< 学校・勉強 >
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ひきこもりを考えるプロジェクト「#こもりびと」の関連番組。
プロジェクトに参加する各番組の情報はこちらまで。
小中学校で不登校になっている子どもたちは年々増え続け、およそ18万人。わが子が学校に行かなくなったり、部屋にこもったりしたとき、親はどうすればよいのか、不登校経験者とともに考えた。
<ひきこもりがちな子どもの気持ち>
映像・デザイン制作会社役員のたけしさんは、中学1年生の時から不登校の経験がある。
中学1年生の時、丸刈りを強制する校則に疑問を持ち、校則を変える運動を始め、髪も伸ばし始めたたけしさん。応援してくれる友達も多かったが、一部の同級生からは髪を伸ばしたことで「ずるい!」と言われ、先生からは「切ってこい」と言われて板挟みになった。やがて学校に行くのがつらくなって休みがちになり、中学3年生の春には完全に行かなくなった。
たけしさん
・学校に行きたくないと思っているし、学校に行くと自分じゃなくなってしまう
・学校のある昼間の時間がつらくてゲームに夢中になって紛らわそうとしていた
・校則を変えられず、さらに不登校になってしまった。そんな自分は弱いんだと思っていた
その後、通信制高校を経て大学に進学。「強くなりたい」と敢えてきついアルバイトにも挑戦したがいずれも続かず、大学3年生の時にはひきこもりがちに。
たけしさん
・自分が弱いから頑張る、うまくいかない、やはりだめだ、という事を繰り返していくうちに、自分が弱い、ダメな人間ということが確定していく
<子どもの苦しさ どう受けとめる?>
・ビーツさん(娘が中学3年間ほぼ不登校 今は高校に通っているが調子に波がある)
・自分が弱いからと敢えて険しい道を選ぶのがうちの子と共通していると思った
・トカゲさん(娘が小5から不登校 中学生になり短時間だけ通うが疲れ切っている)
・娘も弱い自分を許せないと言っていた。何をしても無駄と思う自分もいれば頑張らなきゃいけないと思う自分もいて葛藤している。
・10分くらい学校に行って帰ると疲れ切って寝てしまい、ゆすっても起きない。「学校に行かなくても大丈夫だよ」と言ってあげても、本人は「それじゃあ自分がダメになる」と言う。
みなこさん(映像・デザイン制作会社役員 不登校経験者)
・「しばらく休んでみれば?」と母から言ってくれたのは救いだった。
・学校を休んでいた時に「洋服でも買う?」と連れ出してくれたのが印象に残っていて、そのときの服は今も大事にしまってある
・「私の味方なんだ」というメッセージとして受けとめた
<一歩踏み出すとき>
・大学3年生のとき再びひきこもりがちになったたけしさん。つらい思いを部屋の壁に書いたり、もがいていた。あるとき不登校経験者が作った大学のイベントに参加し、その場で入学した。
・いつも周囲に合わせようとしてきたたけしさんだったが、その大学では少し違った。
たけしさん
・“たけしくんはどうしたいの?”と聞かれることに感動した
・少しずつ「自分はこうしたい」と言い、受け入れられることが積み重なると安心できるようになった
・安心できるようになると自分も何かしてみたくなり、ソーラーカーレースに挑戦した
・毎朝10時から夜12時まで作業して、寝ると回復して翌朝も10時から作業する
・エネルギーがどんどん湧いてきて動けるようになっていった
<一歩踏み出すためには・・・>
・ビーツさん
・娘も好きなことに没頭できるようになれば楽しいだろうが、我慢しなきゃいけない今がつらそうで…
・たけしさん
・嫌なことを乗り越えないと好きなことができないと自分もとらわれていた
・その大学はやりたいことをやる場所だった 安心できる場所でないとやりたいことができない
・みなこさん
・へとへとになってしまうと一番エネルギーを注ぎたいことに注ぐことができないのでもったいない
・好きなことからどんどんやっても良いのではないか?
・トカゲさん
・娘は自分で調べて定時制の高校に行きたがっているが、中学の先生からは全日制に行くようにとプレッシャーがある
・尾木ママ
・それは学校がおかしい 多様な学びがあって定時制でも通信制でもいい
・本人が一番伸びやすい安心できる場所が一番いい進路先なんです
<専門家に聞く 不登校 “親にできること”>
・児童精神科医 高岡健(たかおか・けん)さん(岐阜県立希望が丘こども医療福祉センター)
によると
不登校の意義
[1] いじめなど危険でストレスフルな環境から身を守るという意義
[2] 自分との対話「自分の生き方がこれでいいのだろうか」「もっと違った生き方をした方が良いのではないか?」と考える
大人になっていくうえで自分を確立するプロセス
親ができることは?
・ひきこもっては駄目だとか自分を守るのは駄目だといった間違った対応をするとエネルギーが溜まらない
・本人を非難、否定する情報をシャットアウトすると、自分との対話が促進される
・親が子どもに向けて語り掛けたり行動を起こすことにはあまり意味がなくマイナスになりがち
・親は自分自身の事をするのが良い
<親は自分自身のことをする>
・トカゲさん
・娘に「お母さんなぜ仕事を辞めたの?もう一回したら?」と言われた
・ビーツさん
・同じように「お母さん、生きてて楽しいの?何かやりたいことないの?」と言われて考えた
・みなこさん
・放置するのとは違うので基本的には味方でいて欲しい
・だが「この子はうまく行かないんじゃないか」と考えすぎて親が苦しむのは子どもとしてはいたたまれない 生き生きした大人として親が好きなことをしているのは救いになる
<自分との対話>
・たけしさん
・仕事も始めて、楽になっているはずなのに楽になり切れない その痛みが楔(くさび)のようだと感じ、それがいつ刺さったのか必死で研究していった時期があった
・最終的に自分で自分を否定していたという事に気が付いた
・丸刈り校則反対運動の際に髪を伸ばしたという自分の誇りある決断を「校則を破ったから悪い」という世の中の価値観に合わせて否定した そのまま自分を否定し続けていたので何をしても辛いままだったと気づいた
・気づいた時、「生きていていい」と自然に思えた それまでは「生きていては駄目だ」と思っていた
<収録に参加して>
・トカゲさん
もうちょっと自分自身に時間を作って、その中で娘と一緒に何か話したり対等にやれることが見つかっていけると、もっと娘も楽になるのかなと思った。
・ビーツさん
自分の中で答え合わせが出来た。子どものこととすり合わせてみて、この経過はあの子にとって必要な経過だったし無駄なことはないとわかって、良かったなと思った。
END
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今回のテーマは「算数・数学が変わる!」
この春(2020年4月)、小中学校の学習指導要領が10年ぶりに改訂。
算数・数学において、これまでは「計算力」に代表されるような、与えられた問題に対する解答の正確さや計算のスピードが重要視されてきたが、これからは、主に、「思考力・判断力・表現力」や「学びに向かう力・日常生活に応用する態度」なるものが求められるようになった。
変化の背景には、時代の変化がある。与えられた計算処理だけに限っていえば、AIの方がはるかに正確でスピードも早い。それよりもどういう仕事をAIにさせるか、そこを考える力が必要になる。
番組では、これからの時代を生きていく子どもたちにどんな力が求められているのか、算数・数学の変化を通して考える。
専門家は統計教育を専門に研究し、算数教育に詳しい愛知教育大学准教授の青山和裕先生。
ゲストは、中学2年生のお子さんがいる、トータルテンボスの大村朋宏さん。
●求められる「思考力・判断力・表現力」とは?
