どう伸ばす?コミュニケーション能力 <番組内容>
テーマは、「どう伸ばす? コミュニケーション能力」。
価値観や考え方の違う人との関わり合いが求められる現在、「コミュニケーション能力」の必要性が高まっている。
スタジオには「子どものコミュニケーション能力が心配」というホゴシャーズが。

<シャイ過ぎる? 大人と話せない子どもたち>
病院で先生に症状を聞かれたが黙り込んでしまったハナミズキさんの息子・ミズキくん(小5)。
イタチさんの娘・ミウちゃん(中2)は、部活に禁止されているスマホを持ってきた理由を先生に何度も聞かれたが、答えられなかった。

どちらのケースも、親が子どもの代わりに答えたというが、やはり子どもたちのコミュニケーション能力は落ちているのか…?
<親が分かってあげ過ぎ?>
演劇を通じてコミュニケーション教育に取り組む、劇作家・演出家の平田オリザさんに聞いた。
「子どものコミュニケーション能力は下がっていないが、コミュニケーションの機会が減っている」
「単語でしゃべるだけでも親が子どもの言いたいことを分かってあげてしまうため、文章で話す力が身につかない子が出てきている」

子どもたちでなく、親の関わり方や環境の変化に原因があると平田さんは言う。
子どもたち本人にも話を聞いてみた。
病院で黙り込んでしまったミズキくんは・・・、
「自分が聞かれているとは思わなかった」。
大人に自分の意見を言うのが苦手なミウちゃんは・・・、
「お母さんに言い返されるので、意見を言うのをあきらめた」。

これを受け、イタチさん
イタチ「私も聞いてるつもりではいたけど、つい、それは○○なんじゃない?と言ってしまうので、押しつけられてると思ってたのかな」
<「自己主張」と「空気を読め」の矛盾を自覚しよう>
いよかんさんの息子・リクトくん(小3)は、大の魚好きだが、話し始めると止まらなくなり、友だちに引かれてしまうことも。
いよかんさんは、リクトくんにもっと空気を読んで、うまく会話できるようになってほしいというが…。

リクトくんに聞くと・・・、
『どこまで空気を読めばいいか、正直分からない』。

子どもにもっと「自己主張」してほしいハナミズキさんとイタチさん。
一方、「空気を読む」ことを要求するいよかんさん。
親によって子どもに求めるコミュニケーション能力が違うようだが…。
平田オリザさんは、
親が『自己主張』と『空気を読む』ことの矛盾を自覚していないことが子どもを混乱させていると指摘する。
親はその矛盾をまず自覚し『切り替えられる』能力を子どもに身につけさせることが大事だという。

ハナミズキ
「これまで空気を読みなさいと育ててきたのに、急に自己主張しなさいと言われれば、息子も混乱したはずだ」

<家庭でコミュニケーション能力をどう育む?>
ネクタリンさんの娘・ラナちゃん(小6)は、
小さい頃から自分の気持ちを表現するのが苦手だったというが、
ある取り組みを続けたことで、変わることができた。
学校から帰ってきたラナちゃんをキッチンに呼び寄せたネクタリンさん。
ありふれた親子の会話のようだが、ひとつ大事なルールがある。
それは「大人は聞き役に徹し、子どもの意見に決して反論しない」こと。
名付けて、「バーBBA(ババァ)」。
何を言っても反論されないという時間を設けることで、
ラナちゃんは、自分の気持ちを言葉にできるようになった。

<親が聞いてあげたら「聞ける子」にも>
「バーBBA」を続けることで、ラナちゃんには「話す」能力だけでなく、相手の話を「聞く」能力も身についたそうだ。
尾木ママも、
「お母さんの聞く姿勢を子どもが見て学んだ。コミュニケーション能力の幅が、ぐーっと広がっている」と評価した。
<分かり合えないことからはじめよう>
最後に平田オリザさんからアドバイス。
「人はそもそも分かり合えないもの。
でも、少しずつ分かり合えるようにするものと考えると楽になる。
『伝わらない状態』と『少しでも伝わった喜び』がセットとなりコミュニケーション能力は育っていく」

尾木ママ
「自分に自信が持てれば、コミュニケーションはできるようになる。
落ち込んだり責めるよりも、通じなくて当たり前だというところから入った方がいい」

コミュニケーション能力は、失敗や成功を積み重ねながらゆっくり育つ!
END
投稿者:制作スタッフ | 投稿時間:21:54 | カテゴリ:番組内容 | 固定リンク
好き?嫌い?図工の時間 <番組内容>
今回のテーマは「好き?嫌い?図工の時間」!!
みなさん、「図工なんて息抜きの時間」「うちの子は才能ないから関係ない」なんて思っていませんか?

