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放送休止の裏側!

  • 2023年7月28日

みなさんはNHKのFM(エフエム)放送やラジオ第一放送の深夜にこんなフレーズを聴いたことはありませんか?

「このあと、北海道の一部地域のFM放送(またはラジオ第一放送)は放送設備の点検・整備ため、午前5時まで放送をお休みします。「ラジオ深夜便」はラジオ第1放送(またはFM放送)でお楽しみください」

NHKでは、これを「ことわり」と呼んで、放送休止の直前にお知らせするフレーズとなっています。FM放送は基本的に24時間放送していますが、設備の点検・整備のため、主に日曜日の深夜となる月曜日の午前1時から5時の間で放送を休止して作業することがあります。
6月に松前町の札前(さつまえ)地区を主な放送サービスエリアとしている札前FM中継放送所で放送を休止しました。この時どんな作業をしていたのか、その内容について紹介します。

そもそも中継放送所とは?
テレビやFM、ラジオの電波は、「放送所」や「中継放送所」と呼ばれるところにある送信アンテナから発射されています。渡島・檜山管内を例にすると、テレビとFMの電波はみなさんご存じの函館山、ラジオの電波は函館市富岡町の赤白に塗装された鉄塔のある場所を「放送所」と呼んでいます。「放送所」の電波が届かない地域には、「放送所」からの電波を受信して送信する設備があり、これを「中継放送所」と呼んでいます(私達は「サテライト」または略して「サテ」とも呼んでいます)。渡島・檜山管内には、テレビ16箇所、ラジオ4箇所、FM8箇所の放送所または中継放送所があり、視聴者のみなさんに番組を届けています。

FM放送所や中継放送所はどこにあるの?
渡島・檜山管内にある8箇所のFM放送所と中継放送所の場所を図に示します。
赤枠の位置が今回紹介する札前FM中継放送所です。

札前地区を拡大して、ピンク色枠の中が札前FM中継放送所のおおよその放送サービスエリアとなります。

札前FM中継放送所で放送を休止してどのような作業をしたの?
今回の放送を休止して行ったのは送信機(電波を出す装置)の更新工事です。送信機は約20年使用しています。最初に紹介しましたが、24時間放送をしており、さらに夏は30℃以上、冬は-10℃の過酷な環境でも頑張っているので、基準を設けて計画的な更新を行っています。

サムネイル写真の中央にある白い建物の中には…
この写真は、更新工事を実施する直前の建物内の様子です。建物の広さは約1.6㎡(畳1枚分程度)で、そのうち半分を放送設備で占めており、2人入ると狭いと感じるくらいのスペースです。右側が旧送信機、中央が新送信機、左側が蓄電池設備の並びとなっています。
作業の直前は旧送信機で電波を出していますが、作業後は新送信機で電波を出すことになります。今回の作業には関係ありませんが、蓄電池設備は停電時にも電波が途切れることの無いよう電気を供給するための重要な設備で、札前FM中継放送所の場合は、約1日停電しても正常に電波を出し続けることができます。

作業の流れを紹介します。
月曜日の午前0時。現地到着です。写真からもわかりますが、深夜かつ外灯もないので外は真っ暗です。
午前1時の放送休止になる前に「危険予知(KY)活動」といって、作業内容、危険作業の有無とその対策などについて全員で確認します。この日の作業は放送に関わる重要な装置の更新のため、接続のミスが発生しないよう、「複数人による作業の徹底ヨシ!」と、全員で声出し指さし確認を行いました。

放送を休止する約30秒前に、冒頭で説明した「ことわり」が放送されます。そして、午前1時の時報前の0時59分55秒ぴったりに電波を停止して新旧送信機切替作業の開始です。先ほど紹介した写真のとおり、前もって新送信機を組み上げているので、放送休止後のメイン作業は送信機の接続ケーブルの変更と継続して使用する機器の移設を行いました。
放送休止中の作業でも地震や気象警報などが発生した時は、すぐに放送を開始させることを常に意識しているので、緊張感を高めて作業を進めます。

この写真は放送サービスエリアで電波の強さを測定している様子です。この地点の電波の強さは計算で求められ、計算値と同等であるか確認すると同時に音質のチェックも行います。高さ4mのポールに専用のアンテナを取り付けて測定します。

このような作業を実施して、新しい送信機に問題無いと判断して切替作業は完了となります。その後は、役目を果たした旧送信機を撤去して、最終的にこのようにすっきりした状態になりました。

全ての作業が終わったのは日の出頃。作業中の緊張も和らぎほっと一息。きれいな朝焼けが迎えてくれました。

今回の作業を終えて…
今回の送信機更新工事では、予備の系統も整備したことで、放送中の送信機が故障しても自動で予備側に切り替わり放送を継続することができます。また、放送休止せずに定期的な点検・保守が実施できるようにもなりました。
今回は、あまり知られていない放送休止の裏側を紹介しました。これからもみなさまにNHKの番組を視聴していただけるよう質の良い安定した電波を確保するため、適切な設備の維持管理に取り組んでいきます。

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