東京都目黒区八雲小学校。今回の小学校5年生の授業は、くじ引き大会からはじまった。
くじは、バニラとイチゴが「当たり」。
そして、ダブルが「大当たり」。それ以外は、「はずれ」となっている。
子どもたちは、どの数を引けば、当たりや大当たりが出るのか、その規則性を推理する。
先生は、子どもたちが答えても、それが正解かはすぐには教えない。まずはその根拠を人前で説明させる。
そして、子どもたちは、授業中に設けられる対話の時間を通して、「自分自身の考えを筋道立てて相手に説明する力」を身に着けていく。
それこそが、今回の改訂で求められるようになった「思考力・判断力・表現力」なのだ。
●小1から中3まで新たに加わった単元「データの活用」
東京都荒川区第一日暮里小学校では、6年生が、算数の時間を使って輪投げを行っていた。
これは、後日開かれる1年生との交流会の準備。
輪投げゲームで、1年生が10回中何回成功すれば、景品をあげるか、を考えているのだ。
2メートルの距離から輪投げをして、どのぐらいの確率で成功するかデータを集めている。
結果、10回中、4~5回成功する人が最も多いことが分かった。
30パーセントの人が景品をもらえることになるようにと、「7回成功すれば景品をあげることにする」という意見が多く出た一方で、「6年生だけのデータだけで結論を出していいのか」という意見が出た。
翌日、1年生に投げてもらい、データを取ってみると…。
10回投げて1回も入らなかった人が、全体の3割を超えたのだ。
「女の子は届かなくて、みんなあきらめちゃう…」話し合った結果、1年生が楽しめなければ意味がないと、距離を1.5メートルに短くして、もう一度データを取りなおした上で決めることになった。
●テストの変化は?小学5年レベルの新しい問題にチャレンジ
求められる力が変われば、テストの問題も変わる。そこで、青山さんに、例題を作ってもらった。
正解は、こちら。
採点ポイントは3つある。
[1] 間違えた理由を、知識・技能、思考力を使いながら、読み解けるか
[2] 理由を他人にわかる文章にして的確に表現できるか
[3](筆算はなぜ二段目の計算は左にずらすかなど、)解き方の意味を理解できているか
青山先生いわく「高校入試など公立の入試だと、当然受験生も多くなるので、ある程度書く内容が定まった出題になる。教室で行われる試験など比較的小規模なテストから、問題の内容は少しずつ変わっていく」。
●【日常の疑問を研究】日常生活に算数を応用する
今回の改訂で、算数・数学に求められるようになった「学びに向かう力・日常生活に応用する態度」。
ホゴシャーズのシマウマさんの長女のみおさんは、昨年、「算数の自由研究コンクール」で優秀賞を受賞した。
研究のタイトルは、「家にあるえんぴつは10年分?!」
どうしても欲しいえんぴつがあったみおさんがお母さんに頼んだところ、「10年分あるから買わない!」と断られたことがきっかけだった。
その時、「”10年分”はない」と思ったみおさん。
我が子のふとした疑問を、シマウマさんは聞き流さず、一緒に調べた。
みおさんは、新品の鉛筆を1本使い切るのに、何日かかるのか、百マス計算をやって調べた。
そして、家中の鉛筆の長さを測り、みおさんは家にある鉛筆が「4年分」しかないことを証明した。
大村さん:算数・数学の要素は、どこにでも繋がっているんですね。
青山先生:今新型コロナでみんな社会どうしようかって言う時も、算数数学はきっと活用できます。社会につながる教育を学校で実現していくっていうのがこれからの挑戦になってくると思います。
時代とともに、アップデートされる算数・数学。
お子さんと一緒に身の回りの算数を探してみよう!
END
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いま新型コロナの影響で多くの家庭が経済や意欲の面でダメージを受け、本来受けられたはずの教育の機会を失うケースが急増している。また、コロナ以前から苦しい立場にあったひとり親家庭や外国ルーツの家庭は一層追い込まれており、食糧支援などの直接的支援が欠かせない状況だ。
まずは各種支援の相談窓口をご紹介。詳しい番組内容は↓にスクロールしてください!
各種支援の相談窓口
★NHK特設サイト 新型コロナウイルス
https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/management/
「こんなときは?」「どんな支援が?」…各種支援制度を網羅。まずはここで受けられる支援があるかチェック。
困窮家庭への支援
★子どもの貧困対策センター公益財団法人 あすのば
https://www.usnova.org/
受験や進学に困難を抱える高校生への給付金など
★NPO法人 キッズドア
https://kidsdoor.net/
困窮家庭の子どもたちへの学習支援など(首都圏と宮城県で70以上の無料学習会を開催)
★認定NPO法人 カタリバ
https://katariba.online/kikkake
奨学パソコン(レンタルPC・Wi-Fiなど)付きオンライン教育支援など
ひとり親家庭支援
★特定NPO法人 しんぐるまざあず・ふぉーらむ
https://www.single-mama.com/
生活にお困りのシングルマザーへの相談支援など
外国ルーツ家庭支援
★NPO法人 YSC Global School
https://www.kodomo-nihongo.com/
外国ルーツの子どもたちへの日本語学習支援(対面、オンライン)など
ほか支援団体
★こども食堂ネットワーク
http://kodomoshokudou-network.com/index.html
全国の子ども食堂の検索(場所によってフードパントリーや学習支援等を行っている)
他にも、フードバンクなど困窮家庭への食糧支援を行っている団体が全国各地にあります。
また、各行政独自の支援もあるので、ぜひ一度お住まいの地域の役所HPをご確認ください。
みなさまの声を募集中!
