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サケカメラ2020おかわり #サケ

  • 2021年3月7日

札幌市のまんなかを流れる豊平川で、サケの産卵環境を回復させる工事が行われました。人の力で環境を改善させた水路で、野生の命をつなぐことができたのか。河原に設置した自動カメラ=サケカメラが、3か月にわたってサケたちを見守りました。
「サケカメラ2020」の続きです。

サケと湧水と産卵床

自動カメラが撮影していたのは、JRの鉄橋のすぐ上流。赤く印をつけた場所です。このあたりはもともとサケたちが産卵に使っていた場所です。2019年夏の工事で、上流側(画像手前)から水路を作って川の水を再び流して水がよどまないようにすることで、産卵環境を回復させました。

産卵床の付近には、湧水が流れ出ています(画像右下)。流心の温度が4度なのに対して、この湧水の付近は7度。産卵床の砂利の中からでてきた野生の稚魚たちは、暖かい流れの付近に集まっていました。温度が一定の湧水は、サケが産卵するのに都合のよい環境を作っています。

ホッチャレと動物たち

サケたちは産卵を終えると、死んでいきます。その死体は、いろいろな生物が利用する貴重な資源になります。
自動カメラにもホッチャレを食べるキツネの姿が写っていました。直後には、トビとカラスがついばみ、サケは死んだあとも、たしかに、他の生き物たちを支えていました。

都市の野生を知る

豊平川では、サケを中心にさまざまな生きものの調査が行われています。札幌市豊平川さけ科学館は、サケの産卵床の分布や遡上数を、長年調べてきました。今シーズンは、寒地土木研究所が産卵床に網を取り付け、どれくらいの稚魚が浮上してくるのか調査を進めています。

河川再生とサクラマス

去年12月、魚類研究の学術集会で、北海道大学構内を流れるサクシュコトニ川でのサクラマスの産卵が報告されました。報告したのは、サクラマスの保全活動をしている大学院生の中村慎吾さん。去年10月、SNSの情報から、現地を調べたところ、サクラマスの遡上を確認。産卵の撮影に成功しました。
サクシュコトニ川は、もともと湧水の流れて、都市化とともに水が涸れ、2003年の再生事業で現在の姿になりました。

サクラマスは、川底にわずかにできた小砂利が堆積した場所を産卵場所に使っていました。人が再生した川に戻ってきたサクラマス。3月31日の調査で、産み付けた卵から稚魚が誕生したことが確認されました。

2020年4月20日追記

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