< 学校・勉強 >
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新年度1回目のテーマは、“PTA”!
期待に胸膨らむ新学期だが、保護者にとってはPTAの役員選出など、悩みも多い。
しかし、去年はコロナ禍の影響でほぼ全てのPTA活動がストップ!
毎年“やらなきゃいけない”と思い込んできた様々な活動が、実は“やらなくてもよい”ことが分かった!
今こそ「子どもの幸福な成長のための団体」というPTA本来の意義に立ち返り、あり方を見直すチャンス!
スタジオには、PTAに悩むホゴシャーズが集結。専門家も交えて、尾木ママとこれからのPTAについて考える。
◆PTAは任意の団体 加入するもしないも自由
・・・なはずなのに、
チャボさん「初めての時は入って当たり前の組織だと思っていた。いまだに(加入しなくてもいいとは)知らない人がいっぱいいると思う」
ペガサスさん「私にとってPTAは、やめることも縮小することもできない、けれど続いてしまっているという意味で『燃えて無くなればいいなぁ』と思う団体!?」
▼ここに「PTA会員が減ってしまった!」というホゴシャーズが登場。
◇ウッカリカサゴさんのピンチ!
*去年、PTA活動の見直しで、加入の意思確認を改めてしたところ、会員が6割に減ってしまった… さあPTAは、大紛糾!
*PTA会員にならないということは、会費も出さない。そこで、様々な議論になった。
*一番困ったのが「卒業生にあげる記念品」。毎年、PTA会費から出してきたが、6割の会費で全員には難しい…
*そこで、ウッカリカサゴさんたちは「有志の会」を立ち上げた。
*会費も別に集めてのボランティア活動だったが、ほぼ100%の保護者が参加。
無事に卒業生全員に記念品をあげることができた。
ウッカリカサゴさん「今やっている事が、子どもたちのためになるんだと実感していたので。やっていて楽しかった」
*PTAとほぼ同じ活動でも、意義や目的がハッキリしていればみんな参加してくれるのだ。
しかし、仮にこれをPTA本体でやろうとしたら…
◆会費を出した人と出してない人との不公平感はどうする?
【専門家のアドバイス】
▼長年PTAの取材を続け、自身も子どもが保育園から高校までPTAを経験するジャーナリスト・大塚玲子さんによると、
「PTAは任意の団体なので入らない人もいる。しかし、子どもは全員ひとしく支援の対象者。
もしPTAが記念品をあげるのなら、全員に必ずあげるというのが筋。
しかしもう一つ、「記念品をあげない」という選択肢もあることを忘れないでおこう」
◆PTAが変わらないのはなぜ?
そもそも、なぜPTAは長い間変わらない?
ウッカリカサゴさん「初めてやった時『もう決まっている事だから』と言われ、変えようもなかった。前年踏襲でいけばみんな文句ないでしょう?って」
ペガサスさん「文化祭にPTAからかき氷をふるまう慣習がある。先生もフランクフルトを焼いて代休もない。これこそ無くしていい仕事なのでは?」
チャボさん「夕方の見回りも、やってみたら皆で喋りながら歩いて戻ってくるだけ。やめたらいいと提案したが、なくならなかった」
【専門家のアドバイス】
大塚さん「PTAが変わりづらい理由の一つは前例踏襲。これまでのやり方を変えるのは手間暇かかる。みな忙しい中、『去年通りやっておくのが早いよね』となりがち」
*また、地域とのつながりも悩ましい要因だ。
チャボさん 「役員をやると地域との関係が忙しくて、時期によっては毎週土日何かある。それを知ると、会長はやりたくないと思う人もいっぱいいると思う」
◇ピンチをチャンスに、PTA改革に挑む小学校
*横浜市立日枝小学校でも、去年はコロナ禍でPTAの活動がストップした。
校長の住田昌治さんは大改革を提案!
住田校長「一度立ち止まってPTAとは何か考えるチャンス。コロナの前よりもっと良いものにするための変革だ」
▼教師と保護者が検討を重ねた結果、生まれたアイデアは・・・
・PTAという名称を変更。
・会長などの役職も廃止。
・すべての活動を見直し、「できる事をできる人ができる時にやる」というボランティア制にする。
・そのまとめ役に「こーでぃねーたー」をおく、というもの。
チャボさん「まさに、ここから必要なことだけ積み上げていくのがいい!」
しかし、ここでまた新たな疑問が・・・
▼「ボランティア制度だけで、PTAは存続できるのだろうか?」
スタジオには、その問いに答えるホゴシャーズがいた!
◆スタジオもどよめくヤマアラシさんの改革!
*イベントごとに、そのつどやれる人を募集する「サポーター制」にした。その上で・・・
ヤマアラシさん「例えば、お汁粉を配るイベントに8人必要と言う時に『もし8名集まらなかったら、このイベントはやりません』と、すっぱり決めている。集まらないのは保護者がやらなくていいと思っているという事なので、やるべきではない」
*イベントのお知らせや募集は、負担の大きいプリントの配布ではなく、メールでできるようにヤマアラシさんがシステムを構築。
*応募状況がWeb上で分かるので、追加の声がけもしやすい。サポーター制度は、メールの仕組みとセットにすることが肝心だ。
*この方法で、過去1回もイベントが中止になった事はないという!
尾木ママ「リアルタイムで状況が見えるので、このシステムは自分たちを客観視できる」
【専門家の意見】
大塚さん「今までは、「やる」の一択だったので“やらされ感”が出てしまうが、『集まらなかったらやらない』と言われる事で、どうする私、やる?やらない?と考える。主体的に決めれば、楽しいと思う」
▼メール機能を持っていない人がいる場合は?
*総会の開催など重要な情報は印刷して出し、イベントの告知や人の募集は(メールを受け取れない人がいても)メールで行う。
ヤマアラシさん「「全員に必ず」みたいなものを捨てました」
尾木ママ「漏れた人には、周りが知らせてあげればいいわね」
◆さらには、会長を3人に!
