2021年08月21日 (土)

知ってる?性の多様性 ~中学生のホンネ~ <番組内容>

最近、「LGBT」「ジェンダー」「性の多様性」などという言葉をよく耳にするようになり、中学生の教科書にも、保健体育、美術や国語など、いろんな教科にわたって記述が増えている。

そこで、当の中学生はどう感じているのか、中学生とホンネに耳を傾け、子どもとどう向き合えばいいか、考える。
ゲストは、りゅうちぇるさんと、トランスジェンダーであることを公表しているファッションモデルのイシヅカユウさん。




集まってくれた中学生は5人。
「性の多様性」というテーマに強い関心がある子や、これまであまり身近には感じたことがないという子など様々。

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今回、この5人に見てもらったのは、NHKで今年放送した、海外ドラマ。
『ファースト・デイ わたしはハナ!』
https://www.nhk.jp/p/fdhannah/ts/GQXVKKP4QV/

主人公は、心と体の性別が一致しないハナ。
小学校では、トーマスと言う名前で、男子児童として学校に通い、いじめにあっていた。

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中学からは念願かなって、スカートをはき、ハナという名の女子生徒として通えることに。
トランスジェンダーであることは周りに打ち明けずに学校生活を送る。
そんなとき、小学校の頃のいじめっ子が転校してきて、ハナは、トランスジェンダーであることを広められるのではないか…と
不安な気持ちでいっぱいになる。

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<このドラマを見た中学生の感想は・・・>

自分が気づいてないだけで軽く接している人がもしかしたらトランスジェンダーかもしれない

もし自分がハナの立場だったら、どうするか。
トランスジェンダーであることを周りに打ち明けてそれがいじめに発展したら…。
周りに合わせないといけないと思うし、ひとりぼっちになるのは嫌だから、言いたくはない。学校ってやっぱり大変だなと思う。

学校には「あなたは普通の人とは違う、だからいじめるわ」という人ってどうしてもいると思う。だから、そんな状況を見て周りに打ち明けるのか、打ち明けないのか判断するのも大事なのでは。

周りがみんな優しくて、分かってくれるような状況だったら打ち明けてもいいけど、そうじゃなかったら言わないかな

など、様々なホンネが飛び出した。

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りゅうちぇるさんの意見
学校は『小さな社会』。
 でも、通っている人からすれば、そこが『人生のすべて』。
僕も学生時代、「男なのに化粧して」とか「女の子とよく話すね」とかいろいろ言われた。
その人の中身を見るのではなく、
 「人と違うから、きっと仲良くなれないだろう」
 「全然違う生き物だ」と思ってしまう子も僕の周りにもいた。


イシヅカユウさんの意見
中学のとき、いじめられた経験があって高校では、なかなか周りに打ち明けられなかった。
 友だちが誰もいなくなってしまうんじゃないかという怖さがあった。
友達に嘘をついているわけではないが自分の体のことを言えないから、プールや学校の行事に「ちょっと行けないんだ」と、別のことで言い訳を言うのがすごく辛かった。


尾木ママの意見
小学校高学年から中学生ぐらいになると、性のことで100人が中100人悩みを持つ
自分は人と違うんじゃないかと悩み、親にも先生にも言えず、1人で抱え込む子もいる
周りに不安を持っている子がいるのかも、と想像する力が必要

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<次に話題は、制服について>

最近、女子生徒が、スカートではなくスラックスを選ぶことができる学校も増え、リボンやネクタイも選べる学校もあるが、生徒からすると、周りの目を気にしてそれでもなかなか選べないという現実もある。

周りの目が気になって、着たい制服を着ることができないという子は、どうすればいいのかを考えた。


りゅうちぇるさんの意見
制服は毎日着るものだし、自分の好きな自信のある姿で大好きな友だちに会いたいし、勉強に取り組むモチベーションも変わる。
でも、「スラックスをはきたいからスラックスはこう」と、無理に決断することはない。
 もし、周りの目が怖いなら、挑戦しなくてもいいと思う。
学校の周りの人を見て「やっぱりやめておこう」と思えば、無理する必要はない。
もしくは、自分を出せる場所だけで(例えば大好きな友達が多い、放課後のサークルなど)スラックスはいてみよう、ということでもいいかもしれない
自分の心に素直に生きるのが絶対いい。


