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今夜は地元ワインで乾杯しない?

  • 2022年11月22日

かんぱーい!「ほっとニュース道央いぶりDAYひだか」道央担当リポーター、坂井里紗です。早くも乾杯しちゃいましたが…今回は余市町で「ワイン」を楽しんできました♪しかも飲んだのは普通のワインだけじゃありません!この秋に収穫されたばかりの地元産のブドウを使った「新酒」=「ヌーヴォー」です!「ヌーヴォー」といいますと今月17日に解禁となったフランス産のワイン「ボージョレ・ヌーヴォー」が有名ですよね。ただことしは円安の影響で値段が高めです。「ボージョレ・ヌーヴォーを飲んだよ!」という方も「ことしは高くて飲めないよ!」という方もワイン好きは必見!今夜は余市のワインで乾杯しませんか?

今月(11月)16日から20日までJR余市駅を会場に「余市スタイルまつり」が開かれました。ボージョレ・ヌーヴォーの販売解禁に合わせて開かれた催しでことしが初めての開催です。会場には余市町を中心に18のワイナリーがことしの新酒など自慢のワインを出品。ずらりと並ぶワインは一本一本が輝きを放っていて圧巻でした!

いや~これだけあると迷っちゃいますよね。何と言っても約50種類ももワインが並んでいるんですもの!ただ、そんな時にはおすすめを教えてくれる“先生”がいます!世界最難関と言われる「マスターソムリエ」の資格を持つ余市町の地域おこし協力隊、高松亨さんです。イベントでは、お客さんの好みやその日の気分に合わせて高松さんがワインを選び、みずから注いでくれます!一人ひとり丁寧に対応されていました。

私も高松さんに選んでほしい!…ということで、「珍しい」「すっきりしている」というキーワードで選んでいただきました。出してくれたのは、なんと発酵途中のワインです。実際に飲んでみると、ジュースのようなワインのような…不思議な味わいですが、果実感や甘み、深みが強く感じられておいしかったです。ワイン好きの坂井ですが、発酵途中のワインを飲んだのは初めてでした!!

マスターソムリエ 高松亨さん
「ブドウジュースが発酵して二酸化炭素とアルコールになるんですけど、その途中の段階です。このまま発酵し続けると本当に辛口のワインになります。11月で今仕込んでいる状態だからこそ飲めるものです。」

会場には、日替わりでワイナリーの方々も来ていました。種類や味の特徴などを直接聞きながらワインを選ぶことができるんです。なかでも余市町産のワインは小さなワイナリーが多く生産量が限られているためなかなか飲める機会が少ないんだそうです。このようにワイナリーの方と直接話をすることで余市のワインをより身近に感じることができますよね。余市町内で家族でワイナリーを営む木原茂明さんもお客さんと話ができることを喜んでいました。

モンガク谷ワイナリー 木原茂明さん
「ことしもすごくいい出来になっていまして、質・量ともに満足のできる年になっています。余市のワインは、冷涼な北海道ならではの、酸がしっかりと残る爽やかなうまみが特徴です。日本の食事にとてもよく合うワインなのかなと感じています。今回は、自分たちが日々味わいながらつくっているワインをお客さんにも触れてもらいたいという思いで参加しました。ふだんはお客さんと接する機会が少ないので、こうした機会に皆さんの声を聞くことが励みになります。余市では生産者が増えていて、お互いに切磋琢磨することで年々品質も上がっているような気がします。今後が楽しみです。」

会場ではワインに合わせて「余市の食」も楽しむことができました♪余市のワインと食のマリアージュを楽しむことこそ「余市スタイル」なんです!期間中は10の飲食店が余市の食材を使った料理を提供しました。

中には、すごい方の料理も。全国の料理人が腕を競うコンテストでグランプリを獲得した、下國伸シェフです。下國シェフは余市町の特産品を使った料理を提供しました。

「ぬかニシン」をソテーして、ミントと一緒にそば粉のクレープで巻いた「ぬかニシンガレットのラップサンド」。

豚肉のパテをブドウの葉で包み、蒸し焼きにした「パテ・ニッカ」は、アルコールを飛ばしたウイスキーソースでいただきます。

さらに「ジンジャーアップル餃子」はリンゴに餃子の皮をまとわせて焼き上げました。

「ニシン」「ウイスキー」「リンゴ」。どれも余市町で長く愛されている特産品を新感覚にアレンジしています。下國シェフは、生産者に直接話を聞いてメニューを考案したそうです。