*会長は責任も重いし忙しい。そこで会長を3人に。
*「学校と会話をする担当」、「渉外担当」、ヤマアラシさんは「ITと改革担当」の会長というふうに、三人の役割分担を決めたので学校とも話がしやすい。
*ポイントは、「得意を持ち寄る」こと。
ヤマアラシさん「自分はITの仕事をしている。保護者はたくさんいるので得意な人がやるといい」
◇住田校長の考える「これからのP T A」
住田校長「本当に大事なのは、PTAに関わっている人がみんな生き生きワクワクしていること。その雰囲気の中で子どもたちがよくなっていく」
*そこで使っているのが、丸い形にしたホワイトボード・エンタクン。
*教職員と保護者が膝の上に乗せて囲み、思い思いのことを書きながら、子どもと学校の未来について話し合っていく。
住田校長「子どもたちをどんな子に育てたいのか。そのために何をすればいいのか、ということを気軽に話すことが必要。
そしてPTAには今後、子どもたちにも参加して欲しい。
地域と“チルドレン”を加えるということで、PTCCAに。
子どもが、自分たちの学びの環境を自分たちで作っていくことができれば、よりダイナミックなPTA活動になるのではないか」
【専門家のアドバイス】
大塚さん「PTAという姿に拘らず、なにが必要かというところから逆算して活動内容を考えていくといい」
【尾木ママのまとめ】
尾木ママ「大事なのは『子ども達が主役』ということ。そこに大人が寄せてもらうような発想が、これからは期待されるでしょう」
END
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今回の「ウワサの保護者会」は特別編!
「学びの地域差 学生のホンネ」として、54分の枠で放送。
「いま、学びを守ろう。」キャンペーン
https://nhk.jp/manabitai
キャンペーンのホームページに寄せられた「地方であるがゆえの悩みや苦労」について話し合った。
テーマは、「学習機会」「ICT環境」「経済的負担」「地方では将来についての情報が少ない」の4つ。
・参加してくれたのは、北海道から沖縄まで全国の高校生・大学生、24人。
・ゲストは栃木県出身のタレント 井上 咲楽さん、
IT企業経営者 合田 文さん、
子どもたちを支援する 李 炯植さん(NPO法人 Learning for All代表理事)、
教育格差を研究・発信する 松岡 亮二さん(早稲田大学准教授)。
★「地域での学習機会」について 学生が感じること
・地元の電車が1時間に1本あるかどうか。送り迎えにかかる親の負担を考え、塾に行かずに受験を乗り越えたが、塾に行っていた友だちは希望の大学に受かっている子が多く、差を感じた。(岐阜県在住 高3 女)
・地元に進学塾はあるが、隣の県の都市に比べると、いい塾が少ない(群馬県在住 高3 男)
・家の近くに図書館が1つしかなく、開館の40分前に行っても、100人以上並んでいて入れないということも。(広島県在住 高3 女)
●学生たちが感じているこの地域差について 教育格差を研究している松岡亮二さんは・・・
「社会経済的地位」(親の世帯所得や学歴、職業など)と「地域」「性別」
この3つによって、本人には変更できない初期条件によって教育達成に差がある。
この差は、戦後ずっと続いてきている。
学生のみなさんが感じている差は、家庭の経済的なものと、親が大学に行くべきと思っているかどうかとプラスして、地域で(塾などの)リソースが少ないというものが常に重なっている
★一方、環境の差について「しかたない」と感じる声も…
・生まれた環境で格差が出てしまうのはしょうがないと思う(神奈川県在住 高3 女)
・小さな格差は、いずれは大きな差になるのでは。自分の夢をかなえるため、希望が通るためには、環境は大きな差につながると感じる(静岡県在住 高2 女)
・プログラミングを学べる場所が地元では少ないので、しかたなく独学で勉強をした。東京は人も多いし、日常的に浴びられる情報の質や量が圧倒的に違う。
夢に向かって飛び立ちたいときに、青森県だと夢に飛び出すための滑走路が短く、自分で滑走路が長い場所に行かなきゃいけないと感じる。(青森県在住 高3 男)
●差があることそれ自体は防ぎようがないことだが「取り除くべき格差は絶対ある」と語る 李 炯植(り ひょんしぎ)さん
教育格差の要因である貧困や虐待などを「取り除くべき格差」として子どもたちに無償の学習支援や、居場所支援などを行っている。
環境を大人や社会が用意すれば、子どもたちの可能性は変わることを実感している。
一方で、夢を諦めざるを得なかったり、色んな不利益を被ってる人は多く、本人がどれだけ努力しても「与えられたスタートライン」が違い過ぎる現状がある。
これは「取り除くべき格差」だと思うので、社会がきちんと取り組んでいくべき。
●VTR取材でとりあげたのは・・・
★地域による教育の差を埋めるツールとして期待されている「ICT環境」。
その事例として、5年前からいち早くICT環境の整備を進めた、愛知県の豊根村を取材。
自治体での導入までのいきさつや、学校でうまく学びに活用する方法などについて考えた。
★地域で感じる「経済的負担」については、上京する大学生のために、学生寮を提供する民間の支援団体「あしなが育英会」を取材。
学生への金銭的支援・居場所支援について、利用する学生の声を聞いた。
「あしなが育英会」・・・病気や災害で親を亡くしたり、親が重度の障害がある高校生や大学生を支援している。
★さらに「地方では将来像をイメージしにくい」「将来についての情報が少ない」という不安の声については、京都府京丹後市の「ルーツ」を取材。
「ルーツ」・・・市の委託事業として去年10月にオープンし、街を出たい高校生も残りたい高校生もその将来を応援してもらえる場所。相談員が1人ひとりに寄り添って情報をくれる。
●4つのテーマで 学生の声に耳を傾けた感想は・・・
・合田 文さん「大人たちも学生の意見を吸い取って、政治や仕組み作りに生かしたりギブアンドテイクなんじゃないかなと感じた」
・井上 咲楽さん「地域で思考が狭くなっちゃうところだけ、もったいないと感じるのでいろんなものに触れていくチャンスは平等にあって欲しい」
・尾木ママ「学生側は、不満や怒りの気持ちは、声を上げていかなきゃいけない。我々は、子どもの声をしっかり聴いて、子どもとパートナーシップでコロナの時代をどう乗り越えるかというところに、踏み出すことが重要。」
END
投稿者:制作スタッフ | 投稿時間:21:00 | 固定リンク
ひきこもりを考えるプロジェクト「#こもりびと」の関連番組。
プロジェクトに参加する各番組の情報はこちらまで。
小中学校で不登校になっている子どもたちは年々増え続け、およそ18万人。わが子が学校に行かなくなったり、部屋にこもったりしたとき、親はどうすればよいのか、不登校経験者とともに考えた。
<ひきこもりがちな子どもの気持ち>
映像・デザイン制作会社役員のたけしさんは、中学1年生の時から不登校の経験がある。
