NHK札幌放送局

進むか道産和牛の「統一ブランド化」

ほっとニュースweb

2021年5月25日(火)午後4時23分 更新

黒毛和牛のご当地ブランド。実は、道内に、主なものだけで20以上もあるって、ご存じでしたか?これまでは地域の生産者が独自に進めてきたブランド化。いま、変化が起きようとしているんです。販路拡大に向けた「統一ブランド化」構想。その背景と狙いを取材しました。 

飼育頭数は全国3位

北海道で「牛」というと、とかく、酪農や乳牛のイメージを持たれるかも知れません。でも、実は、黒毛和牛の飼育頭数で、北海道は、鹿児島、宮崎に次いで全国第3位。全国有数の黒毛和牛の産地なんです。

道産ブランドは20以上

十勝和牛や白老牛をはじめ、道内のご当地ブランドは、実に20以上。その品質は、年々、向上しています。最高ランクの「A5」の等級に格付けされる牛は、10年前・平成23年には道産和牛全体の2割程度に過ぎませんでした。しかし、おととし・令和元年には4割超が「A5」を獲得。肉質への評価は高まっています。

「北海道和牛振興協議会」会長で、みずからも道南の今金町で黒毛和牛を飼育する佐藤弘一さんは、こう話します。

「以前は、『北海道にも黒毛和牛がいたのかい?』って言われるようなこともあったけど、いまは本当に品質が改良されてきて、全国のブランド牛と、味も同等。有名ブランド牛にも引けを取らない水準にあると思っています。あとは、売り方次第です」

「統一ブランド化」構想

販路拡大に向けた最大の課題は、知名度の向上です。数多くのブランドが打ちだされているわりには、松阪牛や神戸ビーフ、米沢牛、宮崎牛といった有名どころに比べると、全国的な知名度は、今ひとつ。そんな現状を打開するため、佐藤さんたちが進めようとしているのが、道産和牛の「統一ブランド化」です。細かく別れたブランドごとでは生産量が限られ、全国規模で流通させるには不十分。結果、知名度も限定的となります。そこで、北海道のブランドとしてネーミングを統一し、共同で販売網を築くことで、販路を広げようというのです。

北海道和牛振興協議会・佐藤弘一会長
「道内の各ブランドが、ひとまとまりになって、『1つのブランド』としてやっていけたらいいのかなと思っているんです。ホクレンや道庁、生産者と共同で販売網を作ってブランド化し、牛肉生産を展開していく形がいいのではないか」

「オール北海道」で

道産和牛の高まる評価を販路の拡大につなげるには、「オール北海道」としてのブランドづくりが必要ーー。こうした佐藤さんたちの考えを、道も、後押しし、成長を促したいと考えています。「統一ブランド」で、世界的に知名度がある北海道の「食」のイメージと結びつけ、販売を展開していくことは、海外への売り込みにあたっても大きな意味があると見ています。

ブランド名の使い分けも

道も協議会も、それぞれの地域が長年かけて築き上げてきた各ブランドの取り組みは尊重したいとしています。たとえば、すでに「統一ブランド化」を進めている静岡県では、県外に売り込む時は統一ブランド名を使用し、県内では既存のブランド名を併せて使えるようにするなど工夫しています。道や協議会は、こうしたケースも参考に、これまで独自にブランドを育ててきた各生産者の意向も踏まえながら、方向性を出していきたいとしています。

進むか「統一ブランド化」

6年後の令和9年、北海道では初めてとなる「和牛のオリンピック」が開かれます。5年に1度開催される、全国の黒毛和牛の品質を競う品評会。道は、この6年後の品評会をターゲットに、「統一ブランド化」の実現に向けた動きを進めたい考えです。今年度中に、協議会やホクレン、生産者などと協議の場を設けて、具体的な検討を始める方針です。道産和牛を、全国へ、そして、世界へ。今後の動向に注目したいと思います。

(札幌局記者・眞野敏幸)

2021年5月25日

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