかなという感じはしますので、1年間、しっかりストレートを軸として、変化球を投げていくというのを心がけていけば、ある程度、成績を残す力はあるなと感じていますね。

質問:かわす投球だけでなく、速球でインコースなどをつく力も持っている
その力は持っていますね。コントロールがいいピッチャーなので。これから広い札幌ドームでは、まっすぐをインコースに投げられると思いますけど、ほかの狭い球場にいったときに、本当に思いきり、そこに投げられる勇気を1年間、持ち続けるというのが大事かなと思いますね。

質問:伊藤投手は、日本ハムで北海道出身では初のドラフト1位の投手。期待も          すごく高い
北海道初のドラフト1位が出たということで、僕らが北海道に来たときに子どもだった彼らが、僕らの背中を見ながら野球を始めて、プロになって活躍してくれるというのは、私たちにとっても思い入れのある選手になりますし今後、こういう選手がどんどん増えてくると思いますので、彼らが新しいファイターズを作ってくれると思うと、ワクワクする感じになりますね。

北浦竜次投手の先発陣入りも期待

質問:ほかにも期待したい投手は
個人的には北浦ですね。オープン戦でもすごく良かったですし、しっかりとした下地があって上がってきているので、彼の下半身を見ても、ひとまわり、ふたまわり、大きくなっているし、後ろから見ても一番いい球を投げているので、ぜひ先発に入って、ローテーションを1年間やってほしいなと思いますね。コントロールも球威もそうですし、スライダーも投げられるようになっている。この3年間ですごく成長した選手です。エースの上沢もドラフト下位で入ってエースになりましたし、北浦もドラフト下位で入ってきて先発ローテーションに入って勝ってくれれば、ファイターズが掲げているスカウティングと育成の成功につながるので、そういう意味でもドラフト下位の選手でも活躍できるというのを証明してほしいなというのがありますね。

バーヘイゲン投手への期待

質問:昨シーズン8勝のバーヘイゲン投手は合流が遅れるが期待は
バーヘイゲンへの期待は大きいですね。去年の活躍を見ると、ただ抑えるだけでなくて、バッターの調子を崩す。あれだけ動く速いまっすぐを見せられると、バッターはすごく調子を崩してしまうので、ああいうピッチャーがいるのは大きい。ブライアン・ロドリゲス、ロビー・アーリンもいるので、外国人ピッチャーが早く来てくれるのを願いつつも、彼らがゆっくり調整できるような4月を、最初の先発の6人、7人あたりがやってくれることが、一番いいなと思いますね。バーヘイゲンなどが実戦で何試合も投げて、万全の状態であがってきても、他のローテーションの人たちが、きちんとやっているというのが理想ですね。

抑えで起用の杉浦稔大投手

質問:抑えで起用される杉浦投手をどう見てるか。

すごい球を投げている。あそこまで、はまるというのは、みんなが想像していなかった。実際、やってみてどうなんだろうというとこもあったと思うが、あそこまで抑えられると、誰も何も言えない。彼の場合はあとは、けがだけなので、大切に使っていくのが前提条件になっていくと思う。ピッチャーは試合だけ投げるわけではないので、投げるまでに肩を作るとか、練習をするということも、あの小さな1イニングの前にはたくさんの時間を費やしてやっているので、そこも含めて、どういう休ませ方をするのかも重要かなと考えていますね。例えば連投して、3日目ももしかしたら、いくかもしれないよというやり方は、杉浦にとってはつらいと思いますので、連投したら試合から、 ベンチから完全に外してしまうと。そういうリフレッシュのしかたをすれば、多少、連投が続いてもある程度もっていくのかなと思っています。

質問:杉浦投手は力でねじ伏せることもできて、落とすボールも持っている。
万全であれば、ストレートが当たらない。オープン戦を見ていても。ストレートが当たらないというのは、バッターにとって一番怖い。前に飛ばないストレートはバッターが一番嫌ですけど、そこを投げられているうちは、そうそうは打たれないかなと思いますね。そのストレートを打たれたときは、休むときなのかなというのがあると思うので、杉浦のバロメーターとしては、強いストレートで抑えるというのが条件かなと思いますね。

リリーフ陣で期待する投手は

質問:リリーフ陣で期待するのは

最近、支配下登録された長谷川凌太投手。もともと入ってきた時から力があるなと、みんな言っていましたし、そのなかで落ちるフォークボールをどれくらいコントロールできるかが課題の1つだったんですけど、彼のいいところは、フォークが絶対に高めにいかないこと。ワンバウンドになることもあるけど、高めにいくフォークよりは、まだいいと考えれば、あのフォークをしっかり使って、強いストレートを投げていけば、もしかしたら、セットアッパーあたりで活躍する可能性は十分あると思う。宮西と長谷川と、8回を任せられるようなことになれば、いまのファイターズとしてはすごく楽しみな存在になると思いますね。チームにとって、どこでもいつでもいけるという存在は大きくて、去年でいえば、玉井が担っていましたし、宮西、杉浦とも3連投は正直、むずかしいところがあると思うので、その中でも3連投、4連投でもできる生きのいい中継ぎとして、長谷川が頑張ってくれると、チームとしてはありがたいかなと。杉浦がいなければ9回もいけますという存在が1人いると、監督としては楽だろうなと思います。