中学1年生の時、丸刈りを強制する校則に疑問を持ち、校則を変える運動を始め、髪も伸ばし始めたたけしさん。応援してくれる友達も多かったが、一部の同級生からは髪を伸ばしたことで「ずるい!」と言われ、先生からは「切ってこい」と言われて板挟みになった。やがて学校に行くのがつらくなって休みがちになり、中学3年生の春には完全に行かなくなった。
たけしさん
・学校に行きたくないと思っているし、学校に行くと自分じゃなくなってしまう
・学校のある昼間の時間がつらくてゲームに夢中になって紛らわそうとしていた
・校則を変えられず、さらに不登校になってしまった。そんな自分は弱いんだと思っていた
その後、通信制高校を経て大学に進学。「強くなりたい」と敢えてきついアルバイトにも挑戦したがいずれも続かず、大学3年生の時にはひきこもりがちに。
たけしさん
・自分が弱いから頑張る、うまくいかない、やはりだめだ、という事を繰り返していくうちに、自分が弱い、ダメな人間ということが確定していく
<子どもの苦しさ どう受けとめる?>
・ビーツさん(娘が中学3年間ほぼ不登校 今は高校に通っているが調子に波がある)
・自分が弱いからと敢えて険しい道を選ぶのがうちの子と共通していると思った
・トカゲさん(娘が小5から不登校 中学生になり短時間だけ通うが疲れ切っている)
・娘も弱い自分を許せないと言っていた。何をしても無駄と思う自分もいれば頑張らなきゃいけないと思う自分もいて葛藤している。
・10分くらい学校に行って帰ると疲れ切って寝てしまい、ゆすっても起きない。「学校に行かなくても大丈夫だよ」と言ってあげても、本人は「それじゃあ自分がダメになる」と言う。
みなこさん(映像・デザイン制作会社役員 不登校経験者)
・「しばらく休んでみれば?」と母から言ってくれたのは救いだった。
・学校を休んでいた時に「洋服でも買う?」と連れ出してくれたのが印象に残っていて、そのときの服は今も大事にしまってある
・「私の味方なんだ」というメッセージとして受けとめた
<一歩踏み出すとき>
・大学3年生のとき再びひきこもりがちになったたけしさん。つらい思いを部屋の壁に書いたり、もがいていた。あるとき不登校経験者が作った大学のイベントに参加し、その場で入学した。
・いつも周囲に合わせようとしてきたたけしさんだったが、その大学では少し違った。
たけしさん
・“たけしくんはどうしたいの?”と聞かれることに感動した
・少しずつ「自分はこうしたい」と言い、受け入れられることが積み重なると安心できるようになった
・安心できるようになると自分も何かしてみたくなり、ソーラーカーレースに挑戦した
・毎朝10時から夜12時まで作業して、寝ると回復して翌朝も10時から作業する
・エネルギーがどんどん湧いてきて動けるようになっていった
<一歩踏み出すためには・・・>
・ビーツさん
・娘も好きなことに没頭できるようになれば楽しいだろうが、我慢しなきゃいけない今がつらそうで…
・たけしさん
・嫌なことを乗り越えないと好きなことができないと自分もとらわれていた
・その大学はやりたいことをやる場所だった 安心できる場所でないとやりたいことができない
・みなこさん
・へとへとになってしまうと一番エネルギーを注ぎたいことに注ぐことができないのでもったいない
・好きなことからどんどんやっても良いのではないか?
・トカゲさん
・娘は自分で調べて定時制の高校に行きたがっているが、中学の先生からは全日制に行くようにとプレッシャーがある
・尾木ママ
・それは学校がおかしい 多様な学びがあって定時制でも通信制でもいい
・本人が一番伸びやすい安心できる場所が一番いい進路先なんです
<専門家に聞く 不登校 “親にできること”>
・児童精神科医 高岡健(たかおか・けん)さん(岐阜県立希望が丘こども医療福祉センター)
によると
不登校の意義
[1] いじめなど危険でストレスフルな環境から身を守るという意義
[2] 自分との対話「自分の生き方がこれでいいのだろうか」「もっと違った生き方をした方が良いのではないか?」と考える
大人になっていくうえで自分を確立するプロセス
親ができることは?
・ひきこもっては駄目だとか自分を守るのは駄目だといった間違った対応をするとエネルギーが溜まらない
・本人を非難、否定する情報をシャットアウトすると、自分との対話が促進される
・親が子どもに向けて語り掛けたり行動を起こすことにはあまり意味がなくマイナスになりがち
・親は自分自身の事をするのが良い
<親は自分自身のことをする>
・トカゲさん
・娘に「お母さんなぜ仕事を辞めたの?もう一回したら?」と言われた
・ビーツさん
・同じように「お母さん、生きてて楽しいの?何かやりたいことないの?」と言われて考えた
・みなこさん
・放置するのとは違うので基本的には味方でいて欲しい
・だが「この子はうまく行かないんじゃないか」と考えすぎて親が苦しむのは子どもとしてはいたたまれない 生き生きした大人として親が好きなことをしているのは救いになる
<自分との対話>
・たけしさん
・仕事も始めて、楽になっているはずなのに楽になり切れない その痛みが楔(くさび)のようだと感じ、それがいつ刺さったのか必死で研究していった時期があった
・最終的に自分で自分を否定していたという事に気が付いた
・丸刈り校則反対運動の際に髪を伸ばしたという自分の誇りある決断を「校則を破ったから悪い」という世の中の価値観に合わせて否定した そのまま自分を否定し続けていたので何をしても辛いままだったと気づいた
・気づいた時、「生きていていい」と自然に思えた それまでは「生きていては駄目だ」と思っていた
<収録に参加して>
・トカゲさん
もうちょっと自分自身に時間を作って、その中で娘と一緒に何か話したり対等にやれることが見つかっていけると、もっと娘も楽になるのかなと思った。
・ビーツさん
自分の中で答え合わせが出来た。子どものこととすり合わせてみて、この経過はあの子にとって必要な経過だったし無駄なことはないとわかって、良かったなと思った。
END
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今回のテーマは「算数・数学が変わる!」
この春(2020年4月)、小中学校の学習指導要領が10年ぶりに改訂。
算数・数学において、これまでは「計算力」に代表されるような、与えられた問題に対する解答の正確さや計算のスピードが重要視されてきたが、これからは、主に、「思考力・判断力・表現力」や「学びに向かう力・日常生活に応用する態度」なるものが求められるようになった。
変化の背景には、時代の変化がある。与えられた計算処理だけに限っていえば、AIの方がはるかに正確でスピードも早い。それよりもどういう仕事をAIにさせるか、そこを考える力が必要になる。
番組では、これからの時代を生きていく子どもたちにどんな力が求められているのか、算数・数学の変化を通して考える。
専門家は統計教育を専門に研究し、算数教育に詳しい愛知教育大学准教授の青山和裕先生。
ゲストは、中学2年生のお子さんがいる、トータルテンボスの大村朋宏さん。
●求められる「思考力・判断力・表現力」とは?