いま、学びを守ろう。 #学びたいのに
★特設投稿フォーム https://forms.nhk.or.jp/q/SPEN86ZI
NHKは引き続き、新型コロナの学びへの影響を見つめていきます。
ぜひお悩みの声などお寄せください。
<番組内容>
今回のテーマは、いま新型コロナの影響でひろがっている教育の不平等について。
この半年、家庭によっては収入がほぼ0になるなど深刻な経済的ダメージを受けた。
その影響で留学を諦めたり塾に行けなくなったりするなど、教育の機会を失うケースが増えている。
いったいなにが起きているのか?親子の声に耳を傾ける。
<ホゴシャーズ家庭 うめさんのケース>
2人のお子さんがいるうめさんは、勤めているバス会社がコロナの影響で業績悪化。
給料が減り、家計を切り詰めた結果、長男(小4)の通信教育をやめることに…。
かたや長女(中1)は小4から塾に通わせたため、兄弟で教育の差がつくことも心配している。
うめ「できる限りのことはさせたいけど、教育の機会を喪失させてしまっているのが悔しい」
<ホゴシャーズ家庭 ビオラさんのケース>
ビオラさんは今年3月に職を失い、パートの収入がゼロに。
子どもが3人いるため、夫ひとりの収入ではこの先の教育費が不安…。
ビオラ「すでに蓄えを切りくずしているのに、長女(中3)と次女(小6)の進学が重なっていて、先が見えない」
しかも長女のかのんさんは、目標にしていた吹奏楽の全国コンクールが中止になったことで、受験勉強の意欲まで失っている。
テストの成績が落ち、志望校のレベルも下げたという。
◇各家庭はどんなダメージを受けているの?◇
ゲストの田村裕さんも新型コロナの影響で収入が減っていて、長女の習い事の数を絞っている・・・。
<専門家・山本宏樹さん(東京電機大学准教授)の意見>
1つ目の問題は経済的ダメージ。生活を優先しなくてはいけないので、教育への投資が削られる。
もう1つ重要なのが、意欲のダメージ。
お金がなくて進学できないなど、将来の道が閉ざされる失望感や不安で“勉強する気持ち”そのものが湧かなくなってしまう。
<尾木ママの意見>
思春期の子どもは好きな事があると、苦手な事や嫌な事に対しても頑張る意欲が湧くもの。
しかし新型コロナの影響で好きな事ができなくなり、学習意欲もなくしている。
これは自己責任の問題ではなく“歴史的な非常事態”。
心のケアが足りていないので、今後は心の支援に入って欲しい。
◇ひとり親家庭への影響◇
新型コロナによる非常事態が長引く中、さらに苦しい状況に追い込まれているのがひとり親家庭。
シングルマザーのイネさんは、大学進学を目指すコウシくん(高3)と2人暮らし。
介護とホテル清掃のパートを掛け持ちし、月およそ13万円を稼いで家計を支えてきた。
しかし3月以降、ホテル清掃の仕事がなくなり、収入が半減。節約生活を強いられている。
一方、難関大学を目指すコウシくんの受験費用は、滑り止めを受けることも考えるとおよそ20万円。
あとは積み立ててきた学資保険や奨学金で進学できると考えていた。
しかし、毎月3~4万ずつ貯めていた受験費用まで生活費に回さざるを得なくなり、半年で貯金はほぼ空に。
生活するだけで精一杯で、受験費用の目途は未だたっていない。
<尾木ママの意見>
非正規採用(パート)は不安定すぎる。最初に首を切られて仕事がなくなる。
これは自助努力では何ともならない。社会的な体制を整えないとダメ。
シングルマザー家庭によっては食費の確保すら難しくなり、「食糧支援」を受ける家庭が急増中…。
<田村さんの体験談>
貧しい食生活は子どもの学びにも大きく影響する。
一番貧しくて栄養が偏っていた高校2年生当時、記憶があまりない。記憶力が絶対低下する。
<専門家の意見>
教育よりも今生きられるかどうかというところで、生活費や食費を切り詰めている状況。一番困難な層をコロナが直撃している。日本国憲法の第25条で「健康で文化的な最低限度の生活」を保証するのが国の存在意義として書かれているが、その最低防衛ラインが完全に抜かれている。国が責任をもって支えるべき。
◇外国ルーツの家庭も苦境に立たされている◇
大阪の“ミナミ”と呼ばれる繁華街では、いま全世帯の1割以上が外国ルーツ家庭。
20年前に来日したフィリピン人のマリアンさんは、1年半前にローンを組んで飲食店を開業した。
しかし、新型コロナの感染拡大で客足が激減し、家賃やローンの支払いが滞りがちになっている。
長男のパトリックくん(高3)はギターが得意で、専門学校などで本格的に学びたいと考えている。
しかし、生活が苦しいことから、就職を選ばざるを得ない状況に・・・。
<尾木ママの意見>
いま大学生も高校生も求人が少なくて就職戦線が大変。その中で、外国籍がルーツだからと進学も就職も非常に厳しい状況に追い込まれるとしたら、これは究極の格差。
<専門家の意見>
実際に日本は世界第4位の移民大国なのにも関わらず、外国籍の子どもの3人に1人は全日制高校に進学しておらず、大幅な格差がある。しっかりと日本で育てていける制度が必要。
<尾木ママのまとめ>
子どもたちの可能性や未来が閉ざされることの意味を考えなければいけない。苦労して進学をあきらめるのはその子個人の問題でもあるけども、そのエネルギー・能力・意欲がしぼんで花開かないと、日本の国力が減退してしまう。だからこそ公的な援助で支え、日本の将来の活力につなげていく必要がある。教育は未来への投資!!