下國伸シェフ
「再発見じゃないですけど、『こういう形にしたら食材の持っている力を最大限に引き出せるんじゃないのかな』と考えてつくりました。やはり食材を直接見て、生産者がどんな気持ちでつくっているかを聞かないといい料理はできないので、生産者の方の思い、『こうやって食べてもらいたい』という気持ちをしっかりと受け止めてつくりました。特にワインと一緒に食べることで相乗効果が生まれもっとおいしくなります。今回の催しを通して余市の食材、それに町の雰囲気が本当に好きになりました。すばらしいポテンシャルをもった余市の食材をこれからもいろんな形で昇華していって盛り上がっていけばすばらしいなと思っています」

また今回の催しでは、マスターソムリエの高松さんが下國シェフのつくった料理に合うワインを選んで紹介していました。さあ、おいしいものがそろってしまった!!2人のプロフェッショナルが生みだしたマリアージュ、私も体験したい!!…ということで「ジンジャーアップル餃子」と一緒にワインをいただきました。高松さんが選んだのは、すっきりとしつつ果実感のある微発砲の白ワインです。いただいてみてまず感じたのが感覚のおもしろさです。やわらかくシナモンの味がふわっと感じられるリンゴと餃子の皮のパリパリ感、そしてぱちぱちと口の中ではじけるワイン。3つの感覚が口の中を楽しくさせてくれます。また甘すぎないアップル餃子とワインの果実感がよく合って全体的にさわやかな果実の風味が口の中に広がりました。

余市の味を存分に楽しめる「余市スタイルまつり」。実行委員長の相馬慎悟さんもこの催しをきっかけに多くの人に余市の魅力を知ってほしいと話していました。

余市スタイルまつり実行委員会 相馬慎悟実行委員長
「余市のワインと余市の食材をマリアージュして楽しむ、それが余市のスタイルだよということを提案する催しです。これから冬を迎え余市は夏場と比べると若干静かなムードになっていきますので、このイベントをきっかけに冬をもっと元気づけられたらと思います。ワインのよさと食材のよさを一緒に楽しむ文化を根付かせていきたいと考えています」

すてきなワインや料理との出会いを楽しむ催しについては、17日(木)午後6時40分からの「ほっとニュース道央いぶりDAYひだか」でご紹介しました。ことしの「余市スタイルまつり」は終わってしまいましたが、ぜひみなさんも余市のワインや食を見つけた際には味わってみてください♪

取材後記

取材はイベントの初日。開始の時間と同時に多くのお客さんで盛り上がっていました。そして楽しんだのはワインや食だけではありません。新型コロナの影響で3年間発表の場を失っていた町内の子どもたちが、日替わりで楽器の演奏やお遊戯などを披露しました。さらに司会を務めたフリーアナウンサーの国井美佐さんが上手に会場を盛り上げ、お客さんに「ワイナリーの方と話してみませんか?」「みなさんグラスは空になっていませんか?」などと問いかけると皆さん笑顔で答えていました。お客さんの中には「12杯飲んだ!まだまだいけます!」という方や「初めて飲んだワインが余市のワインでした」という方、「下國シェフの料理が食べられると聞いて来ました」という方もいて、皆さんそれぞれ余市の味を楽しんでいました。私も自分と同じようにワインが好きな方と出会い「余市ってワインの種類ありすぎですよね!」などと話して盛り上がりました。ブドウの栽培が盛んでワイン特区にもなっている余市町。たくさんある小さなワイナリーのものも含めて、余市のワインも、そして食も、いつかすべて制覇したいと思う坂井なのでした。

道央いぶりDAYひだか
坂井里紗
2022年11月21日

前回取材したのは札幌市手稲区に新たにオープンした「は虫類」専門の動物園。ブームのなかで飼いきれず捨てられてしまう「は虫類」のことを考えてほしいという思いでつくられた施設です。かわいさに癒されながらも命の重みを考えさせられる取材でした。
見て、触れて、学べる「は虫類」!

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