東京都目黒区八雲小学校。今回の小学校5年生の授業は、くじ引き大会からはじまった。
くじは、バニラとイチゴが「当たり」。
そして、ダブルが「大当たり」。それ以外は、「はずれ」となっている。
子どもたちは、どの数を引けば、当たりや大当たりが出るのか、その規則性を推理する。
先生は、子どもたちが答えても、それが正解かはすぐには教えない。まずはその根拠を人前で説明させる。
そして、子どもたちは、授業中に設けられる対話の時間を通して、「自分自身の考えを筋道立てて相手に説明する力」を身に着けていく。
それこそが、今回の改訂で求められるようになった「思考力・判断力・表現力」なのだ。
●小1から中3まで新たに加わった単元「データの活用」
東京都荒川区第一日暮里小学校では、6年生が、算数の時間を使って輪投げを行っていた。
これは、後日開かれる1年生との交流会の準備。
輪投げゲームで、1年生が10回中何回成功すれば、景品をあげるか、を考えているのだ。
2メートルの距離から輪投げをして、どのぐらいの確率で成功するかデータを集めている。
結果、10回中、4~5回成功する人が最も多いことが分かった。
30パーセントの人が景品をもらえることになるようにと、「7回成功すれば景品をあげることにする」という意見が多く出た一方で、「6年生だけのデータだけで結論を出していいのか」という意見が出た。
翌日、1年生に投げてもらい、データを取ってみると…。
10回投げて1回も入らなかった人が、全体の3割を超えたのだ。
「女の子は届かなくて、みんなあきらめちゃう…」話し合った結果、1年生が楽しめなければ意味がないと、距離を1.5メートルに短くして、もう一度データを取りなおした上で決めることになった。
●テストの変化は?小学5年レベルの新しい問題にチャレンジ
求められる力が変われば、テストの問題も変わる。そこで、青山さんに、例題を作ってもらった。
正解は、こちら。
採点ポイントは3つある。
[1] 間違えた理由を、知識・技能、思考力を使いながら、読み解けるか
[2] 理由を他人にわかる文章にして的確に表現できるか
[3](筆算はなぜ二段目の計算は左にずらすかなど、)解き方の意味を理解できているか
青山先生いわく「高校入試など公立の入試だと、当然受験生も多くなるので、ある程度書く内容が定まった出題になる。教室で行われる試験など比較的小規模なテストから、問題の内容は少しずつ変わっていく」。
●【日常の疑問を研究】日常生活に算数を応用する
今回の改訂で、算数・数学に求められるようになった「学びに向かう力・日常生活に応用する態度」。
ホゴシャーズのシマウマさんの長女のみおさんは、昨年、「算数の自由研究コンクール」で優秀賞を受賞した。
研究のタイトルは、「家にあるえんぴつは10年分?!」
どうしても欲しいえんぴつがあったみおさんがお母さんに頼んだところ、「10年分あるから買わない!」と断られたことがきっかけだった。
その時、「”10年分”はない」と思ったみおさん。
我が子のふとした疑問を、シマウマさんは聞き流さず、一緒に調べた。
みおさんは、新品の鉛筆を1本使い切るのに、何日かかるのか、百マス計算をやって調べた。
そして、家中の鉛筆の長さを測り、みおさんは家にある鉛筆が「4年分」しかないことを証明した。
大村さん:算数・数学の要素は、どこにでも繋がっているんですね。
青山先生:今新型コロナでみんな社会どうしようかって言う時も、算数数学はきっと活用できます。社会につながる教育を学校で実現していくっていうのがこれからの挑戦になってくると思います。
時代とともに、アップデートされる算数・数学。
お子さんと一緒に身の回りの算数を探してみよう!
END
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いま新型コロナの影響で多くの家庭が経済や意欲の面でダメージを受け、本来受けられたはずの教育の機会を失うケースが急増している。また、コロナ以前から苦しい立場にあったひとり親家庭や外国ルーツの家庭は一層追い込まれており、食糧支援などの直接的支援が欠かせない状況だ。
まずは各種支援の相談窓口をご紹介。詳しい番組内容は↓にスクロールしてください!
各種支援の相談窓口
★NHK特設サイト 新型コロナウイルス
https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/management/
「こんなときは?」「どんな支援が?」…各種支援制度を網羅。まずはここで受けられる支援があるかチェック。
困窮家庭への支援
★子どもの貧困対策センター公益財団法人 あすのば
https://www.usnova.org/
受験や進学に困難を抱える高校生への給付金など
★NPO法人 キッズドア
https://kidsdoor.net/
困窮家庭の子どもたちへの学習支援など(首都圏と宮城県で70以上の無料学習会を開催)
★認定NPO法人 カタリバ
https://katariba.online/kikkake
奨学パソコン(レンタルPC・Wi-Fiなど)付きオンライン教育支援など
ひとり親家庭支援
★特定NPO法人 しんぐるまざあず・ふぉーらむ
https://www.single-mama.com/
生活にお困りのシングルマザーへの相談支援など
外国ルーツ家庭支援
★NPO法人 YSC Global School
https://www.kodomo-nihongo.com/
外国ルーツの子どもたちへの日本語学習支援(対面、オンライン)など
ほか支援団体
★こども食堂ネットワーク
http://kodomoshokudou-network.com/index.html
全国の子ども食堂の検索(場所によってフードパントリーや学習支援等を行っている)
他にも、フードバンクなど困窮家庭への食糧支援を行っている団体が全国各地にあります。
また、各行政独自の支援もあるので、ぜひ一度お住まいの地域の役所HPをご確認ください。
みなさまの声を募集中!