「本当に困っている…」という方は、支援を受けることを恥ずかしいと思わず、是非検討してみてください。
ブログ冒頭で各種支援の相談窓口を紹介しています。
END
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ウワサの保護者会。今回のテーマは学校が再開して多くの人が感じているある不安について。
街中で学校や勉強について聞いてみると、オンライン授業や、学校の授業の進み具合で“教育に差を感じる”という声があがった。
さらに、実際に番組でアンケートを行い、中高生300人に聞いてみると6割が不平等を感じているという結果に…。
子どもたちからは「私の学校は復習に時間をかけているが、友達の学校は先に進んでいたりと授業の進みの差を感じる。」「コロナのせいで受験が心配。学校ごとの差ができていないかが不安」などの声があがった。
一体どんな不平等が起きているのか?取材する。ゲストは、麒麟の田村裕さん。
<ホゴシャーズの意見>
・同じ公立でもやりかたが大きく違う。ちょっと不安になることも…。
・オンライン授業などによって学校ごとの差を感じた。
また、家庭環境によっても休校中だいぶ違うだろうというのは感じた。
◇子どもたちは具体的にどんなことに差を感じているの?◇
子どもたちは具体的にどんな差を感じているのか?
アンケートの結果、オンライン授業など一斉休校中の学校の取り組み、休校明けの授業の内容や進み具合、最後に受験への準備という声が多かった。番組では学校再開後の授業のスピードが速いと感じている子や、塾に行っているか行っていないかの影響をこれまでより大きく感じる子の声を紹介した。
<専門家の意見>
・厳しい環境にある子どもたちの支援や教育格差に詳しい東京電機大学准教授山本宏樹さんが出演。
さまざまなデータから、災害が起きると明らかに教育を巡って格差が広がるという。
・オンライン教育に関しては、日本では文科省が4月の段階で調査したところ公立の小・中・高・特別支援学級で、双方向の授業ができたところはわずか5%しかない。
<尾木ママの意見>
・OECD PISA2018のデータによると、日本は専門的なリソースや、人材、準備時間、補助する人の4つの分野で全77の国と地域のうち最下位。オンライン教育のリソースは全く足りていない。現場任せになってしまった結果、このように大きな差が生まれる事態になった。
・休校明けの学校では、目先のカリキュラムを乗り越えようと必死になっている現状がある。しかし、それ以上に、子どもとの信頼関係をどう構築するのかということに重点を置き、どの子にとっても安心で安全な居場所になるように努めることに力を入れるべき。
◇子どもたちは具体的にどんなことに差を感じているの?◇
現役の先生を中心に4人の教師が集まり差や不平等について話し合った。
すると、公立中学校では教員のスキルに差があったり、各家庭で機材がなかったりすることで進まないという意見があった。
新型コロナウイルスの予防策などで余計に時間をとられ、ただでさえ厳しいのにより忙しくなっているという。
別の教師からは、授業時間が増え、教えるほうもダメになってしまわないかという不安の声も…。
さらに、子どもが授業をやってついていけること、いけない子で二極化しているのではないかという意見もあり、厳しい現状のなかでさまざまな差が広がっていることが分かった。
<専門家の意見>
・この問題の本質は、学校に予算や人が全く足りていないこと。
教師の数も10校に1人の割合でしか増えていない状態。ソーシャルディスタンスを確保して授業をしようと考えても、全く先生が足りていない。
◇“厳しい状況のなかでもできること”とは?◇
この厳しい状況のなかでなにができるのか?先生たちの座談会のなかではアイデアが…。
それが、分からないことは分からないと子どもがちゃんといえる環境づくり。教師が率先して分からないことを聞くことで分からないことを伝える環境ができるという。
<尾木ママの意見>
・「分からない」と伝えることを評価するような環境づくりをすると、教室全体の関心も高まり、理解力もあがる。
◇育つ家庭による深刻な教育への影響も…◇
番組が行ったアンケート調査では、母がコロナのせいで職を失った、塾のお金がきつくなった、収入が減って学校に行けなくなるなど、子どもたちから深刻な声が相次いだ。
さらに、実際に子どもたちからは、「友達が進学から就職に変えたと聞いた。専門学校に行こうとしていたが、親から変えてといわれた」など複数の声があがった。
こうした厳しい状況のなかで子どもたちを支援しているNPOを訪ねた。
経済的に困窮している家庭の子どもたちは環境が整わず、学ぶ意欲を失った子も少なくない。
一人の子どもに同じ指導者が長期間寄り添い、家族も一緒に目標を話し合うなど包括的な支援を行っている。
代表の李さんは、「保護者の収入が減っていく中で相談はより増えるのではないかと懸念している。過程全体を丸ごと支えていかないとお子さんの状況は改善しない。当事者の声を聴きながら丁寧に支援していきたいと考えている。」という。
<専門家の意見>
・ひとり親家庭や、生活困窮層の糧、あるいは外国にルーツをもっている家庭などではしんどい状況がある進学を断念するとか学べないといった話がでていて大きな問題だと感じている。
・一斉休校に関してもっと改善できなかったのかと感じている。イギリスでは、医療関係者の子どもとか教師の家族に対し、しっかりと学校が面倒をみた。日本は一部の自治体にとどまってしまったため、もっとなんとかならなかったのかと思う。
・格差は将来的にみると税収が下がったり、社会保障費が増大したりと、社会全体に影響を与える大きな問題。今後格差が広がれば広がるほど見えなくなるため今のうちにしっかり手当をしておくことが大事。
<尾木ママの意見>
・子どもたちが教育格差について訴えている現状は大問題だと感じている。
もっと教育にお金をつぎ込まなければ、我が国の未来は危ういと感じている。
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突然の長期休校にその後の分散登校など、かつてない経験で学校の大切さに気づいたり、もっと変わってほしいと思ったりしたことはありませんか?
