1972 SAPPORO VR Project
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あの日見た街の風景をもう一度(ほっとニュースweb)

これまで「1972 SAPPORO VR Project」には、皆さんから250枚以上の写真をお寄せいただいています(12月17日時点)。
みんなの憧れだった建物、大切だった人と歩いた風景……あの時代を生きた証しは 写真とともにありました。
現在と過去の町を比較するとともに、写真を投稿してくださった方々の思いに濵本航大カメラマンが迫りました。
(※2020年12月17日(木)の「ほっとニュース北海道」(NHK総合・月~金 午後6:10)で放送しました。)


50年前、JR札幌駅前には路面電車が走っていた!?


まずはいまと過去の街を比較してみました。現在のJR札幌駅前の通りは道路を隔てるように街路樹が立っていますが、かつては路面電車が走っていたことがわかります。なんともレトロな雰囲気が漂っていますね。

今と昔の札幌駅前


ススキノ交差点はいまと同じ位置にひげのおじさんが。いまと変わらずずっと街を見守っていたんですね。

ススキノ交差点



ほとんどが白黒!そこで救ったのは…


現在事務局には多くの写真が寄せられています。しかし、当時はカラーフィルムが高価だったため、およそ7割が白黒。色を再現しようとすると資料が足りません。どうやって再現した建物に色をつければいいのか!?

集まった白黒写真

そこでプロジェクトに協力してくれたのは吉村政昭さんです。風景画を描くのが趣味で長年にわたって札幌の古い建物を描き続けてきました。その数なんと120枚!色まで忠実に再現していますが、子どものころの記憶を頼りにしているそうなんです。

色を塗っている吉村政昭さん

なぜ色まで覚えているのか。自転車に乗ることが大好きで足しげく街に繰り出していたからでした。何度も建物を見るうちに自然と色まで覚えたそうです。

こどもの頃の吉村政昭さん

吉村政昭さん「色を覚えているのはそれだけ回数を多く見ているってことだと思いますけどね。同じところを何回も走っていますから」



投稿者の思いは


VRで街が再現されれば大切な人との思い出がよみがえるのではないかと期待する親子がいます。
阿部明美さんと父・茂雄さんです。

アルバムを眺める阿部明美さんと父・茂雄さん

2人が投稿してくれたのはいまから26年前に亡くなった母・悠子さんと当時2歳の明美さんの写真。大通公園でピクニックを楽しんでいる様子を父・茂雄さんが撮影したものです。楽しそうにはしゃぐ明美さんを悠子さんが温かく見守っています。

子供の頃の阿部明美さんと母・悠子さんがピクニックしている

明美さん「すごく幸せそうにおにぎりを食べているので、いい写真だなと思っています。母がとってもうれしそうにしているので」
父・茂雄さん「結婚するときは子どもを産めないんじゃないかって思っていた。この子が生まれて、もう大喜びで相当かわいがっていた」
VRで街が再現されれば悠子さんに会える気がするのではないかと期待しています。

阿部明美さんと父・茂雄さん

父・茂雄さん「たくさん愛した人ですから。この写真から50年たっても、やっぱり忘れられないですよね。町並みをみたら、会えるような気がします」
明美さん「VRの中に組み込まれるんだなと思うと、ちょっと母がその中に生きているような気がして。そういうところまで思いが巡って、本当に完成が楽しみです」

VRの札幌が完成すればみなさんに専用のゴーグルをつけてもらって、町を360度見渡したり歩くことができる予定です。当時の札幌を体感することでたくさんの方の思い出がよみがえる、そんなきっかけになればと思いました。


【取材を終えて(取材・撮影 濵本航大カメラマン)】


たった1枚の写真にも家族との思い出やかけがえのない大事な記憶が詰まっているんだなと改めて感じることができました。私も家族と撮った写真が多くありますがこれを機にもう一度見返してみたいなと思いました。私自身、報道カメラマンとして皆さんの人生の一コマを取材させてもらっていますが、その人にとってはかけがえのない一瞬です。今後も真摯に向き合っていかなければいけない、と決意を新たにしました。