いま、学びを守ろう。 #学びたいのに
★特設投稿フォーム https://forms.nhk.or.jp/q/SPEN86ZI
NHKは引き続き、新型コロナの学びへの影響を見つめていきます。
ぜひお悩みの声などお寄せください。
<番組内容>
今回のテーマは、いま新型コロナの影響でひろがっている教育の不平等について。
この半年、家庭によっては収入がほぼ0になるなど深刻な経済的ダメージを受けた。
その影響で留学を諦めたり塾に行けなくなったりするなど、教育の機会を失うケースが増えている。
いったいなにが起きているのか?親子の声に耳を傾ける。
<ホゴシャーズ家庭 うめさんのケース>
2人のお子さんがいるうめさんは、勤めているバス会社がコロナの影響で業績悪化。
給料が減り、家計を切り詰めた結果、長男(小4)の通信教育をやめることに…。
かたや長女(中1)は小4から塾に通わせたため、兄弟で教育の差がつくことも心配している。
うめ「できる限りのことはさせたいけど、教育の機会を喪失させてしまっているのが悔しい」
<ホゴシャーズ家庭 ビオラさんのケース>
ビオラさんは今年3月に職を失い、パートの収入がゼロに。
子どもが3人いるため、夫ひとりの収入ではこの先の教育費が不安…。
ビオラ「すでに蓄えを切りくずしているのに、長女(中3)と次女(小6)の進学が重なっていて、先が見えない」
しかも長女のかのんさんは、目標にしていた吹奏楽の全国コンクールが中止になったことで、受験勉強の意欲まで失っている。
テストの成績が落ち、志望校のレベルも下げたという。
◇各家庭はどんなダメージを受けているの?◇
ゲストの田村裕さんも新型コロナの影響で収入が減っていて、長女の習い事の数を絞っている・・・。
<専門家・山本宏樹さん(東京電機大学准教授)の意見>
1つ目の問題は経済的ダメージ。生活を優先しなくてはいけないので、教育への投資が削られる。
もう1つ重要なのが、意欲のダメージ。
お金がなくて進学できないなど、将来の道が閉ざされる失望感や不安で“勉強する気持ち”そのものが湧かなくなってしまう。
<尾木ママの意見>
思春期の子どもは好きな事があると、苦手な事や嫌な事に対しても頑張る意欲が湧くもの。
しかし新型コロナの影響で好きな事ができなくなり、学習意欲もなくしている。
これは自己責任の問題ではなく“歴史的な非常事態”。
心のケアが足りていないので、今後は心の支援に入って欲しい。
◇ひとり親家庭への影響◇
新型コロナによる非常事態が長引く中、さらに苦しい状況に追い込まれているのがひとり親家庭。
シングルマザーのイネさんは、大学進学を目指すコウシくん(高3)と2人暮らし。
介護とホテル清掃のパートを掛け持ちし、月およそ13万円を稼いで家計を支えてきた。
しかし3月以降、ホテル清掃の仕事がなくなり、収入が半減。節約生活を強いられている。
一方、難関大学を目指すコウシくんの受験費用は、滑り止めを受けることも考えるとおよそ20万円。
あとは積み立ててきた学資保険や奨学金で進学できると考えていた。
しかし、毎月3~4万ずつ貯めていた受験費用まで生活費に回さざるを得なくなり、半年で貯金はほぼ空に。
生活するだけで精一杯で、受験費用の目途は未だたっていない。
<尾木ママの意見>
非正規採用(パート)は不安定すぎる。最初に首を切られて仕事がなくなる。
これは自助努力では何ともならない。社会的な体制を整えないとダメ。
シングルマザー家庭によっては食費の確保すら難しくなり、「食糧支援」を受ける家庭が急増中…。
<田村さんの体験談>
貧しい食生活は子どもの学びにも大きく影響する。
一番貧しくて栄養が偏っていた高校2年生当時、記憶があまりない。記憶力が絶対低下する。
<専門家の意見>
教育よりも今生きられるかどうかというところで、生活費や食費を切り詰めている状況。一番困難な層をコロナが直撃している。日本国憲法の第25条で「健康で文化的な最低限度の生活」を保証するのが国の存在意義として書かれているが、その最低防衛ラインが完全に抜かれている。国が責任をもって支えるべき。
◇外国ルーツの家庭も苦境に立たされている◇
大阪の“ミナミ”と呼ばれる繁華街では、いま全世帯の1割以上が外国ルーツ家庭。
20年前に来日したフィリピン人のマリアンさんは、1年半前にローンを組んで飲食店を開業した。
しかし、新型コロナの感染拡大で客足が激減し、家賃やローンの支払いが滞りがちになっている。
長男のパトリックくん(高3)はギターが得意で、専門学校などで本格的に学びたいと考えている。
しかし、生活が苦しいことから、就職を選ばざるを得ない状況に・・・。
<尾木ママの意見>
いま大学生も高校生も求人が少なくて就職戦線が大変。その中で、外国籍がルーツだからと進学も就職も非常に厳しい状況に追い込まれるとしたら、これは究極の格差。
<専門家の意見>
実際に日本は世界第4位の移民大国なのにも関わらず、外国籍の子どもの3人に1人は全日制高校に進学しておらず、大幅な格差がある。しっかりと日本で育てていける制度が必要。
<尾木ママのまとめ>
子どもたちの可能性や未来が閉ざされることの意味を考えなければいけない。苦労して進学をあきらめるのはその子個人の問題でもあるけども、そのエネルギー・能力・意欲がしぼんで花開かないと、日本の国力が減退してしまう。だからこそ公的な援助で支え、日本の将来の活力につなげていく必要がある。教育は未来への投資!!