そんな気づきをこれからの学校にどう生かせるのか、教育学者の苫野一徳さんとともに考えた。
休校中から学校再開後に変化した子どもの様子と保護者の思い
大変だった休校や分散登校。しかし、悪い面だけでなく新しい気づきもあったという保護者や子どもたちもいた。
しろくまくん(中3)
・ふだんは集団が苦手で学校に行くのがつらかったしろくまくん
・分散登校で人が少ないと、教室で勉強するときに聞こえてくる周囲の声や音も少なく、集中できた
もみのきさん
・不登校中の中2の長男は、学校に行くことができないが、勉強はしたいと思っていた
・休校中は教室に入らなくてよく、課題を受け取る決められた登校日も少人数ごとの登校だったため、息子は課題を取りに行き、3日間かけて取り組んだ
・「学校に行きたくないから勉強したくないわけではない。学びたい気持ちを受け止めてくれる場所があれば息子は学べる」ともみのきさん。
休校や分散登校で学びやすかったのはなぜ?
苫野一徳さん(熊本大学准教授 (教育学))
・教育や学びを考えるときの基本は、子どもたちには自分に合ったペースがあり、学び方や、いつどこで誰と学ぶのが良いのかなどということは、ひとりひとり全部異なっているということ。
・もみのきさんの長男は自分のペースでぐっと学びこむほうが合っていた
・しろくまくんの場合は周りに人がいると安心できなかった。
多様な学び方を求める保護者の声
・学校が苦手な子の保護者だけでなく、ふだん学校に通っている子の保護者からも、さまざまな学び方を求める声が上がっている
・さいたま市で、学校にいきづらい子に学べる場所を紹介したり、保護者の相談にのったりしている加藤文子さんが、市内の保護者に向けて行ったアンケートでは、「オンラインと併用ならばコロナに限らず他の病気の子にも希望が湧く」「登校は選択制などの配慮が欲しかった」などさまざまな意見が寄せられた
番組のアンケートでも・・・
・学校再開後もオンライン学習を取り入れてほしいという声があった
既に始まっているオンライン学習とオフライン学習のブレンド
苫野一徳さん(熊本大学准教授 (教育学))
・すでに公立の小中学校でも、オンライン学習を通常の授業と組み合わせて使っている例もある
・例えばオンラインをいかした数学のアプリを活用している授業では、AIが個々のペースに応じて問題を出題。知識の習得にかかる時間が一斉授業に比べ5~7割で済む
・先生も、生徒がどこでつまずいているかオンラインで確認でき、生徒に対しては、分からないところにしぼって教えるサポート役として接している
・浮いた時間で探究学習や学び合いができる
・オンラインとオフラインのブレンドは今後必ず広がっていく
画像提供 COMPASS
高校でさらに広がるオンラインとオフラインのブレンド
・さらに高校では、オンラインとオフラインをブレンドした多様な学校のあり方が広がっている。
・例えば、そのひとつの NHK学園高等学校 では、主に自宅でオンライン学習をしながら、テレビ会議システムを使い先生のサポートを受けながら学べるコースや、週に3日の対面授業を柱にして、オンラインでの教科学習も組み合わせて学べるコースなど、本人の学びやすいコースから選ぶことができる。
※NHK学園の取り組みについて尾木ママが語っています!
・VR入学式で注目を集めたN高等学校では、高校卒業に必要な単位取得のための教科学習は基本的にオンラインで行い、通学コースでは教科学習の枠を超えたプロジェクト学習やプログラミングの勉強などに取り組んでいる。
(C)N高等学校
オンライン配信を続ける!学校の取り組み
・熊本市立帯山西小学校の6年生のクラスでは、休校中に始めた授業のオンライン配信を学校再開後も続けている
・授業を見ているのはクラスのみかちゃん。学校に来るのがしんどいので、自宅で授業の様子を見ながら勉強している
・双方向でやり取りをしているわけではないが、みかちゃんは、雰囲気が伝わってくるのが良いという
・休校以前は、クラスで授業を受けることができず、放課後に受けていたが、オンライン配信になってからは毎日参加できるようになった
みかちゃん
「直接会わなくてもできるし、授業も(顔を)隠しながらだったら入れるし、休み時間や授業中もみんなが話し合っている様子も感じられるから一人のときよりはこっちのほうがいい」
・一人で勉強していたときと違い、クラスの友達の発言を聞いて刺激を受けて考えることもあるという
遠藤洋路さん(熊本市教育長)
「教育活動の中でみんなでやったほうがいいものと個別でやったほうがいいもの、一人一人の性格、特徴に合わせていろんな学び方ができる。それが新しい時代の学校像の一つだと思います」
どうなる?これからの学校
苫野さん
・「みんなの環境が整わないと(オンライン学習などを)やらない」という考え方では、環境が整っている子や塾でオンライン授業を受けられる子は先に進めるが、そうでない子が教育を受ける機会を失ってしまう
・「困っているところにより厚く」という“適正配分”の考え方に基づいてこれからは進めていく必要がある
尾木ママ
・在宅でオンライン学習をする上での注意点は家庭を学校にしないこと。本人のペースで学べるようにすること。
・これからは、子ども主体がキーワードになる
END
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※熱中症について詳しく知りたい方はこちらのサイトもおすすめです!
「NHK健康チャンネル 【特集】誰にでも起きる熱中症!原因・症状・予防・応急処置まとめ」
https://www.nhk.or.jp/kenko/special/netyusho/sp_1.html
今回のテーマは、「熱中症」。
新型コロナウイルスが襲った2020年の夏。
真夏の時期の授業や、マスクの着用など、子どもたちは、これまで以上に熱中症のリスクにさらされている。
番組には、ホゴシャーズから「学校での熱中症」について、さまざまな不安の声が寄せられた。
どうすれば、この夏を乗り越えられるか?専門家にアドバイスを聞いていく!
ホゴシャーズの声【1】
「もし熱中症になっても、先生に気づいてもらえないのではないか?」
八木利津子さん(桃山学院教育大学教授・元養護教諭)
・先生の立場からすると、授業中や集団の中で、熱中症を見分けるのが難しいことはよく分かる。
特にマスクをしていると顔の半分が隠れるため、表情が読みとりづらい、という声をよく聞く。
・小学校低学年は、遊びや運動に夢中になるので、自分で熱中症の症状に気づきづらい。また、語彙力が少ないので、自分の体調を周りに伝えづらい。
・中学生になると、周りの目を気にして、「保健室に行くこと自体が恥ずかしい」と遠慮してしまう子もいる。
解決策は?
