NHK札幌放送局

“世界一のホタテを目指す!” 豊浦町礼文華地区の漁師たち

ローカルフレンズ制作班

2022年3月3日(木)午後3時52分 更新

NHK札幌局ディレクターの靍田(つるた)と申します。タレントのつるの剛士さんのつると同じ漢字です。いつか同じ漢字の方に会ってみたいと思っている今日この頃です。
話がそれましたが、今回豊浦町に1ヶ月滞在させてもらい、様々な人たちにお会いして取材させていただきます。

ローカルフレンズはディレクターの大先輩

今回のフレンズは、噴火湾とようら観光協会で働く田中博子さんです。

札幌出身の田中さんは6年前に地域おこし協力隊として豊浦町にやってきました。およそ3年任期を務めそのまま観光協会に就職し、観光があまりなかった豊浦町でツアーを企画したり、自らツアーガイドも務めるなど豊浦町の魅力発信に力を入れています。

まちの人たちからの知名度は抜群で、みなさん田中さんを見つけると手をふったり、話しかけてきます。移住して6年ですが町長に並ぶほどの人気者なのです。

そんな田中さん、実は豊浦に来る前は札幌のテレビ局で15年ほどディレクターをやっていました。道理で話し方や相手への気遣いなどが完璧なはずです。

今回の田中さんとの出会いは豊浦町の魅力を紹介してもらえるだけでなくディレクターとしても成長させてもらえるんじゃないか。そんなことまで思わせてくれる本当に素敵な人です。

出会いに感謝!

過去最大級の積雪を記録した豊浦町

先月25日から始まった豊浦滞在。その週は21日から22日にかけて北海道各地で記録的な大雪でした。中でも豊浦町は統計開始以降最大を記録。道内でも一番の積雪量でした。

豪雪とは縁のなかったという豊浦町。
大雪の影響で一部の道路は封鎖されるなどまちの人たちの生活に多大な影響を与えていました。

地元の人たちに話を聞くと「人生で初めて。こんな大雪体験したことない」「一日4回、雪かきしたけど間に合ってない。初めて雪かきで手にマメができた」など、みなさん今回の大雪に大変苦労されている様子でした。

田中さんに案内してもらいまちの様子をみているとその被害の大きさがわかる場面がありました。
いちごを栽培している農家さんを訪ねてみると、いちごを育てるハウスが雪の重みで崩壊していました。これまで一度もみたことのない光景に何も言葉がでてきませんでした。
これからいちごの収穫に向けて大事な作業が始まる中、壊れたハウスの修理も開始できないほど雪が残っていて農家さんは黙々と除雪作業に努められていました。

札幌にいると通勤通学など交通網の麻痺による影響の印象が強かったのですが、農作物を作っている方々にまで影響が出ている現状を目の当たりにし、昨年から続く大雪被害の影響の大きさを改めて感じました。

豊浦といえばホタテ

田中さんが最初に取材してほしいというのが、ホタテ!

豊浦町は農業や漁業などの一次産業が中心です。中でもホタテは豊浦町が面する噴火湾での養殖発祥の地として知られています。
田中さんが豊浦町に移住することを決めた一番の理由が豊浦のホタテの美味しさだったそうなんです。
そんな田中さんの心を打ちぬいたホタテは一体どんな人たちが育てているのか、その美味しさは?
ホタテ初心者の私はワクワクが止まりません。

礼文華地区のホタテ漁師たち

滞在2日目。田中さんに案内されたのは豊浦町礼文華地区の漁港。
豊浦町はいくつか漁港があり、中でもここ礼文華地区は噴火湾ホタテ養殖発祥の地。
漁師さんたちも豊浦のホタテではなく“礼文のホタテ”と呼ぶほど、自分たちの作るホタテに自信と誇りを持っています。

お邪魔させてもらったのはホタテ漁師の口屋さん一家。
父で親方の龍三(たつぞう)さんと母の尚子(なおこ)さん、長男の亮治(りょうじ)さん、次男の龍平(りゅうへい)さんの4人で漁をしています。

ホタテの水揚げは夜中から始まります。水揚げを終えて漁港に帰ってくるとここで大事な作業があります。

ガラガラと呼ばれる機械にかけて殻の洗浄や大きさの選別などを行います。
こうした作業を経てようやく出荷できる状態になります。

機械音だけが響く空間の中、4時間ほどみなさん黙々と作業されていました。

“量より質” 礼文華のホタテ

礼文華の漁師さんたちは量よりも質を求めてホタテを作っています。
礼文華のホタテの特徴はほかのホタテよりも甘みが強いことです。

なぜ甘みが強いのか、それは礼文華の海は魚介類の餌となるプランクトンが豊富にあるからなんだそうです。特にホタテの甘みが強くでるものがほかの海より多く、こうした環境があるからこそ礼文華の漁師さんたちは極上のホタテを作り上げることができるんです。

しかしここ数年ホタテの漁獲量は落ち込んでいます。これといった原因はいまだにわかっていないそうです。それでも、こまめに海水温度をチェックして水揚げのタイミングを計るなど、おいしいホタテを作るために必死に努力してます。
今年は少しずつ漁獲量も戻ってきていて、来年以降はいい結果が期待できそうだということでした。

大切に育てられたホタテ、漁師さんおすすめの食べ方がストーブの上でそのまま焼くこと!味付けは一切いりません。

試食させてもらったのですが身もぷりっぷりで、食べた瞬間口いっぱいにうま味が広がり本当においしかったです。早起き苦手だけどやってよかったなと心の底から思いました。

んー文章だけだとホタテの美味しさ伝わりませんよね?そんなみなさん、フレンズ田中さんの試食の表情をご覧ください

めちゃめちゃおいしそうでしょ!田中さんの伝える力、さすがです。

“誰にもまけない”ホタテを作りたい

次男の龍平さんは高校卒業後、3年ほど札幌で働いた後地元に戻ってきてホタテ漁をやっています。そして今は漁協の青年部部長をつとめるなど、若い世代の中心となって活動しています。見た目は少し怖いかもしれませんが、初めてあった私にも優しく話かけてくれるめちゃめちゃいい人です。

望んで漁師を継いだわけじゃないと照れながら話す龍平さんですが、

「やるからには誰にも負けたくないし常に高みを目指してやっていきたい。礼文の中で一番になりたいし、どうせなら全国の人から口屋さんのとこすごいねって言われるようになりたい」

と高い志をもちひたむきにホタテ漁に向き合っています。

礼文華地区に住み地元の漁師さんとよく交流している田中さんも「200人ほどの地区だけど若い人が意外とたくさんいて、不便な場所だけど後を継ぎたいと思う子たちがたくさんいる。龍平くんもそうだけどみんな誇りをもってやっている姿がかっこいい。これからが楽しみ」とおっしゃっていました。

取材前は漁師さんって寡黙で近づきがたい方々なのかと思っていましたが、龍平さんや龍三さんたちを取材させていただいて、その人当たりの良さや優しさに触れ、イメージが変わりました。

みなさんの言葉や立ち振る舞い一つ一つからホタテ漁に誇りを持っていること、そこに強い思いがあることを感じることができた取材でした。

来週も田中さんに導かれるまま豊浦町の魅力を深めていきたいと思います。

2022年3月3日

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