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リポートアカデミア 地域の魅力を題材に小学校の授業で実施

  • 2023年3月1日

NHK札幌放送局では札幌国際大学の安井政樹准教授(元・小学校教諭)の監修と札幌市立月寒小学校の小松靖一校長にご協力いただき、GIGAスクール構想へのNHKノウハウの活用を検討し、動画制作体験を通じて “調べる・まとめる・伝える”ことが総合的に学べる「リポートアカデミア」を開発しました。

長年、放送教育の普及にご尽力いただいているお二方が教育現場で培ってきたご経験や感じてきた課題を元に、大きく変わる教育現場で実際に活用できるカリキュラム完成を目指しています。
また、カリキュラムの作成にあたってはNHKが提供している、NHK for Schoolのコンテンツを活用し、動画で学ぶことも大切にしました。
2022年11月~12月に札幌市立月寒小学校の6年生に取り組んでいただいた様子を、カリキュラムの流れに沿ってご紹介させていただきます。

リポートアカデミアのカリキュラム
 ・オリエンテーション
 ・テーマを決める
 ・下調べ
 ・取材・撮影の準備
 ・取材・撮影に行く
 ・編集をする
 ・動画発表会

まずはオリエンテーションで、テーマの決定から動画の編集まですべて自分たちで実施する動画制作を通じ、しらべる、まとめる、つたえることを実践的に学ぶ授業だということを説明します。
テーマを決めるにあたり、なんでもいいというわけにはいきませんので、題材を「地域の魅力」とし、グループに分かれ、自分たちが通っている学校区内の「地域の魅力」を探し、何をテーマにするか話し合います。

イメージマップやピラミッドチャートを用いて、テーマを決めます。
このグループは「歴史と人」をテーマに地域の魅力を伝えることになりました。

【説明に使用したNHK for Schoolのコンテンツ】
様々な思考ツール(イメージマップ)
ピラミッドチャートの使い方

テーマが決まったら、下調べをします。
インターネット検索で月寒地区の「歴史と人」についての情報を深めていきます。

【説明に使用したNHK for Schoolのコンテンツ】
インターネット検索

情報を集めたら、更に詳しく知りたいことを話し合い、取材する内容を考えます。
考えた内容から、取材するための準備として、「どこで」、「誰に」、「どんな質問」をすれば自分たちが知りたいことが分かるのか、実際に取材するときのことを考えながら事前準備を入念に進めていきます。

準備を進めてきたのですが、12月は感染症が広がりをみせており、安全を考慮してインタビュー形式での取材は中止し、魅力を伝えたい場所でこれまで調べたことをリポーターが伝える形式に変更してカリキュラムを進めることにしました。

撮影内容が決まり、役割分担とそれぞれの役割がやること、気を付けなればいけないことを学び、メモにまとめます。

「カンペ」という文字が見えますが、リポーター(説明する人)が説明する内容を全部覚えるのは難しいので、話す内容を文字で書き出したものを「カンペ」と呼んでいます。
カンペは紙やホワイトボードを使うことが多いですが、子供たちは端末で作成していました。

撮影現場を想定し、少し離れてもカンペが読めるか試すグループもありました。

準備が整ったら撮影です。

学校を飛び出し、それぞれ撮影場所へ向かいます。

撮影では「映像がぶれないように気を付ける」「外の撮影なので声が入るようになるべく大きな声で」「録画のはじめと終わりはすぐに切らない」といった注意点を意識して取り組んでいました。
また、公共の場での撮影ですので、歩行者など、無関係の人が映り込まないようにすることも気を付けなければなりません。誰もが簡単にモバイル端末などで撮影、発信できる時代には欠かせないことです。

【説明に使用したNHK for Schoolのコンテンツ】
取材に行こう
インタビューのマナー あいさつをしよう
インタビューのマナー 話の聞き方
インタビューをしよう
タブレット端末で動画を撮ろう
動画で伝える技(2)取材・撮影編 しまった!~情報活用スキルアップ~
撮影のコツ 取り方の工夫編
写真撮影のコツ ~説明をしっかり聞こう~

撮影が終わったら編集をします
今回実施した札幌市立月寒小学校では端末に導入されているアプリケーション“Adobe Creative Cloud Express”を使用し動画の編集を行いました。
はじめて触るソフトにも関わらず、様々な機能を発見し、動きのある文字を入れたり、音楽を入れたり、シーンの切り替えを工夫したり、編集が進んでいきます。

【説明に使用したNHK for Schoolのコンテンツ】
動画で伝えよう
動画で伝える技(3)編集編 しまった!~情報活用スキルアップ~
編集のコツ1 文字や記号をいれてみよう

