NHK札幌放送局

登山!何着て登る??【うんちく百迷山9月12日(日)放送!】

北海道まるごとラジオ

2021年9月9日(木)午後1時36分 更新

登山の取材をしていると、おしゃれな装備やグッズもたくさん。
登山の服、どのように選んでいますか?

佐藤:鈴木さんが登山に行くとしたら、どんな服装で登りますか?
鈴木:こんな感じかなぁ…
鈴木:
①肌着は、すーっと涼しくなるもの。
その上は、②長袖のTシャツ。(2種類)
夏とはいえ、これだけだと心細いので、防寒用に③パーカと…雨に備えて、④カッパ。
かぶるタイプだと動きにくいし、ズボンが濡れてしまうかもしれないので、上下セパレートのもの!

ちゃんと理由があっての、チョイス!
そもそも、登山用品って、結構高いし、全部そろえるのは大変ですよね。
何が、どう必要なのか。持っているものは使えるのか?
札幌市にある登山とアウトドア用品の専門店に取材してきました!

・・・

教えてくださるのは、登山用品担当の後藤恵輔さんです。

後藤さん:
登山用品、手持ちのものも活用できますよ!そのためには、登山用品と、普段着の違いをしっかりと知ること。そして、「いかに体力の消耗をおさえるか。」を考えるのが重要です。
具体的には、過剰に汗をかけば、疲労につながるし、冷えると、体温が奪われ、命の危険にもつながります。

常に、暑すぎず、寒すぎず…これを実現する装備の基本は、この3つ!

①アンダー(肌着) ②ミッド(中間着) ③アウター(上着)

これらを“レイヤリング”(レイヤー:階層・層)つまり、重ね着して、空気の層を作り、調節していきます。

鈴木:3枚も着て登るんですか?真夏だと、暑すぎませんか??

後藤さん:
いえ、必ずしも最初から3枚着なくても大丈夫です。ミッド、アウターは、寒くなったら着る、暑くなったら脱ぐ。“レイヤリング”の利点は、この、「調節できること」です。
特に、標高が高い山は注意が必要。北海道の山だと、だいたい標高1000メートルを超えると、「森林限界」、といって、がらっと環境が変わります。木が生えていないので、雨や風、日光からの逃げ場がなくそれらの影響を直接受けます。そして標高を上げれば、それに伴って気温が下がります。

後藤さん:
夏山登山の遭難の多くは、軽装備で登ったり、保温できるものを持っていなかったりした人が多いんです。

2009年7月、北海道・大雪山系(たいせつさんけい)のトムラウシ山で、登山ツアーの8人が亡くなった遭難事故がありました。覚えていらっしゃるでしょうか。当時、現場周辺は強い雨や風に加えて気温が低下しており、8人は、低体温症になったことにより凍死しました。 

亡くなった8人のうち7人は、フリース素材の服の上に薄手のジャンパー類しか着ていなかったということです。 

服装選びは素材に注目

好ましい素材は、化学繊維(ポリエステルやナイロン)のもの。
ふさわしくない素材は、「コットン」。コットンは、汗はすうけど、乾かないので、ぬれたままは、体温を奪うことになります。ウールは天然素材ですが、近年その良さが見直されています。

では、鈴木アナの用意した服を例に、一緒に見ていきましょう。

まずは、素材チェック。鈴木アナの持参したものは…「△」。

後藤さん:素材はポリエステルなので、悪くはないんですが…これは「汗冷え」してしまう可能性があります。

汗冷えとは、「かいた汗が乾かずに、濡れたまま、冷たくなり、体温を奪うこと」を言います。
鈴木アナの肌着は、素材はマルなんですが、あくまで日常生活用のもの。
登山のような大量の汗には耐えられず、汗をすった肌着がはりついて、汗冷えしてしまう可能性があるそうです。標高の高い山を登る場合には、登山用のものを用意したほうがよいかもしれません。
お店には「汗冷え」対策の肌着も売っていました。

続いて、中間着。
鈴木アナの持参したもの(紫色の長袖Tシャツ)は、「×」!

後藤さん:これは、素材が、コットンですよね。

肌着が化繊だからとはいえ、その上にコットンの服を着てしまうのはNG!コットンは、“保温性はありますが速乾性に問題があります。中間着も、化学繊維のものを、もしくは、シチュエーションによってはウールもオススメです。
開襟できるシャツタイプのものや、長袖Tシャツ、フリースなど、いろいろありますが、素材に注目して選びましょう。

ちなみに、ズボンも、化繊のものを選びましょう。
ジーンズは動きやすそうですが、コットン素材なのでふさわしくありません。(理由は先述)

では、アウターはどうでしょうか。
鈴木アナが用意したのは、温かそうな「パーカ」と、「カッパ」(雨具)です。

後藤さん:
これは、×です!このパーカだと雨が降ると水がしみてきて、体温が奪われるし、風も通してしまいます。雨具のカッパも、完全な防水のものではありません。雨はふせげても、汗の湿気を外に逃がすことができない点でも、×です。

登山のアウターの理想は、「レインウェア」です。実は、レインウェアは、「登山三種の神器」のひとつといわれるほど、重要なんです!(ほかの二つは、登山靴、ザック。)
レインウェアは、雨天だけでなく、晴れの日は、日ざしをさえぎり、風を通さない役割をします。
すべての天候に使えるすぐれものです。

レインウェア選び、ポイントは「防水透湿性」!

「防水透湿性」とは、防水(雨などの水の侵入を防ぎ)、透湿(汗などの内側の湿気を外に逃がす)の役割のこと。タグを見て、このような機能がある「防水透湿性」の素材を選ぶことがポイントです。
では、レインウェアを上下選んで、試着!

鈴木:家にあるもので代用できるものもあれば、専用のものでなければだめなものもあるんですね。勉強になりました。
《ポイントまとめ》
・夏山登山でもアウターは必携!
・服装の基本は“レイヤリング”(重ね着)
・素材に注目!
・レインウェアは、登山三種の神器
・上下セパレートタイプのものを選ぶ!
・しっかりと汗を乾かしてくれる肌着・中間着選びもとっても大事!
・これらが網羅されていれば、手持ちのものでも大丈夫!

みなさんのお手持ちの服・装備で、活用できそうなものはありますか??
「登山靴の選び方」も参考にしてください。
装備は、命に関わることもあります。わからないことがあれば、店員さんに聞きましょう。

万全の準備をしつつ、まずは、音声で登山気分をお楽しみください♪
「神田山陽のうんちく百迷山」
放送は9月12日(日)ラジオ第1で 午後3時5分からです!

WEBでは、放送をさらに楽しめるような、取材の記録や登山の情報などを掲載しています。
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