「本当に困っている…」という方は、支援を受けることを恥ずかしいと思わず、是非検討してみてください。
ブログ冒頭で各種支援の相談窓口を紹介しています。
END
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ウワサの保護者会。今回のテーマは学校が再開して多くの人が感じているある不安について。
街中で学校や勉強について聞いてみると、オンライン授業や、学校の授業の進み具合で“教育に差を感じる”という声があがった。
さらに、実際に番組でアンケートを行い、中高生300人に聞いてみると6割が不平等を感じているという結果に…。
子どもたちからは「私の学校は復習に時間をかけているが、友達の学校は先に進んでいたりと授業の進みの差を感じる。」「コロナのせいで受験が心配。学校ごとの差ができていないかが不安」などの声があがった。
一体どんな不平等が起きているのか?取材する。ゲストは、麒麟の田村裕さん。
<ホゴシャーズの意見>
・同じ公立でもやりかたが大きく違う。ちょっと不安になることも…。
・オンライン授業などによって学校ごとの差を感じた。
また、家庭環境によっても休校中だいぶ違うだろうというのは感じた。
◇子どもたちは具体的にどんなことに差を感じているの?◇
子どもたちは具体的にどんな差を感じているのか?
アンケートの結果、オンライン授業など一斉休校中の学校の取り組み、休校明けの授業の内容や進み具合、最後に受験への準備という声が多かった。番組では学校再開後の授業のスピードが速いと感じている子や、塾に行っているか行っていないかの影響をこれまでより大きく感じる子の声を紹介した。
<専門家の意見>
・厳しい環境にある子どもたちの支援や教育格差に詳しい東京電機大学准教授山本宏樹さんが出演。
さまざまなデータから、災害が起きると明らかに教育を巡って格差が広がるという。
・オンライン教育に関しては、日本では文科省が4月の段階で調査したところ公立の小・中・高・特別支援学級で、双方向の授業ができたところはわずか5%しかない。
<尾木ママの意見>
・OECD PISA2018のデータによると、日本は専門的なリソースや、人材、準備時間、補助する人の4つの分野で全77の国と地域のうち最下位。オンライン教育のリソースは全く足りていない。現場任せになってしまった結果、このように大きな差が生まれる事態になった。
・休校明けの学校では、目先のカリキュラムを乗り越えようと必死になっている現状がある。しかし、それ以上に、子どもとの信頼関係をどう構築するのかということに重点を置き、どの子にとっても安心で安全な居場所になるように努めることに力を入れるべき。
◇子どもたちは具体的にどんなことに差を感じているの?◇
現役の先生を中心に4人の教師が集まり差や不平等について話し合った。
すると、公立中学校では教員のスキルに差があったり、各家庭で機材がなかったりすることで進まないという意見があった。
新型コロナウイルスの予防策などで余計に時間をとられ、ただでさえ厳しいのにより忙しくなっているという。
別の教師からは、授業時間が増え、教えるほうもダメになってしまわないかという不安の声も…。
さらに、子どもが授業をやってついていけること、いけない子で二極化しているのではないかという意見もあり、厳しい現状のなかでさまざまな差が広がっていることが分かった。
<専門家の意見>
・この問題の本質は、学校に予算や人が全く足りていないこと。
教師の数も10校に1人の割合でしか増えていない状態。ソーシャルディスタンスを確保して授業をしようと考えても、全く先生が足りていない。
◇“厳しい状況のなかでもできること”とは?◇
この厳しい状況のなかでなにができるのか?先生たちの座談会のなかではアイデアが…。
それが、分からないことは分からないと子どもがちゃんといえる環境づくり。教師が率先して分からないことを聞くことで分からないことを伝える環境ができるという。
<尾木ママの意見>
・「分からない」と伝えることを評価するような環境づくりをすると、教室全体の関心も高まり、理解力もあがる。
◇育つ家庭による深刻な教育への影響も…◇
番組が行ったアンケート調査では、母がコロナのせいで職を失った、塾のお金がきつくなった、収入が減って学校に行けなくなるなど、子どもたちから深刻な声が相次いだ。
さらに、実際に子どもたちからは、「友達が進学から就職に変えたと聞いた。専門学校に行こうとしていたが、親から変えてといわれた」など複数の声があがった。
こうした厳しい状況のなかで子どもたちを支援しているNPOを訪ねた。
経済的に困窮している家庭の子どもたちは環境が整わず、学ぶ意欲を失った子も少なくない。
一人の子どもに同じ指導者が長期間寄り添い、家族も一緒に目標を話し合うなど包括的な支援を行っている。
代表の李さんは、「保護者の収入が減っていく中で相談はより増えるのではないかと懸念している。過程全体を丸ごと支えていかないとお子さんの状況は改善しない。当事者の声を聴きながら丁寧に支援していきたいと考えている。」という。
<専門家の意見>
・ひとり親家庭や、生活困窮層の糧、あるいは外国にルーツをもっている家庭などではしんどい状況がある進学を断念するとか学べないといった話がでていて大きな問題だと感じている。
・一斉休校に関してもっと改善できなかったのかと感じている。イギリスでは、医療関係者の子どもとか教師の家族に対し、しっかりと学校が面倒をみた。日本は一部の自治体にとどまってしまったため、もっとなんとかならなかったのかと思う。
・格差は将来的にみると税収が下がったり、社会保障費が増大したりと、社会全体に影響を与える大きな問題。今後格差が広がれば広がるほど見えなくなるため今のうちにしっかり手当をしておくことが大事。
<尾木ママの意見>
・子どもたちが教育格差について訴えている現状は大問題だと感じている。
もっと教育にお金をつぎ込まなければ、我が国の未来は危ういと感じている。
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突然の長期休校にその後の分散登校など、かつてない経験で学校の大切さに気づいたり、もっと変わってほしいと思ったりしたことはありませんか?
そんな気づきをこれからの学校にどう生かせるのか、教育学者の苫野一徳さんとともに考えた。
休校中から学校再開後に変化した子どもの様子と保護者の思い
大変だった休校や分散登校。しかし、悪い面だけでなく新しい気づきもあったという保護者や子どもたちもいた。
しろくまくん(中3)
・ふだんは集団が苦手で学校に行くのがつらかったしろくまくん
・分散登校で人が少ないと、教室で勉強するときに聞こえてくる周囲の声や音も少なく、集中できた
もみのきさん
・不登校中の中2の長男は、学校に行くことができないが、勉強はしたいと思っていた
・休校中は教室に入らなくてよく、課題を受け取る決められた登校日も少人数ごとの登校だったため、息子は課題を取りに行き、3日間かけて取り組んだ
・「学校に行きたくないから勉強したくないわけではない。学びたい気持ちを受け止めてくれる場所があれば息子は学べる」ともみのきさん。
休校や分散登校で学びやすかったのはなぜ?
