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そうだったのか テレビの電波「ドカ雪を下ろせ!冬の放送所点検」

  • 2023年2月9日

皆さんのご家庭にテレビやラジオの電波をお届けするための設備「放送所」。道北オホーツク地域の豪雪地帯の放送所にはドカ雪が積もります。冬の期間、放送所をどんなふうに点検しているかをご紹介します。

この点検の様子は「広報おすすめ動画」サイトで1分間の動画になっています
広報おすすめ動画→「NHKの取り組み」パート→「和寒テレビ中継放送局」をクリック

1.出発準備

ピッ、ピッ、ピッ、ピー!
ハイ、オーライ!
雪上車をトラックに積んでいます。本日の点検では除雪されていない区間を数kmにわたって通行する必要があります。
そこで雪上車の出番。NHK旭川局にある雪上車を大型トラックにのせて、4輪駆動車と大型トラックの2台で出発します。

点検に向かうのは、上川管内・和寒町にある和寒テレビ中継放送所。この中継放送所は稚内地区や利尻・礼文島までテレビの電波を届けるための重要な放送所です。ここはとても雪深いところです。放送所に行くために数kmに及ぶ山道に入ると、除雪されていないため4輪駆動車でも進むことができません。

2.雪上車で放送所へ

途中までは国道を走り、山道に入るところで雪上車をトラックから降ろして、乗り換えました。

山道では積雪による倒木やふきだまりなど、雪上車の走行が困難な状況も考えられるため、 チェーンソーやスノーシュー、スコップなどの冬山装備をしっかり準備します。

雪上車は、除雪されていない山道をゆっくり走ります。

雪上車に乗り換えてから、放送所のある山頂までおよそ1時間かかります。

3.放送所で雪下ろし作業

放送所のある山頂周辺は一段と雪深くなっていました。

ついに放送所に到着。放送機のある設備、自家発電装置のある設備ともに、大量の雪が積もり、まるでマッシュルームのように見えます。

雪をそのままにしておくと、重みで建物が傷みやすくなります。もし、たとえわずかでも、傾きや破損、雨漏りなどが起きてしまえば、みなさんのご家庭にテレビの電波を届ける設備に影響が出かねません。
まして、この放送所の設備は建設からすでに50年を超えています。真冬の時期は雪下ろしがどうしても必要になります。

まずは雪庇を落とします。

鉄塔のアンテナにも雪が積もっています。これでは送信の確認ができないので、アンテナの上の雪も下ろします。

放送機のある設備、自家発電装置のある設備の雪を下ろし終わりました。えっ、屋根に少し雪が残っているみたいですって?

実は雪下ろし作業で屋根を傷つけてしまうと、雨漏りなどにつながる思わぬ破損の危険性があります。そこで、屋根の上の雪は少し残したままにしています。

雪下ろし後、放送機のある設備に入って電波の送受信を確認。問題なく動いていることを確認しました。

4.ひと冬に2回 雪下ろしをすることも

放送所設備の担当者は、天気予報や積雪量などの気象情報を日々確認して、点検の時期や回数を検討しています。和寒の放送所には、ひと冬に2回、雪下ろしに向かうこともあります。真冬の時期は、雪下ろしをしても、一週間から十日ほどで、下記の写真のように、またドカ雪が積もっていることもあります。

和寒だけでなく名寄テレビFM中継放送所などの放送所でも、雪上車を使った雪下ろし作業を行っています。
冬の時期も、みなさんのご家庭に安定した電波で放送をお届けできるように、日々取り組んでいます。

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