NHK札幌放送局

アイスホッケー“クレインズ” 釧路を拠点に再び羽ばたけるか

ほっとニュースweb

2022年8月25日(木)午後5時25分 更新

9月3日に開幕するアイスホッケー・アジアリーグ。 釧路市を拠点とする「ひがし北海道クレインズ」は昨シーズン、新型コロナのクラスター発生、観客減少による赤字経営、給与の遅配などで揺れました。今シーズンは19人という少人数で臨むことになった新生クレインズ。その舵取りを任された新キャプテン・大津晃介選手を取材しました。 (釧路局 記者 島中俊輔) 

キャプテンは2人の娘のパパ

8月の午後、大津選手の姿は釧路市の公園にありました。手をつなぐのは2歳の長女。8月4日に次女が生まれたばかりで、2人の娘のパパとなった大津選手。オフの時間には子どもとの時間を大切にしています。

大津晃介キャプテン
「この時間が一番自分が大好きな時間ですし、子どもに癒やしにもらって、あした頑張れるのが毎日続いている感じです。最高の宝物ですよね」

大津選手は大学卒業後にクレインズに入団した生え抜きのフォワード。2021年、2連覇を果たした全日本選手権ではMVPも獲得しました。7シーズン目を迎える新たなシーズンに念願だったキャプテンを任されました。

大津晃介キャプテン
「キャプテンになることが、1つの夢でもあったんですよ。小・中・高・大学と各カテゴリーでキャプテンを今までやってきて、日本製紙時代の入団当時に、このチームのキャプテンになりたいと思って入団したんです。やっぱり特別なシーズンのスタートという気持ちです。本当に特別な思いがあります」

ホッケーの外で揺れたチーム

大津選手が語る「特別な思い」。そう話す背景にはチームの厳しい事情がありました。
ことし1月、ホームとしている釧路市のアイスアリーナで新型コロナのクラスターが発生。選手やスタッフ、観客など172人が感染する大規模なクラスターとなりました。その後、観客を入れることができなくなり売り上げが悪化。昨年度の決算は1億3200万円の赤字となり、一時、選手の給与の未払いも発生しました。
コスト削減による経営安定化のため、外国人の監督や選手とは昨シーズン限りで契約を解消。チームを離れる日本選手もいました。それでもクレインズに残ったうちの1人が大津選手でした。

大津晃介キャプテン
「本当にどん底を見たというか、正直、本当につらい気持ちはありました。だからこそ、自分たちが常に支えられていて、誰かに支援していただいてホッケーができている。ホッケーは当たり前にできるものではないということを改めて感じることができた」

「やはり自分はクレインズで育って、クレインズでここまで成長できたので、何かしら自分にできることはあると思っていた。そういったところで自分が何か少しでも力になれればという思いで残りました」

プレーだけでなくチームの力に

大津選手が大事にしていることがプレーだけでないリンクの外での取り組みです。経営陣とともに地元のスポンサー企業を回って協力をお願いしました。スポンサーに直接、自身も写ったポスターを手渡します。裏方として積極的に経営をサポートしようと考えています。

スポンサー企業の社長
「ふだんリンクでしか見られないから、こうやって挨拶に来てくれると応援にも力が入る。クレインズは地元のチームなので、釧路市として応援していかないといけない。日本製紙の撤退もあり、我々は小さな企業だけど、こういう企業がたくさん集まってクレインズを応援するしかないんじゃないかと思っている。全力を尽くして頑張ってもらいたい」
大津晃介キャプテン
「自分たちがホッケーができるのは、スポンサーやファン、たくさんの方がいて成り立つのが今のアイスホッケー界なので。プレーするだけがアイスホッケー選手じゃないっていうのはもうすでにクレインズの選手は全員わかっている」

「『頑張って』ということばが胸に刺さっています。そういった声が自分たちの氷上のあと1歩だったりあと1つのゴールにつながってくるんじゃないのかなと思っています。結果を出して、結果で恩返しできたら」

“背中で語る”キャプテンに

結果で恩を返すために。キャプテンとしてチームを引っ張る大津選手が意識しているのが“背中で語る”ということ。自らががむしゃらにホッケーをする姿を見せることがリーダーシップだと考えています。

大津晃介キャプテン
「いろんな最高のリーダーシップを持った先輩たちを見てきて、キャプテンってやりたいと思ったからなれるわけじゃなくて、やはりいろんなタイプのキャプテンがいるけど、“背中で語る”というか、自分の行動で何かを示すことができる人じゃなければ、リーダーシップは生まれないなと」

今シーズン、さらに磨きをかけているのがスピードです。氷上練習では速いスケーティングを意識して相手を翻弄します。陸上トレーニングのダンベルを持ち上げる時にはスピードを意識して持ち上げるなど瞬発力の向上に努めています。キャプテンのトレーニングへの姿勢、果敢にゴールを狙う姿は周囲の選手にも影響を与えています。

前キャプテン 池田一騎選手
「プレーだったり、練習量だったり、いろんな部分でトップレベルの選手なので。そういう選手が発言すれば、発言力もありますし、みんなからも信頼されている。最高のキャプテンじゃないですかね」
ルーキー 葛西純昌選手
「氷上練習も陸上トレーニングも、みんなを引っ張ってくれる情熱的な人で、尊敬しています。背中で語られていますね。非常に。すごいっす」
齊藤毅 新監督
「チームが1つになるように、同じ方向を向いてくれるように、若手からベテランまでまとめて、自分(監督)が思っているホッケースタイルにより近づけてくれているので、ありがたい存在です。“背中で語る”のは今シーズンからだと思うが、シーズン前の段階ではすごいやってくれていると思います」

目標は優勝

クレインズは9月3日に開幕戦で韓国の「アニャンハルラ」とホームの釧路アイスアリーナで対戦します。クレインズは昨シーズンのジャパンカップ、前期は3位、後期は4位の成績でプレーオフ進出はなりませんでした。
クレインズが再び羽ばたくためにーーー。大津選手はチームを引っ張って戦います。

大津晃介キャプテン
「自分たちは誰のためにホッケーをやってるかって、それはほんとスポンサーとファンのためだったり、自分たちの家族のため、ファミリーのために戦っていきたい。目の前の1戦1戦に感動を起こせるような試合を続けていきたい。その先に優勝って言うのもが見えてくるんじゃないかな」

2022年8月25日

▼道東のスポーツ関連記事はこちら
別海町出身 スピードスケート森重航「強い選手に」単独インタビュー
厚岸町出身 スピードスケート佐藤綾乃「ありがとう、ただいま」単独インタビュー
帯広市出身 パラ競泳・小野智華子「リベンジだ」 再び世界へ

関連情報

SNSで詐欺に勧誘 ターゲットは「若者」

ほっとニュースweb

2022年9月30日(金)午後4時43分 更新

どうなるサケマス交渉、専門家に聞く

ほっとニュースweb

2022年4月12日(火)午後4時02分 更新

北海道 新型コロナ第6波 札幌の対策は

ほっとニュースweb

2021年12月9日(木)午後6時55分 更新

上に戻る