・事前の予防策を考えておくことが大切。
・体調が悪くなったときのサインをあらかじめ決めておく。指の角度で体調の良さ、悪さを表すなど。
・授業の合間に、換気・水分補給・健康観察の3セットを行う時間を作る。その際は、マスクを外して表情を見る。
熱中症の主な症状とは?
田中英登さん(横浜国立大学教授・熱中症に詳しい)
・気温と湿度が高い時期に、「頭痛、ふらふらする、吐き気がする、顔が真っ赤になる」などの症状がでたら、熱中症を疑う。
・顔が赤くなったら、体温が相当高くなっている証拠。脳の温度が高くなる可能性があるため、特に危険な状態と思ったほうがいい。
ホゴシャーズの声【2】
「コロナによる休校が続いたことで部活顧問の「遅れを取り戻す!」という熱度が高まっていると思います」
部活を行う際、どんなところに気をつければいい?
田中さん
・日本スポーツ協会の「熱中症予防運動指針」を参考にする。
※詳しくは、下記の「日本スポーツ協会」ホームページをご覧ください。
https://www.japan-sports.or.jp/medicine/heatstroke/tabid922.html
田中さんおすすめ!熱中症対策法
[1] バケツに水をためて、3分くらい手をつける。それだけで体温が下がる。(部活動の際におすすめ!)
[2] 朝食をしっかりとる。脱水や脱塩を防ぐ効果がある。
[3] 家の中で、ときには冷房を切って、適度に汗をかく機会を作り、暑さに強い体をつくる。
・手のひらを冷やす熱中症予防法について、詳しくは、下記のページをご覧ください。
※関連する記事はこちら。
「NHK健康チャンネル 超お手軽な熱中症予防法を大公開!~『金のベンリ堂』」
https://www.nhk.or.jp/kenko/atc_1018.html
・手のひらには、AVAと呼ばれる血管が通っており、そこを冷やすことで“体温低下効果”が得られるという。
・「首・脇の下・そけい部」を冷やすよりも、「手のひら・足の裏・ほほ」を冷やしたときのほうが、体温が低下したという研究結果も。
・冷やすときは、氷や保冷剤などの冷たすぎるものより、15℃ほどの水が最適。
※「手のひらを冷やす」方法は、症状が起きる前の予防法です。もし、すでに熱中症が疑われる症状が出ている場合には、手のひらだけでなく、首・脇の下・脚の付け根を含めた全身を速やかに冷やすことが重要です。呼びかけに応じないなどの緊急時には救急車を呼び、適切な医療処置を受けるようにしてください。
ホゴシャーズからの声【3】
「冷感タオルなどを許可してほしい。スポーツドリンクが禁止なので不安。」
田中さん
・冷感タオルについては、「普通のタオルを水で冷やして拭く」ことで代用できる。
・スポーツドリンクに関しては、通常の学校生活を送る分には必ずしも必要ではない。ただし大量の汗をかいた場合、2時間以上連続して運動した場合などはスポーツドリンクが有効。
ホゴシャーズの声【4】
「真夏に制服で通学することが心配」
八木さん
・制服の下に、綿100%のシャツを着ることで、汗を吸うようになり、熱中症対策になる。
・学校は、制服やポロシャツでの登下校を認めるのがいいのでは。
・PTAを通じて「学校保健委員会」に議題をあげて、校則を変えられないか話し合うのもよい。
ホゴシャーズの声【5】
「マスク着用しながらの授業、登下校などが心配」
そもそもマスクにはどんなリスクが?
田中さん
・マスクをつけることで、マスク内の空気が暖まり、吸い込む空気の温度が上がることで、熱負荷がかかる。
・さらに口腔内の湿度が高まることによって、喉の渇きに気づきにくくなり、脱水症状の危険性が増す。
学校生活におけるマスク着用について、感染症の専門家の小児科医・森内浩幸さんに意見を聞いた。
長崎大学病院 小児科医 森内浩幸さん
まずはマスクがどんな効果をもたらすのかを知ることが一番大事。マスクについては、「2メートルより近い距離で対面で会話する場合、大きな声を出したりたまたま咳やくしゃみをしたりしたときに生じる飛沫による感染を防ぐ」効果がある。
それを踏まえると、登下校、通常の体育、通常の教室でも子どもたちが全員前を向いて着席している場合は不要。ただし通常の授業であっても、低学年のクラスなどで、すぐ隣の子とついついおしゃべりをしてしまう、という状況ならばマスクを着用しておくほうが無難。その地域における流行やクラスの状況に合わせ、校医や養護教諭の先生と相談しながら、決めるのがよい。
END
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●文部科学省が“オンライン学習”を強く要望
長期に及ぶ休校でオンライン学習が注目される中、文部科学省は各教育委員会向けに説明会を開催。
ICT(情報通信機器)活用によるオンライン学習導入を強く求めた。
・使えるものは何でもつかう ―タブレットを配布せずとも、保護者のスマホ等も活用して導入を。
・できることから、できる人から ―全員の環境が整わなくても、できる人からやり始めてほしい。
・既存のルールに捉われず臨機応変に ―各自治体は既存のルールに縛られず迅速な導入を。
・何でも取り組む ―各学校は若手教師の意見なども取り入れてなんでも取り組んでほしい。
・文部科学省が公開している説明会資料
https://www.mext.go.jp/content/20200509-mxt_jogai01-000003278_602.pdf
●そもそも“オンライン学習”とは?
オンライン学習には、インターネットで調べものをする、メール等による指導、動画配信による指導、同時双方向でお互いに顔を見ながらやりとりをするなど、さまざまな形があります。
番組では渋谷区の公立小学校で3年前から行われている先進的なオンライン学習事例を紹介しました。
・チャットやメッセージ機能を通じて先生から毎日連絡事項が伝えられる。質問も自由に送れる!
・学習にインターネット検索やプレゼンテーションソフトを活用し、子どもの能動的な学習習慣を育む!
・問題アプリの自動採点により、先生は採点の手間が省ける。学習状況も一目で把握できる!
・オンライン上の“クラウド”を活用して提出物をみんなで共有!
クラスメイトの提出物も見られる!
●学校再開後のオンライン学習活用法は?
・授業中、画面で一斉に全員の意見を共有できる!
