NHK札幌放送局

北海道信金 企業の販路拡大を支援

ほっとニュースweb

2021年2月5日(金)午後7時27分 更新

信用金庫が期待されているのは、貸し出しだけではありません。新型コロナウイルスの影響で売り上げの低迷に悩む企業に対して、新たな販路の開拓をどう支援していくかも重要な役割です。みずからが持つ取引先のネットワークを生かして、従来、取り引きがなかった企業に声をかけ始めている信金も出てきています。

期待の新商品が…

去年12月、ニセコ町で、地元特産のジャガイモを使ったせんべいが発売されました。素材が持つ鮮やかな色合いが特徴です。ニセコエリアを訪れる観光客がターゲットで、道の駅や土産店などの店頭に並んでいます。販売しているのは、5年前に脱サラしてニセコ町に移住した近藤信勝さんが経営する会社。せんべいは力を入れた新商品でした。

ところがコロナの影響で、町の状況は一変。あてこんでいた観光客の姿はほとんど見られなくなりました。道の駅での売り上げは想定の1割程度にとどまり、近藤社長の思惑は大きく外れました。

近藤信勝社長
「訪れる人が減っているのは紛れもない事実で、そこはやっぱり厳しい。想定外の事態になった」

支援に名乗りを上げた信金

近藤社長の会社に支援を打診したのが、ニセコ町に支店がある北海道信用金庫でした。支店長の宇山孝志さんは、会社が販売先の確保に悩んでいることを新聞記事で知りました。近藤社長の会社とは取り引きはなかったものの、地域の企業が行き詰まれば、地域にとってマイナスなのはもちろん、ゆくゆくは信金にとっても損失になると考え、声をかけました。

北海道信金ニセコ支店 宇山孝志支店長
「地域の商店街や地元企業が活性化しないかぎり、私どもは生き残っていけない。ニセコ町は特に外国人を始め、町外からの観光客が激減していて、なんとか助けたいと思った」

貴重な商談の機会をセット

ことし1月22日。札幌で商談に臨む近藤社長の姿がありました。相手は各地にあるアンテナショップ、「北海道どさんこプラザ」の運営を担当する会社のバイヤ-。商品をアピールして、町外に販路を広げる絶好のチャンスです。

この商談会を実現させたのは、北海道信金の宇山支店長でした。信金の取引先の人脈をフル活用して、商談の機会を設けることができました。緊張した面持ちの近藤社長でしたが、バイヤーに30分程度、実直に商品を売り込みました。バイヤーは「北海道の新しいお菓子なんだというメッセージとともに売り込むことができれば、東京・有楽町にあるアンテナショップでも販売してみたい」と前向きな反応。思った以上の評価に近藤社長は、手応えをつかんだようでした。

近藤信勝社長
「ありがたい話でかなり高評価だった。ニセコに人が来ないんだったら、こちらから人がいるところにものを出せるようにこれから努力していく」

収益は長い目でみて

北海道信金のネットワークを生かした販路拡大の支援。今回の商談によって、信金として直接の収益はありません。それでも会社が立ち直ることができれば、将来的に融資につながると考えています。

北海道信金ニセコ支店 宇山孝志支店長
「これから融資が必要になるだろう、これから成長するだろう企業をバックアップしていくことが重要だ。新型コロナウイルスの感染拡大で厳しい今の時期に、経営戦略や販路拡大の方法を練り直してもらえれば、収束後に必ずいい結果が出る。そのときに私たち信金がお手伝いできることがあるよう支援していく」

取材後記

北海道信金は、3年前に札幌、北海、小樽の3つの信金が合併して誕生し、預金量は道内最大です。今回取材した販路拡大支援は、札幌と後志地方、両方にネットワークを持つ北海道信金の強みを生かした例だと言えます。新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、政府は実質、無利子・無担保の融資などの資金繰り支援策を行っていますが、融資を受けても返済するには本業の回復が欠かせません。信金を含めた各金融機関の手腕が問われています。(札幌放送局・五十嵐圭祐)

2021年2月3日放送

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