野手で期待するのは野村佑希選手

質問:野手で期待するのは
やっぱり野村ですね。彼が活躍してくれないと、チームとしては苦しいので、彼にかかる期待は大きいですね。

質問:何番で起用するのかも注目
野村自身でつかみにいくものだと思うんですよね。現状、力から言えば、7番とかになってくるんでしょうけど、そこは自分で結果を残して、1つずつあげていくと。7番から6番、6番から5番、そこから3番、4番になるのは自分次第なので。結果を出して、そこまで上りつめてほしいなと思いますね。ファイターズから与えるというよりは、自分で打順をあげていくのがいいかなと思いますね。プロで活躍するというのは、器用さも必要なので、失敗して、反省して次に生かすというのができるので、使えば使うほど成長してくれる選手ですので、打てないこともでてくると思いますし、打率ものびないかもしれないですけど、何とか1年間、使い続けてほしいなと思いますね。

質問:野村選手は逆方向への打球が出ている
野村は右に長打を打てる。普通は外のまっすぐを打てないとバッテリーとしては楽なんですけど、そういう意味でも外のまっすぐでも、変化球でも長打を打てるというのは、相手バッテリーにとっても驚異。右方向に打てるのは、基本的にスキがなくなる。インコースに投げても、ファールで逃げることができるし、山を張れば、大体のバッターは打てるますから。やはり、右方向に長打を打てることが野村にとっての長所ですよね。

質問:シーズンを戦うには、調子の波もあり、相手の対応もある
彼自身が試合に出ながら、経験していくことになるが、これまでのオープン戦は1試合ずつやっているので、相手バッテリーが研究してくるとか、3連戦を通して、どういうふうに調子を悪くしようというような配球のしかたはしない。シーズンに入って野村が打てば、3連戦の初戦で、どんどんインコースに来る。インコースに来たときにバッターは崩れていくので、どんどん調子が悪くなるというのもこれから経験してくると思うんですけど、経験をしっかり次に生かす。この3連戦で調子を崩してしまったという経験をして次の3連戦はそうはいかないぞというふうに、しっかり切り替えてやれるかが、今後の課題だと思いますね。

質問:課題の守備も向上している
キャンプで基礎をしっかりやっていますし、もともとスローイングはすごくいい選手なので、ボールを捕れれば、あとは安心できるので。サードの守備を見ても、ほぼ1軍レベルにきていますので、あとはしっかり、試合の中での状況判断になってくる。それは試合に出ていないとわからないので、試合に出ながらつかんでいってほしい。

質問:打線のつながりをどう作る
去年でいうと、1番から6番はある程度、成績を残した。そこに今度、7番に野村が入ってくれば、あとは8番、9番。ショートとキャッチャーのところなので、そこで何とか、2割5分くらい打ってくれたら、本当につながりのある打線になると思います。

東京五輪で不規則なシーズン

質問:東京五輪の中断期間はどう影響しそうか。
オリンピックの始まるところまでを全力でいって、シーズンが終わりというくらい思い切りいけると思う。普段のシーズンだと、前半戦で大事にいって、何とかチームの形を作って後半戦にもっていくのが一般的な戦い方ですが、普段でいう
オールスター後くらいの選手の起用法で、ガンガンいけるし、いったほうがいいのではないかなと思う。オールスターまでに勝負を決めるくらいの勢いで選手を使い切るくらいの気持ちでいっていいのではないかと思います。

質問:中断期間までに勝負をかける場合、他球団と比べてどうか
正直言うと、ソフトバンク、楽天の選手の層をみると、負けているところはあるがただ個々の選手の力を見れば、大差はないと思っているので。ファイターズの選手がけがをせずに、目一杯行く。すごく難しいことですけど、選手がそれぞれ自覚を持ってやっていかないといけないのかなと思います。

賢介さんのメッセージ

質問:日本ハムの前評判は高くないがOBとしてのメッセージは
ファイターズは昔から下馬評が低いチームで、お家芸みたいなものなので、いまの選手たちも最下位予想は慣れているところもあるので、あまり気にしていないと思います。OBとしても慣れていて、毎年そうなので、そこから優勝しているチームなので。あえて言うならば、予想されている最下位を裏切ることが、ファイターズファンへの恩返しだと思いますので、そこは楽しんでやってもらいたいと思う。

3月24日(水)夕方6時10分~「ほっとニュース北海道」で放送します!

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