苫野一徳さん(熊本大学准教授 (教育学))
・教育や学びを考えるときの基本は、子どもたちには自分に合ったペースがあり、学び方や、いつどこで誰と学ぶのが良いのかなどということは、ひとりひとり全部異なっているということ。
・もみのきさんの長男は自分のペースでぐっと学びこむほうが合っていた
・しろくまくんの場合は周りに人がいると安心できなかった。
多様な学び方を求める保護者の声
・学校が苦手な子の保護者だけでなく、ふだん学校に通っている子の保護者からも、さまざまな学び方を求める声が上がっている
・さいたま市で、学校にいきづらい子に学べる場所を紹介したり、保護者の相談にのったりしている加藤文子さんが、市内の保護者に向けて行ったアンケートでは、「オンラインと併用ならばコロナに限らず他の病気の子にも希望が湧く」「登校は選択制などの配慮が欲しかった」などさまざまな意見が寄せられた
番組のアンケートでも・・・
・学校再開後もオンライン学習を取り入れてほしいという声があった
既に始まっているオンライン学習とオフライン学習のブレンド
苫野一徳さん(熊本大学准教授 (教育学))
・すでに公立の小中学校でも、オンライン学習を通常の授業と組み合わせて使っている例もある
・例えばオンラインをいかした数学のアプリを活用している授業では、AIが個々のペースに応じて問題を出題。知識の習得にかかる時間が一斉授業に比べ5~7割で済む
・先生も、生徒がどこでつまずいているかオンラインで確認でき、生徒に対しては、分からないところにしぼって教えるサポート役として接している
・浮いた時間で探究学習や学び合いができる
・オンラインとオフラインのブレンドは今後必ず広がっていく
画像提供 COMPASS
高校でさらに広がるオンラインとオフラインのブレンド
・さらに高校では、オンラインとオフラインをブレンドした多様な学校のあり方が広がっている。
・例えば、そのひとつの NHK学園高等学校 では、主に自宅でオンライン学習をしながら、テレビ会議システムを使い先生のサポートを受けながら学べるコースや、週に3日の対面授業を柱にして、オンラインでの教科学習も組み合わせて学べるコースなど、本人の学びやすいコースから選ぶことができる。
※NHK学園の取り組みについて尾木ママが語っています!
・VR入学式で注目を集めたN高等学校では、高校卒業に必要な単位取得のための教科学習は基本的にオンラインで行い、通学コースでは教科学習の枠を超えたプロジェクト学習やプログラミングの勉強などに取り組んでいる。
(C)N高等学校
オンライン配信を続ける!学校の取り組み
・熊本市立帯山西小学校の6年生のクラスでは、休校中に始めた授業のオンライン配信を学校再開後も続けている
・授業を見ているのはクラスのみかちゃん。学校に来るのがしんどいので、自宅で授業の様子を見ながら勉強している
・双方向でやり取りをしているわけではないが、みかちゃんは、雰囲気が伝わってくるのが良いという
・休校以前は、クラスで授業を受けることができず、放課後に受けていたが、オンライン配信になってからは毎日参加できるようになった
みかちゃん
「直接会わなくてもできるし、授業も(顔を)隠しながらだったら入れるし、休み時間や授業中もみんなが話し合っている様子も感じられるから一人のときよりはこっちのほうがいい」
・一人で勉強していたときと違い、クラスの友達の発言を聞いて刺激を受けて考えることもあるという
遠藤洋路さん(熊本市教育長)
「教育活動の中でみんなでやったほうがいいものと個別でやったほうがいいもの、一人一人の性格、特徴に合わせていろんな学び方ができる。それが新しい時代の学校像の一つだと思います」
どうなる?これからの学校
苫野さん
・「みんなの環境が整わないと(オンライン学習などを)やらない」という考え方では、環境が整っている子や塾でオンライン授業を受けられる子は先に進めるが、そうでない子が教育を受ける機会を失ってしまう
・「困っているところにより厚く」という“適正配分”の考え方に基づいてこれからは進めていく必要がある
尾木ママ
・在宅でオンライン学習をする上での注意点は家庭を学校にしないこと。本人のペースで学べるようにすること。
・これからは、子ども主体がキーワードになる
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※熱中症について詳しく知りたい方はこちらのサイトもおすすめです!
「NHK健康チャンネル 【特集】誰にでも起きる熱中症!原因・症状・予防・応急処置まとめ」
https://www.nhk.or.jp/kenko/special/netyusho/sp_1.html
今回のテーマは、「熱中症」。
新型コロナウイルスが襲った2020年の夏。
真夏の時期の授業や、マスクの着用など、子どもたちは、これまで以上に熱中症のリスクにさらされている。
番組には、ホゴシャーズから「学校での熱中症」について、さまざまな不安の声が寄せられた。
どうすれば、この夏を乗り越えられるか?専門家にアドバイスを聞いていく!
ホゴシャーズの声【1】
「もし熱中症になっても、先生に気づいてもらえないのではないか?」
八木利津子さん(桃山学院教育大学教授・元養護教諭)
・先生の立場からすると、授業中や集団の中で、熱中症を見分けるのが難しいことはよく分かる。
特にマスクをしていると顔の半分が隠れるため、表情が読みとりづらい、という声をよく聞く。
・小学校低学年は、遊びや運動に夢中になるので、自分で熱中症の症状に気づきづらい。また、語彙力が少ないので、自分の体調を周りに伝えづらい。
・中学生になると、周りの目を気にして、「保健室に行くこと自体が恥ずかしい」と遠慮してしまう子もいる。
解決策は?
・事前の予防策を考えておくことが大切。
・体調が悪くなったときのサインをあらかじめ決めておく。指の角度で体調の良さ、悪さを表すなど。
・授業の合間に、換気・水分補給・健康観察の3セットを行う時間を作る。その際は、マスクを外して表情を見る。
熱中症の主な症状とは?
田中英登さん(横浜国立大学教授・熱中症に詳しい)
・気温と湿度が高い時期に、「頭痛、ふらふらする、吐き気がする、顔が真っ赤になる」などの症状がでたら、熱中症を疑う。
・顔が赤くなったら、体温が相当高くなっている証拠。脳の温度が高くなる可能性があるため、特に危険な状態と思ったほうがいい。
ホゴシャーズの声【2】
「コロナによる休校が続いたことで部活顧問の「遅れを取り戻す!」という熱度が高まっていると思います」
部活を行う際、どんなところに気をつければいい?
