こんにちは!「ほっとニュース道央いぶりDAYひだか」で道央の情報をお伝えしているリポーターの坂井里紗です。取材に向かう途中、桜が咲いている所をいくつも見つけて、“北海道にも本格的に春が来たな~”と心が躍りました。見頃を迎えている所もありますから、皆さんもすてきな桜を楽しんでください♪
さて、道央・胆振日高70市町村の魅力をお伝えする「ななまるMAP」で今回訪ねたのは小樽市です。どうして小樽市を訪ねたかと言うと、「新しい美術館が誕生したから」です!きょう28日にオープンした「小樽芸術村 西洋美術館」は、札幌市に本社がある家具メーカー「ニトリ」が小樽市の指定歴史的建造物の1つ「旧浪華倉庫」を活用して作りました。きのう報道向けの内覧会が行われ、一足先にお邪魔しました。特別に展示品の写真も撮らせていただいたので、いくつかご紹介しますね(^_-)-☆
最初に出会ったのがキノコ型のランプです。パリに電気が通るようになった1900年から1925年に作られた美術品で、マッシュルームタイプと呼ばれています。
この形はフランス人が親しみやすい形状なんだそうです。1つ1つが美しい上にたくさん並んでいて、圧巻でした。
中には和の雰囲気を感じさせてくれるランプもありました。
描かれているのは菊の花の模様です。ランプシェードの形は陣笠のようにも見えます。このように東洋の文化を取り入れたような作品も並んでいました。
さらに奥に進んでいくと…ひときわ目を引いたのがこちらのステンドグラスです。1865年から1870年ごろにフランスで作られました。
ベルギーの教会の窓に飾られていたもので、「キリストの生涯」「聖母マリアの生涯」をテーマに下から上に向かって紙芝居のように描かれています。デザインや色合いなどは13世紀の技法を基本に作られているそうです。
大きさはなんと、約6メートルもあります。
162センチの私と比べると、こーんなに大きいんです!その大きさと美しさに息をのむほどの大迫力でした。
もう1つ、ステンドグラスをご紹介します。1905年から1910年ごろにフランスで作られた「睡蓮とアイリス」です。19世紀末から流行した芸術様式「アール・ヌーヴォー」を代表する作家の1人、ジャック・グリュベールが制作しました。
ガラスを重ねる技法や立体のガラスを組む技法などが使われていて、植物や自然の美しさを曲線で表現している美しい作品です。使われている窓枠と金具も当時の物だそうです。ぜひ間近で見てほしいです!
さらに展示作品で欠かせないのが「家具」です。その展示方法にも感動しました。部屋をそのまま再現するような手法で、当時の生活を想像することができました。ここでご紹介するのは「リンケの間」です。
奥に見える豪華なキャビネットを制作したのは19世紀の終わりごろから20世紀の初めにかけてパリで活躍したフランソワ・リンケです。ロココ様式とアール・ヌーヴォーを組み合わせています。華麗な家具を彩る細かな模様までじっくり楽しむことができます。
小樽芸術村の総合プロデューサーを務める田中健さんに話を伺いました。
小樽芸術村総合プロデューサー 田中健さん
「ようやくオープンするという気持ちです。建物自体、天井は大体14メートルあるんですけど、この建物を生かして、かつ美術品も十分楽しめる美術館にするのに心をちょっと悩ませたというか。小樽の繁栄とその時代を西洋ではどういう生活をしていたのか、垣間見ることができたら一番いいのかなと思います。一つの生活スタイル、アール・ヌーヴォーはどんな生活をしていたんだろう、そういうものを感じられる美術館だと思うので、雰囲気そのものを楽しんでもらいたいと思います」
小樽市に新たに誕生した「西洋美術館」の魅力については、きょう28日(火)午後6時40分からの「ほっとニュース道央いぶりDAYひだか」でお伝えする予定ですので、ぜひご覧ください!
取材後記
私が今回伺って感動したのが、その広さと展示方法です。もともと広い館内は、高い天井が空間の広さをさらに演出しています。はりがむき出しになっているなど、ところどころに穀物倉庫として使われていた当時の造りをいかしているのも魅力の1つでした。その高さや広さを生かして展示品が所狭しと並べられています。
数々の展示品は小樽市が繁栄したころに西洋で作られた物だそうです。どれも精巧に作られていて、近くに寄って細部までじっくり見たくなる作品ばかりでした。1つの部屋をのぞいているような展示スタイルなど、田中さんが話すように「どんな生活をしていたんだろう」と想像をかき立てられました。ぜひ美術館に足を運んで、かつての西洋や小樽の暮らしに思いをはせてください。
道央いぶりDAYひだか
坂井里紗
2022年4月19日
前回の「ななまるマップ」では岩見沢市で生まれた“大雪を楽しもう”というカードゲームを紹介しました。負けちゃったけど楽しかったなぁ。ぜひこちらも併せてお楽しみください(^^♪