NHK札幌放送局

札幌東区の市街地にヒグマ どこから来た?どうすればいいの?

ヒグマ情報

2021年6月18日(金)午後7時54分 更新

ヒグマが現れたのは大都市・札幌の市街地。まわりにはスーパーやラーメン屋や自動車販売店があるごく普通の住宅街でした。
18日の朝早く、現れたヒグマは、たまたま出会った人にけがを負わせながら移動。市街地がとぎれた場所の茂みにいたところを、ようやく銃によって駆除されました。

通報「クマが走っていた」

18日午前3時半ごろ、札幌市東区北31条東19丁目の路上で「クマが南の方向に走っていた」と近くの住民から警察に通報がありました。
付近では、クマを目撃したという通報が、午前10時までに30件以上相次いだということです。

警察によりますと、午前6時前、最初に目撃された場所から南へおよそ1キロほど離れた札幌市東区北19条東16丁目付近で、70代の男性と80代の女性が次々に襲われて軽いけがをしました。
ほかにも、40代の男性2人がそれぞれ別の場所で襲われ、けがをした人は合わせて4人となりました。

歩き回ったヒグマは…

警察などが追跡を続ける中、クマは半径2キロ余りの範囲を8時間近くにわたって歩き回りましたが、午前11時すぎ、東区の丘珠空港付近の茂みにいたところを銃で駆除されました。
駆除されたクマは体長がおよそ1メートル60センチで、体重は158キロあり、5歳から6歳のオスだということです。
今回、出没した現場はいずれも札幌市営地下鉄「東豊線」沿線の住宅や商業施設が建ち並ぶ市街地です。
この影響で、一部の学校は休校などの措置をとったほか、丘珠空港を発着する8便が欠航しました。
また、札幌市も周辺の住民に対し自宅にとどまるよう呼びかけていました。
札幌市によりますと、市内でクマによるけが人が出たのは、2001年に南区の山中で起きた死亡事故以来、20年ぶりだということです。

ヒグマに引っかかれた男性は

北19条東16丁目で被害にあった70代の男性は、午前6時前、ごみ出しをしようとしたところ自宅前でヒグマと鉢合わせになり、背中などを爪で引っかかれて軽いけがをしました。
クマは建ち並ぶ住宅の隙間をすり抜けるようにして突然、現れたということです。

けがをした男性
「クマが自分の体を踏み越えようと乗しかかってきて、爪を立ててきた。病院で手当てを受けたが、出血がまだ止まらない」

北東の山から石狩川を越えて

ヒグマの生態に詳しい北海道立総合研究機構の間野専門研究主幹は、今回のヒグマについて、札幌市から北東に数十キロほど離れた山から石狩川を越え、水路などを伝ってやってきたと推測しています。

間野専門研究主幹
「札幌市では5月末から6月はじめに北区の茨戸公園でクマが確認されていたが、その個体が南下して市街地までやってきたのではないか」

このクマがすでに半月前から札幌市内に入り込んでいた可能性を指摘しました。

「重要なことは、クマが市街地の周辺までやってくるようになったのは、今に始まった話ではないということだ。ヒグマの個体数は増加し、生息域は年々拡大していて、今回の事態は、住宅地でもヒグマの侵入があり得ることを突きつけた」

間野主幹は、もし市街地でヒグマと出くわしてしまった場合、背を向けず、刺激しないようにして静かに離れてほしいと話しました。

ただ、予防策こそが重要だと指摘しました。

間野専門研究主幹
「市街地に侵入してからでは駆除などの対処が難しいので、そうなる前にリスクを減らす必要がある。生ゴミの管理や、ゴミステーションをクマが壊せないものにするといった対応を進める必要がある」

2021年6月18日

札幌市東区 市街地にヒグマ出没 時系列まとめ

ヒグマ情報2021

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