田中さん
・日本スポーツ協会の「熱中症予防運動指針」を参考にする。
※詳しくは、下記の「日本スポーツ協会」ホームページをご覧ください。
https://www.japan-sports.or.jp/medicine/heatstroke/tabid922.html
田中さんおすすめ!熱中症対策法
[1] バケツに水をためて、3分くらい手をつける。それだけで体温が下がる。(部活動の際におすすめ!)
[2] 朝食をしっかりとる。脱水や脱塩を防ぐ効果がある。
[3] 家の中で、ときには冷房を切って、適度に汗をかく機会を作り、暑さに強い体をつくる。
・手のひらを冷やす熱中症予防法について、詳しくは、下記のページをご覧ください。
※関連する記事はこちら。
「NHK健康チャンネル 超お手軽な熱中症予防法を大公開!~『金のベンリ堂』」
https://www.nhk.or.jp/kenko/atc_1018.html
・手のひらには、AVAと呼ばれる血管が通っており、そこを冷やすことで“体温低下効果”が得られるという。
・「首・脇の下・そけい部」を冷やすよりも、「手のひら・足の裏・ほほ」を冷やしたときのほうが、体温が低下したという研究結果も。
・冷やすときは、氷や保冷剤などの冷たすぎるものより、15℃ほどの水が最適。
※「手のひらを冷やす」方法は、症状が起きる前の予防法です。もし、すでに熱中症が疑われる症状が出ている場合には、手のひらだけでなく、首・脇の下・脚の付け根を含めた全身を速やかに冷やすことが重要です。呼びかけに応じないなどの緊急時には救急車を呼び、適切な医療処置を受けるようにしてください。
ホゴシャーズからの声【3】
「冷感タオルなどを許可してほしい。スポーツドリンクが禁止なので不安。」
田中さん
・冷感タオルについては、「普通のタオルを水で冷やして拭く」ことで代用できる。
・スポーツドリンクに関しては、通常の学校生活を送る分には必ずしも必要ではない。ただし大量の汗をかいた場合、2時間以上連続して運動した場合などはスポーツドリンクが有効。
ホゴシャーズの声【4】
「真夏に制服で通学することが心配」
八木さん
・制服の下に、綿100%のシャツを着ることで、汗を吸うようになり、熱中症対策になる。
・学校は、制服やポロシャツでの登下校を認めるのがいいのでは。
・PTAを通じて「学校保健委員会」に議題をあげて、校則を変えられないか話し合うのもよい。
ホゴシャーズの声【5】
「マスク着用しながらの授業、登下校などが心配」
そもそもマスクにはどんなリスクが?
田中さん
・マスクをつけることで、マスク内の空気が暖まり、吸い込む空気の温度が上がることで、熱負荷がかかる。
・さらに口腔内の湿度が高まることによって、喉の渇きに気づきにくくなり、脱水症状の危険性が増す。
学校生活におけるマスク着用について、感染症の専門家の小児科医・森内浩幸さんに意見を聞いた。
長崎大学病院 小児科医 森内浩幸さん
まずはマスクがどんな効果をもたらすのかを知ることが一番大事。マスクについては、「2メートルより近い距離で対面で会話する場合、大きな声を出したりたまたま咳やくしゃみをしたりしたときに生じる飛沫による感染を防ぐ」効果がある。
それを踏まえると、登下校、通常の体育、通常の教室でも子どもたちが全員前を向いて着席している場合は不要。ただし通常の授業であっても、低学年のクラスなどで、すぐ隣の子とついついおしゃべりをしてしまう、という状況ならばマスクを着用しておくほうが無難。その地域における流行やクラスの状況に合わせ、校医や養護教諭の先生と相談しながら、決めるのがよい。
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●文部科学省が“オンライン学習”を強く要望
長期に及ぶ休校でオンライン学習が注目される中、文部科学省は各教育委員会向けに説明会を開催。
ICT(情報通信機器)活用によるオンライン学習導入を強く求めた。
・使えるものは何でもつかう ―タブレットを配布せずとも、保護者のスマホ等も活用して導入を。
・できることから、できる人から ―全員の環境が整わなくても、できる人からやり始めてほしい。
・既存のルールに捉われず臨機応変に ―各自治体は既存のルールに縛られず迅速な導入を。
・何でも取り組む ―各学校は若手教師の意見なども取り入れてなんでも取り組んでほしい。
・文部科学省が公開している説明会資料
https://www.mext.go.jp/content/20200509-mxt_jogai01-000003278_602.pdf
●そもそも“オンライン学習”とは?
オンライン学習には、インターネットで調べものをする、メール等による指導、動画配信による指導、同時双方向でお互いに顔を見ながらやりとりをするなど、さまざまな形があります。
番組では渋谷区の公立小学校で3年前から行われている先進的なオンライン学習事例を紹介しました。
・チャットやメッセージ機能を通じて先生から毎日連絡事項が伝えられる。質問も自由に送れる!
・学習にインターネット検索やプレゼンテーションソフトを活用し、子どもの能動的な学習習慣を育む!
・問題アプリの自動採点により、先生は採点の手間が省ける。学習状況も一目で把握できる!
・オンライン上の“クラウド”を活用して提出物をみんなで共有!
クラスメイトの提出物も見られる!
●学校再開後のオンライン学習活用法は?
・授業中、画面で一斉に全員の意見を共有できる!
・複数のクラスをつないで同時に授業ができる!
・不登校の子もオンラインで学習に参加できる!
・遠く離れた専門家からも指導を受けられる!
・・・など、オンラインの活用法は広がっていくと考えられています。
★各学校新規導入時のアドバイス(高橋純さん・東京学芸大学准教授)
いきなり導入しようとせず、まずは先生同士でオンライン学習を体験しよう。
若手からベテランまで、みんなが環境の整え方を把握すれば、導入もスムーズにできるはず。
どうしても環境が整わない場合は、タブレットやパソコンの貸し出し、空き教室の利用、地域のパソコンルームの利用など、臨機応変に参加できる方法を検討しよう。
●“動画”もオンライン学習の一つ!
番組ではネット動画を見ながら折り紙やピアノに挑戦する小学生を紹介した。
一時停止したりくり返し見たりすることができる動画は、有効な学習ツールだ。
NHKも「」で学びに役立つたくさんの動画を配信中です!
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