・複数のクラスをつないで同時に授業ができる!
・不登校の子もオンラインで学習に参加できる!
・遠く離れた専門家からも指導を受けられる!
・・・など、オンラインの活用法は広がっていくと考えられています。
★各学校新規導入時のアドバイス(高橋純さん・東京学芸大学准教授)
いきなり導入しようとせず、まずは先生同士でオンライン学習を体験しよう。
若手からベテランまで、みんなが環境の整え方を把握すれば、導入もスムーズにできるはず。
どうしても環境が整わない場合は、タブレットやパソコンの貸し出し、空き教室の利用、地域のパソコンルームの利用など、臨機応変に参加できる方法を検討しよう。
●“動画”もオンライン学習の一つ!
番組ではネット動画を見ながら折り紙やピアノに挑戦する小学生を紹介した。
一時停止したりくり返し見たりすることができる動画は、有効な学習ツールだ。
NHKも「」で学びに役立つたくさんの動画を配信中です!
投稿者:制作スタッフ | 投稿時間:21:30 | 固定リンク
今回のテーマは「外国ルーツの子ども」。
日本に住む外国人は282万人。この30年間で2.6倍も増加。
いま学校にも、外国ルーツの子どもが増えている。
外国ルーツの子どもが増えることで「多様な文化に触れ合える」といった声もある一方で、番組には学校の先生や保護者からは様々なモヤモヤが寄せられた。
そこで!ウワサの保護者会では、学校の先生、外国ルーツの子どもの保護者、日本人の保護者に加えて、フィリピンにルーツを持つタレント秋元才加さん、専門家の山脇啓造さん(明治大学教授)をお呼びして、これからの学校のあり方をホンネで考えていく!
■秋元才加さん(フィリピン生まれ。母親がフィリピン人)
子どもの頃、母が学校から配布される書類が読めず、難しい話は先生や友達に聞いて、自分で対応していた。
番組では全国の先生300人にアンケートを実施。
外国ルーツの子どもが増えたと感じている先生は64%。増えたと感じた人の中で、悩みを感じた先生は66%。
◇外国ルーツの子どもと向き合う先生の思い◇
・大分県の由布院小学校。2019年の夏。ネパール人の男の子(小2)が転校してきた。
・初めて受け持つ外国ルーツの子ども。担任の先生は『言葉の壁』『文化の壁』『保護者とのやりとり』で戸惑うことも。
・例えば、体育の授業でケガをしたときも、言葉が通じず原因が分からない。日本独特の掃除や給食のルールを1から教える。さらに、日本語の文字が苦手な保護者に、学校行事のお知らせ内容を電話で伝えることも。
◇外国ルーツの子ども みんなの本音◇
<先生たちの本音>
■いざわさん(元中学校教師)
・外国ルーツの子どもの保護者に、運動会の持ち物について電話で連絡。ちゃんと伝わっているか不安だった経験がる。
・不登校ぎみなブラジルルーツの子どもを担当したときは、性格が明るく、いつも笑顔で「大丈夫!」と言うため、何が原因かわからず戸惑った経験も…。
<外国ルーツの子どもの保護者たちの本音>
■パームさん(インドネシア人の夫と結婚しイスラム教徒に改宗)
イスラム教徒は、女性の肌の露出が好まれない。そのため、校長先生に「娘がプールの時、水着ではなくラッシュガードを着たい」と交渉したがNGだった。しかし、校長先生が代わって再び相談をすると、あっさりOK。校長先生によって対応が違うことに困惑。
■ナディさん(両親共にイラン人でイスラム教徒 6歳の時に来日)
イスラム教徒は、宗教上の理由で豚肉が食べられない。給食で豚肉を食べないようにしていたら、みかんと牛乳だけの日もあった。空腹を満たすため、家に帰ってから食事をすることも・・・。
■ホオズキさん(中国出身で日本人の夫と結婚)
PTAの仕事が大変!うちの学校はポイント制(PTAの仕事をするとポイントがたまる制度)。日本語が心配だったので、ポイントが大きい執行委員などを引き受けることができず、とにかくポイントをためるのが大変。
日本人の保護者からは「授業のペースを外国ルーツの子どもに合わせるため、学力低下がないか心配」という声も。
<尾木ママの意見>
「子どもも親も学校の先生も大変になっている大きな要素は、学校の『一斉主義』。一人一人の子どもに合わせるというのが本来の教育の姿」
◇外国ルーツの子どもの受け入れ制度を整えた学校◇
・横浜市にある南吉田小学校。全校児童およそ730人のうち、半数が外国ルーツ。現在19の国と地域の子どもが通っている。
・日本語が得意ではない子どもに簡単な言葉で授業を教える「国際教室」が各学年にあり、来日して間もない子どもたちに基礎的な日本語を教える「初期指導教室」も設置、それぞれに専任の先生がついている。そのため、担任の先生は通常のクラス運営に専念できる。
・授業中に外国ルーツの子どもに同時通訳をするボランティアもいる。そのおかげで、外国ルーツの子どもも、日本人の子どもも、同じペースで学ぶことができる。
・外国ルーツの子どもの保護者対応のために、職員室には外国語でプリントを制作したり、電話対応をするスタッフが2名常駐。日本語が苦手な保護者も安心。
・このような体制を整えるために、横浜市が市内にある公立学校にかけるお金は、年間およそ1億5千万円。「将来的に日本を支える人材になる」として予算を組んでいる。
・現在 南吉田小学校では、子どもたちが異文化に興味を持つようになり、保護者からは「公立のインターナショナルスクールのよう」と評判も上々だ。
◇外国ルーツの子どもと共に暮らしていくためには◇
■山脇さん(明治大学教授)
南吉田小学校のエリアは2010年代から外国ルーツの子どもが増え、保護者から不安の声があがった。
そこで、どんな体制が学校に必要なのか?校内にプロジェクトチームを作り考えていった。
これまで外国人の問題は自治体任せだったが、2019年に「日本語教育推進法」ができたため、国から自治体への支援が増えていくと思われる。
<はじまりだした外国ルーツの子どもへの支援>
■かすたねっと(文部科学省)
国は、各都道府県・市町村教育委員会等で公開されている、世界各国の言語に翻訳された教材や、保護者向けのプリントのひな形など、様々な資料を検索、利用することができるサイトを開設している。
<共にくらしていくためには>
■秋元才加さん
今年はオリパラもあって、日本的にも多様化、外国ルーツに対する意識も高まっている時期。ここからスタートにして、日本で多様化が進んでいくといいと思う。
■ももさん
外国ルーツのお子さん保護者のことも、日本人の子ども保護者のことも、平等に考えて、みんなが納得できる学校になったらなって思います。
■ナディさん
異文化ルーツの人たちは、もっとこうしたら学校が良くなるかもしれないっていう目線を持っていることもあるので、一緒にもっと日本の学校を良くしていける仲間だって思ってもらえると嬉しい。私も頑張っていきたい。
<尾木ママの意見>
子どもたちは、すでに外国ルーツの子どもたちと一緒に生活をしている。
大人がもっと子どもたちを応援してあげられるように、異文化を共有していける社会、学校をつくっていくことが大事。
あなたの身近にも異なる文化を持つ人たちが。
まずは、お互いを知ることから始めてみませんか?