各グループの動画が完成し、いよいよクラスのみんなに発表です。
同じテーマとなったグループも複数ありましたが、個性豊かで、テーマの掘り下げ方次第で全く違う魅力が発見、発信できるのだということが分かりました。

発表会ではそれぞれの作品に対し意見や感想をもらい、伝えたいことが伝わったのか、映り込みが無いか検証しつつ著作権について学ぶというパートも準備していましたが、時間の都合で省略してしまいましたが、このパートを実施することで「伝える」ということと、メディアリテラシーについての学びを深めることも出来ると考えています。

今回この取り組みに賛同下さり、カリキュラムへのご助言や授業実施の機会をくださった札幌市立月寒小学校の小松靖一校長は

多種多様な自己発信の機会や方法が日々生まれている現代、子どもたちにも小さなハードルを越えるだけで世界に向けて自分のもつ何かを発信できるチャンスがいくらでもあります。しかし、歩けるようになった子どもは危険を知らずに進み、物にぶつかったり、足をひっかけて転んだりするのを大人が防がなくてはいけないように、ただ発信することはできても、そこに潜む危険や、自己や他を守る責任については大人が学ばせていかなくては自然に身に付くものではありません。そういう意味でも今回NHK札幌放送局と安井先生にご協力いただいて取り組んだ新たな教育プログラムは、メディアリテラシー教育においても大変重要な意味をもっていると感じました。動画による発信という、子どもたちが興味を持って意欲的に取り組める題材であることで、大きな吸収力、成長力が生まれます。また完成までの過程が、テーマ決定から常に課題探求の連続であり他との協働になっていることは、正に子どもたちの主体的・対話的で深い学びと言える学習でした。この学習をきっかけに、参加した子の中には世界的な動画や映画の製作者、放送関係の仕事に就く者が出てくるのも夢ではありません。

ぜひこの学習プログラムが、今後NHKや安井先生のような支えてくれる存在がなくても、学校として独自で持続可能な学習プログラムになり、定着していくことを心から期待しています。

また6年生の学年主任で6年1組の担任である国分敏充教諭は実際に授業を実施した感想として

生徒が楽しみながら取り組んでいたので私も嬉しく思いました。特に印象に残っているのは編集作業です。使ったことが無いアプリでしたが、文字を入れたり、音楽を加えたりしている姿を見て、あらためて生徒たちの柔軟性、順応性の高さを認識しました。
個人としましても、リポートアカデミアをやらせていただき、今後の授業における端末活用の幅を広げられそうです。

最後に、今回のリポートアカデミアの開発に一緒に取り組んでくださった札幌国際大学の安井政樹准教授は

今回の取り組みは、子供たちが地域の情報を発信するという活動にNHKのノウハウを生かすというところに大きな魅力があります。取材の仕方やアポの取り方、実際の撮影といった活動のなかで、子どもたちは、「映りこむ人はいないだろうか。」「間違った情報や誤解を生む映像だと大変。」というような学びが実感の中に生まれていました。

誰でもSNS上に動画を投稿できるようになった時代ゆえに、こうした学びはより一層大切になってきます。

これまで各学校で取り組んできた「地域のよさを見つめる学び」に今回開発された「NHK北海道リポートアカデミア」を掛け合わせることで、GIGAスクール時代の新たな総合的な学習、課題探究的な学びの姿も見えてくるのではないでしょうか。

紙や新聞にまとめて終わりではなく、子どもの学びをより広く伝える。
そして、わたしたち大人も自分たちの地域、北海道の良さを子どもの発信から改めて感じる。
そんな好循環が生まれることを期待しています。

今回の取り組みを通じ、このリポートアカデミアは地域の魅力の発見や取材やインタビューを通じて間接的に世代間交流が出来るなど、様々な可能性を秘めていると感じました。
こうしなければならないという型にはまったものではなく、学校や子ども達によっていかようにも形を変えられるカリキュラムだと考えています。

また、主役は子ども達ですが、当カリキュラムの特徴はGIGAスクール時代の1人1台端末を最大限活用するために、授業のポイント説明に動画を用いるだけでなく、撮影、編集も端末で行うことにあります。

リポートアカデミアについて興味があり話を聞いてみたい、一緒にこの取り組みをしてみたいという学校関係者の方は

NHK札幌放送局 電話:011-232-4040(平日 午前10時〜午後6時)

までご連絡ください。

リポートアカデミアは体験型イベントとしてNHK札幌放送局でも開催いたしました。
1回目の夏休みイベントの様子はこちら
2回目の冬休みイベントの様子はこちら
次回の開催は未定です。

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