世界の産業をリードするアメリカが10年ほど前から重視している教育政策 「STEAM」。
Science科学、Technich技術、Engineering工学、Math数学など産業を支える重要な分野に並んで、なんとArt「アート」があげられている!
時代を切り拓く独創的なアイデアや人々の心をつかむ商品開発には、アートを通じて感性や創造性を育むことが欠かせないと考えられているのだ。
<尾木ママの見解>
・日本の図工は世界的に進んでいる。工業高校の作図や、工業デザインなど、図工は産業や工業ときっても切り離せない分野!

◇どうして図工が苦手になるの?◇
でも、図工が大好きという人がいる反面、図工が苦手だと感じている人も多い。
図工が苦手になる理由で多いのが、「みんなと比べて絵が下手だと感じたから」

<専門家の情報>
◇ 子どもの作品に対して、親はどんな関わり方ができるのか?◇
子どもの作品に対して、親はどんな関わり方ができるのか?
椙山女学園大学の磯部錦司教授によると、子どもの絵を見るときに大切な視点があるという。
それは、「子どもの絵と、大人の絵は違う文化であるということ」。

子どもの絵は、経験したこと、感じたこと、喜びも含めて表したいことを描いている。
それは、「見えたものを見えたまま描く」写実性とはまた違う魅力があるという。
子どもの絵に向かうとき、磯部教授が大事にしているのが「お話を聞かせて」という言葉。
子どもの絵は、結果としての作品以上に、その「制作過程」の中に伝えたい大部分が込められているという。

<尾木ママの見解>
物語が潜んでいるんだと思うと、子どもから聞き出すのはとっても楽しい!
ありのままの子どもの話を受け止めてみて!
一方、いま学校での図工の授業はどうなっているのか?
現役で図工を教える教師や研究者たちに話を聞いた。

今と昔で図工の授業は違うの?という問いに対しては
「年間70時間あったのが50時間になったことと、「造形遊び」が理解されるようになって見方が変わってきた部分があるのでは?」と回答。
現代アートの広がりを反映して、多様な活動があるという。

さらに、通知表については「決して絵の上手い下手だけでつけているのではない。大事なのはプロセス」という。

<ホゴシャーズの意見>
・絵の結果だけでなく、過程を重視していることが分かった
・先生たちも悩みながらがんばっている印象を受けた などの声が
<尾木ママの見解>
図工の成績をつけるのは大変。知り合いの教師は全員を伸ばしたのに、
「成績を振り分けるのが難しい」と辞めてしまった・・・
◇創造性や感性を伸ばしていくのか?懸命に取り組んでいる先生を取材すると…◇
東京都目黒区にある五本木小学校。この学校で図工を教える鈴木陽子先生。
鈴木先生が大切にしているのが、授業の前の準備だ。
「図工は材料や用具を扱う教科で、これで子どもたちは考えるので、用意周到が大事だと思っている」

多様な作品を生み出す子どもたち。しかし中には、考えたままたたずんでしまう子も。
そんなときは「まず見守る」という。実は図工はそういう時間がとても大切で、それぞれの子どもの中にある答えを待っている時間を大事にし、「何か絶対ことを起こしてくれる」と信じて見守っているのだそう。

鈴木先生は、「図工は最初から答えのない問いを探求していく教科。人間が手を動かして、身体を動かして考えていくんだってことを大事にしている」という。

<ホゴシャーズの意見>
・こういう授業なら、それぞれの個性を尊重してやっていけそう
・何もしない時間を見守ってくれるのがいい
<尾木ママの意見>
・実はこうした生徒に対する授業観は、国語や数学などにも通じる普遍的な実践
・今後AIが活躍する時代に、人間の創造性や完成は重要になる。図工はそうした力を育てるのにとても役立つ。
END
投稿者:制作スタッフ | 投稿時間:21:54 | カテゴリ:番組内容 | 固定リンク