END
*番組へのご意見ご感想をお待ちしております。
投稿者:制作スタッフ | 投稿時間:21:25 | 固定リンク
今回のテーマは「先生の働き方」。
街で子どもたちに聞いてみると・・・
「いつも汗をかいている!朝4時に起きるって言っていた!」
「大きな行事のときがすごく忙しそう!」
「夜10時半までやっていたって!」
どうしてそんなに忙しいのか?
父親が現役の先生というブルゾンちえみさんと、教育社会学者の内田良さんといっしょにとことん考えます。
<尾木ママの考え>
先生の働き方の問題は、学校の先生の問題だけでない。教育の質に大きくかかわっている。
◇先生の一日に密着!◇
大阪市の公立中学校で働く吉田正成先生の一日に密着した。
朝7時15分、生徒が登校する1時間前に仕事開始。ひととおり事務作業を済ませると、学校に行きづらいという生徒の家に向かった。
朝8時45分1時間目開始。美術が専門の先生、授業は1日平均3コマほど。ほかの教科と比べると少ないが、授業の前後にやらなければならない作業が多いという。
さらに、職員室に戻ると事務作業が…。
先生たちには、生徒指導や安全管理など学校を運営するための仕事も割り振られているのだ。
さらに、帰りの会を終えた4時からが一段と忙しくなる時間。部活、生徒会、事務作業と仕事を終え、終わったのは6時。
家に帰っても一部作業をする吉田さん。
「教師という仕事は、生徒のことを考えたら結局やってしまう職業」と思っている。
<専門家・内田良さんの考え>
吉田先生の一日は標準的な一日。小学校・中学校で在校時間だけで11時間から11時間半というのが文部科学省の調査のなかでも明らかになっている。
<尾木ママの考え>
全体として教師に対する管理が強まっている。アンケート調査や報告業務など事務作業が増えている。
一方、大切な保護者対応にかける時間や、職能開発にかける時間は国際比較調査をみても少ない。
◇働き方に大きな影響を与える教育を取り巻く環境の変化◇
さらに、先生の働き方に大きな影響を与えているのが、学校を取り巻く環境の変化だ…。
<尾木ママの考え>
この10年から15年で外国籍の子や、発達障害といわれる子、不登校の子が増えてきた。
さらに、いじめの認知件数も増加し、減っているところは何もないように感じている。
◇環境の変化に対応していくための課題◇
神奈川県横浜市では環境の変化に対応するため、ある取り組みを行っている。670人の子どもが通う日枝(ひえ)小学校。この学校で外国籍や外国にルーツをもつ子どもたちは全体の2割。中国やフィリピン、ロシアに韓国など12か国に及ぶ。教員歴33年の齊藤光世さんは、「児童支援専任教諭」という仕事を担当している。児童支援専任教諭は、不登校やいじめ、言葉の壁によるトラブルなどあらゆる困りごとを支えている。
学校に来ていない子の家庭に出向いたり、元気のない子のケアにあたったり…。
齊藤さんは、「どの家庭にどこまでケアしていくのかが難しい」と語る。
校長の話「社会でいま抱えている問題を、学校がすでに抱え込んでしまっているような状況。福祉的なことや、医療的なことも含めて、全部担ってしまっている状況。そういうところに対して、人的なものや、予算配当などが、まだまだ不十分だと感じる」
児童支援専任教諭は、事例を報告する検討会を行ったり、警察・児童相談所・地域の方と連携して問題の解決に当たったり、さまざまな取り組みを行っている。
<保護者とゲストのブルゾンちえみさんの意見>
・保護者としても児童支援専任教諭のような先生がいると、相談しやすいし、話しやすいと感じた。
・児童支援専任教諭のような先生がいると、先生の負担も変わってくるから、必要と感じた。
一方、こうした先生に来てもらうためには予算的なものが必要かも…。
<尾木ママの考え>
・やはりさまざまな仕組みを行うためにも予算は絶対的に必要。日本はOECDの加盟国のなかでGDPに占める教育予算の割合が最下位。これは大きな問題!
◇動き始めた働き方改革◇
・今年1月の文部科学省の中央教育審議会でも議題になった教員の働き方改革。
1月の残業時間の上限目安45時間、変形労働時間制の実施などとならんで取り上げられたのが、地域・保護者との連携をうながすこと。登下校の対応や夜間の見回り、お金の徴収などはボランティアや保護者、教育委員会など学校以外が担うべきとの考えだ。
<ホゴシャーズの意見>
・PTAのなり手もいないなかボランティアでいるのかなと不安に感じる
◇愛知県・北名古屋市の取り組み◇
愛知県の北名古屋市では、自治体が予算を組み、ボランティアを手配するコーディネーターを有償で雇い、学校に配置。コーディネーターは先生たちが必要とする仕事に、適した人を探し出す。コーディネーターが責任をもって適した人を連れてくる仕組みができあがっている。
<尾木ママの考え>
教育は未来への投資。子どもたちの幸せ、親の幸せに加え 国家の命運もかかっている。
ここには予算が絶対的に必要。国民的な世論にしていくことが大切だと考えている。
END
*番組へのご意見ご感想をお待ちしております。
投稿者:制作スタッフ | 投稿時間:21:25 | 固定リンク