イシヅカユウさんの意見
自分も中学のときに、「学ラン」を着ることが嫌で学校に行けなくなってしまった
りゅうちぇるさんの言うように、「どこで自分を出すか」というのは、自分で決めていいと思う
学校や社会は、もっと自分を出しやすい場所になるべきだなとも思う

 



<次に話題は、「トランスジェンダー」「Xジェンダー」という ことばについて>

番組には、自分の性の在り方について、
「トランスジェンダー」「Xジェンダー」「女と男の間」という言葉を使っているが、“しっくりこない”気持ちがあるいう悩みなども寄せられた。


イシヅカユウさんの意見
私も「トランスジェンダー女性」ということばで便宜上説明しているが、自分がそのことばに当てはまっているのかは全然分からない。
そもそも言葉は、すごく流動的なもので「何かに当てはめなくちゃいけない」とかそういうこと自体、あまり意味がないのではないか。


りゅうちぇるさんの意見
「女と男の間」という表現については、人の説明するときに分かりやすいという点でやむを得ず「間」と言っているかもしれない。
男でも女でもなく、「私は私」でいいのではないか。
僕は、表現できないとき「『キャンディボーイ』」と表現する。
 これは、僕が作った僕だけの性別で『かわいいものが大好きな男の子』という意味。


尾木ママの意見
自分で自分を決めていい。
 100人いたら、100通りの性がある。
「当事者」とか「第三者」という区別で見るのではなくみんなが「多様性の中のひとり」。グラデーションのどこかに位置している。




<次の話題は、家族や先生について>

ドラマの中で、ハナに寄り添う母親や兄、
そして、ハナを常に見守ってくれる担任の先生について、
中学生の感想は・・・


ハナがスカートの制服を着て初めて学校に通う日、ハナの不安な気持ちを察して、お兄ちゃんが「あ、かわいいじゃん」と、さりげなく言葉をかけたのが、スマートで印象に残った。
クラスのみんなで映画を観ているときに、後ろからハサミでハナの髪の毛を切ろうとしていたいじめっ子に気付いた先生は、「やめなさい!何やってるの!」としかりつけるのではなく、「ポップコーンはいかが?」と目立たない声掛けをして、嫌がらせをやめさせた。
先生によっては、いじめられた子を守ろうとして、いじめた側を叱責することがある。
でも、それでは、いじめられた子が注目を浴びて目立ってしまうので、かわいそうだなと思うことがある。


最後に5人の中学生は、自分の悩みをおとなに相談できるか話し合った。

親も自分に悩みを相談してくれるので、自分も親に悩みを自然と話しやすい。
 悩みを話しておくと、いざというときに、すぐに親が味方になってくれるから、そこがいい。

こんな意見も出たが、残りの4人は「親には相談できない」「毎日会う関係だと逆に言いづらい」という。

しかし、学校で「何かあったら来てください」という特別な部屋が保健室と別にあって、そこは気軽に行きやすい。
悩みを言いやすい場所が学校にあるのはいいなと思う、というホンネも飛び出した。


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ここからは、中学生の保護者2名も参加。
「親には相談したくない」って言われたことについて・・・


の意見
やっぱり相談してくれていなかったんだなっていうのがちょっと寂しかった。
子供にあまり近づき過ぎちゃいけないとは思うがどうしても近づいていろんな話を聞きたくなるし、ほどよい距離感が難しい。


イシヅカユウさんの意見
うちの母は、自分との距離感について考えてくれていたのか、悩んでいる私に、性に関する本を「読みなさい」と言ってくるわけではないけど、読める所にそっと置いておいてくれた。


りゅうちぇるさんの意見
親への秘密っていっぱいあるものだと思う。
 そういうことも経験して、大人になっていくので、そのために親ができることは「あなたは素晴らしいんだよ」と伝える。
ちゃんと愛を伝えて
 「自分は親から無条件に愛されている」と子どもが思えるような声かけをしてほしい


尾木ママの意見
学校の先生や親、周りの大人など社会全体がステップアップしていくことが今 求められている



番組内容は以上です。

番組では「性の多様性」について、これからも考えていきます。
ホームページにご意見、ご感想をぜひお寄せください。

 

 

投稿者:制作スタッフ | 投稿時間:21:30


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