気になる!子どもの言葉づかい<番組内容>
「ワンチャン!」「それな!」「死ね!」・・・
お子さんは、こんな言葉を使っていませんか?
今回、番組で行ったアンケートには、
「このまま大人になっても使い続けたらどうしよう?」
と、子どもの将来を心配する声が多く寄せられた。
子どもの言葉づかいが気になった時、親はどうしたらいいの?
ゲストは、“若者言葉はよく使う”という岡田結実さん。
子どものホンネに耳を傾けながら考えていく。
【うめさんのお悩み】
子どもが話す言葉の意味が分からない・・・
言葉づかいに厳しい両親のもとで育ってきたという、ホゴシャーズのうめさん。
今、中学2年生の長女あやめさんの言葉づかいが気になっている。
それは、自分には意味が解らない、「ワンチャン!」「それな」などの若者言葉。
例えば、車に乗って、家族で食事に出かけた時のこと。
うめさんがよく行くラーメン屋をうっかり通り過ぎてしまったとき、あやめさんが「ワンチャンあるね!」と言った。
その時、うめさんは、そのラーメン屋に戻った方がいいのか、次の店を探すのか悩んでしまったという。
「当然分かるだろう」と思って当たり前に話してくるあやめさん。
あやめさんが社会人になったとき、TPOをわきまえず、今のような言葉づかいをしてしまったらどうしよう…と、
うめさんは心配している。
こんな“若者言葉”、みなさん知ってますか?
ちんぷんかんぷんな様子の尾木ママとうめさんに、岡田さんは大笑い!
答えは・・・・?
「草」→「笑い(WARAI)」
「ワンチャン」→「ワン(一度の)チャンス」
「エモい」→エモーショナル(心が揺さぶられるような)感じ
「はにゃ?」→あれ?
子ども達は「若者言葉」をどんな気持ちで使っているのか?ホンネを聞いた
集まってくれたのは、うめさんの長女あやめさんと、10代の3人。
よく使う言葉を教えてもらったところ、ポイントが見えてきた。
[1] とにかく短い言葉 「うぇ」「ヤバい」「それな」
◆そういちろうさん「短く済ませられるのがいい」
◆とわさん「自分が驚きを言葉で表そうとしたら、とっさに出てくる」
[2] 友だちとつながれる言葉
◆あやめさん「柔らかいニュアンスで、共感の気持ちを表すことができる」
◆あんなさん「『尊い』という言葉を使うと、みんなと共感しあえる」
<専門家 柏野和佳子さんのアドバイス>
いわゆる“若者言葉”は、仲間内ではちゃんと伝わっているので、使ってはいけないというわけではない。
ただ、子ども達はまだ、丁寧な言葉づかいに慣れていない。
大事なのは、自分の言葉が相手に伝わるかどうか。
アルバイトや就職活動をするようになり、多くの大人と話す機会を得て、「こういう場合は、自分の言葉が伝わらないんだ」という経験を積み重ねていくと誤解がないように話をしないといけないということを自然と学んでいく。
続いては・・・
『ヒトデさんのお悩み』
子どもが「死ね」という言葉を使っている
中1の長男が、ゲームをしながら「死ね!」という言葉を何度も使うことを心配している。
「そんな言葉づかいをするならゲームをしてはいけない」と取り上げる事もあったが、長男の反省には繋がらず、いくら注意をしても直らない。
最近は、ゲーム中だけでなく、日常でも家族に向かっても言うようになってしまった。
いつか、長男に「死ね」と言われた誰かが、本当に死を選ぶような事態になったらどうしようと、ヒトデさんは悩んでいる。
子どもはなぜ「死ね」と言う言葉を使うの?ホンネを聞いた
◆あんなさん「クラスではみんなふざけて使っている。重く考えずにパッと言ってしまうんじゃないか」
◆あやめさん「イラ立ち。その場の感情を表す端的な言葉。本当に死んでほしいとは思っていない」
子どもが言ってほしくない言葉を使った時、親はどうしたらいいのか?
<子どもの発達心理に詳しい渡辺弥生さんのアドバイス>
「「死ね」と言ったら、ただ、それは使ってはいけない言葉だと伝えるだけではなく、自分が「死ね」と言ったことで、言われた相手が「死んだ方がいいのかもしれない」と感じて、本当に死んでしまったらどうする?」と、子どもたちが具体的に想像できるような表現で、繰り返し思いを伝えることが大事。
<柏野さんアドバイス>
子どもは、言葉を言われた側の気持ちを、想像することがまだ難しいときがある。
親が、もし子どもから「死ね」と言われたら、素直に気持ちを表して悲しい顔をする。子どもが自分のイラ立ちを相手に伝えるために「死ね」という言葉を選んだのであれば、「死ね」という言葉では相手に気持ちは伝わらず、誤解を生んでしまうリスクがあることを繰り返し伝えていかなければいけない。親は、諦めてはいけない。
<岡田さん感想>
親がずっと向きあってくれた経験というのは絶対に忘れないので、ヒトデさんのその言いつづけてきた努力というのは私はいつか報われると思う。
親が自分に向きあってくれた思い出がすごく大切かなと思う。
自分たちの言葉は相手に正しく伝わっている?
座談会に参加した4人の子どもたちは、国立国語研究所の柏野さんを訪ねた。
そこで、柏野さんからある問題が出された。
「このマンガ マジヤバい!」このヤバいってどういう意味?
この問題に、全員が「面白い」という意味だと答えた。
しかし、辞書で調べてみると・・・・・いい意味では書かれていなかった。
当然良い意味も載っていると思っていた子どもたちだったが、今回、良い意味をはっきりと載せていたのは5種類の国語辞典中、1冊だけ。
子ども達は、「ヤバイ」という言葉は、人によって悪い意味でも良い意味でも受け取られる可能性のある、誤解が生まれやすい言葉であることを知った。
柏野さんはもうひとつ誤解が生まれやすい言葉を教えてくれた。
それは「ふつう」
子どもの「普通に美味しかったよ」は、褒め言葉で使われることが多いが、親の世代の多くは、平均以下と捉え、「まずかったの?」と思ってしまうというのだ。
このように、いい意味で使った言葉が、受け手にとっては悪い意味で捉えられてしまう言葉はこれからも増えるかもしれないということを、子ども達は学んだ。
<尾木ママの感想>
若者言葉も含めて、大人ももっと言葉を知ることが大事
<柏野さんの感想>
言葉が相手にどう伝わるかということは、親子で一緒に考えていくことが大切
<岡田さんの感想>
子どもの世界って広いようで狭い。
価値観をもらうという意味で親や先生と考えると、視野が広がるんじゃないか
<END>
投稿者:制作スタッフ | 投稿時間:21:30