2021年06月12日 (土)

変わる!?これからの学校<番組内容>

今回のテーマは“これからの学校“
働き方も価値観も多様化した現代に求められているのは、自ら課題を見つけ、考え、判断する力
そうした力を伸ばすカギとして注目されているのが、探究型の学びだ。

探究型の学びって実際どんな感じなの?
学力は大丈夫?大人はどんな接し方をすればいいの?

ゲストは、小学1年生のお子さんがいる浜島直子さん

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教科の枠に縛られず好きなことを探究する中学校

新渡戸文化中学校(東京・中野区)
・毎週水曜日は国語や数学など個別の授業は一切行わず、生徒は教科の枠を越えて好きなことを探究する。

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水生昆虫について調べたあやのすけさん
・前足を動かす姿から名づけられた「太鼓打(タイコウチ)」のように、虫の名前の由来をきっかけに漢字の成り立ちにも興味がわくようになった。


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生き物の特性を応用したものづくりについて調べたりょうさん
・小学生の頃は、暗記ばっかりの勉強に苦手意識があったが、好きなことについて、「探す・調べる・行動する」の繰り返す中で、学ぶことへの意欲が高まってきた。



なぜ「好き」なことからテーマを選ぶのか?

この取り組みをはじめた山本崇雄先生は、
「好きなことと向き合うことは、他のさまざまな学びにもつながる」と、一枚の風呂敷をテーブルに広げた。
真ん中をつまんでゆっくりと引き上げると、周りの布も一緒に引き上げられていく。

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『風呂敷理論』と呼んでいます。何か好きなことを探求すると、実は、他の好きなことや一見関係ないような力も、この風呂敷のように一緒に引き上げられていくんです。だから、教師は、その生徒の『好き』が何に関わっているのかをよく観察して、いろんな提案をしてあげることが大事」


教育学が専門の苫野一徳さんは、「こうした「探究」を中心とした学びが、子どもたちの意欲を伸ばす」と語る。

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・学校は本来子どもたちにとって世界一楽しい場所であるべき。
自分なりの問いを立て、自分なりの方法で、自分なりの答えにたどり着く「探究」が、学びの楽しさや意味を教えてくれる。



動物の飼育から算数を学ぶ・・・!?さまざまな探究型の学び

全国には、公立でも独自の探究型の学びに取り組む学校がある。

伊那市立伊那小学校(長野県)
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・40年以上前から、動物の飼育や米作りなどのテーマを探究する中で、教科の知識を身につける独自の授業を行う
・子どもたちが心置きなく探究できるよう、学校には、チャイムも時間割も通知表もない
・例えば羊の飼育をするクラスでは、0.01kg単位のはかりを用意し、餌の重さを量ることで小数の計算を学ぶ


また、日常的に違う学年の子どもたちが一緒になって学ぶ「異年齢学級」を導入した学校も。
福山市立常石小学校(広島県)
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異年齢学級について、苫野さんは・・・
同じ年生まれの人たちだけからなるコミュニティは、社会の中で学校のクラスしかない
・同質的な集団で暮らしていると、理解出来ない子だけが取り残されたり、異質なものが排除されやすかったり、息苦しいコミュニティになってしまう傾向がある
自分に合った方法・ペースで進める学習だと、年下の子と年上の子によるダイナミックな学び合いが可能に



探究は大事だけれど・・・学力は大丈夫?

自ら課題を見つけ、考え、判断する力を育む探究型の学びだが、気になるのは学力や受験
本当に大丈夫なのだろうか?

苫野さんの見解〉
・探究型の学びをすると、なぜ自分が勉強をするのか、勉強する意義がわかるので意欲が上がる
・探究型の学びに取り組む学校は世界中にたくさんあるが、学力向上にもつながるという成果や研究もある
・今後、大学入試も、より思考力・判断力・表現力を問うものに変わっていく
・経済的に恵まれた家庭のほうが、探求的な学びや経験をさせてもらえるので、経済力の違いによって、“体験格差”が拡大しないようにしなければならない。学校が全ての子どもたちに豊かな探究の経験を保障していく必要がある。

さらに、学力向上につながると期待されているのが、タブレットなどを活用した学習の「個別化」

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どの部分でつまづいているかAIが分析し、最適な問題を出題するなど、ひとりひとりの理解度に合わせた学びが可能になってきている。

ただ、画面を見る時間が増えることで人との会話が減るなど、孤立しないのか心配の声も。

苫野さんの見解〉
個別化を、“孤立化”にしてはいけない。困った時に先生や仲間と助けてもらえる、あるいは困った人を助けてあげられる「協同化」とセットにすることが大事
・そうした「ゆるやかな協同化」は学力向上につながるという研究もある。



自分で考える力を伸ばすために 大人の役割は?

毎週水曜日、生徒が好きなことを探究する新渡戸文化中学校では、大人の役割を徹底的に見直した

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・好きなことを探究する時間、先生は一方的に教えない
対話を繰り返し、生徒の興味・関心の幅を広げる伴走者のような役割

さらに、生徒の主体性を育てるため、生徒自ら校則を考える取り組みもはじめた。

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・話し合った案は職員会議で発表し、同意を得られれば実際の校則になる。

こうした取り組みをしていく上で大事なのは、先生同士の対話だ。

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・毎週、子どもとの向き合い方や学校のあり方について率直に意見を交わす
・対話を重ねていくうちに、先生たちの間で「新しいことに挑戦しよう」という気運が高まってきた



対話することが大事

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苫野さんの見解〉
対話の文化を意識的に学校の中に組み込んでいく必要がある。
民主主義社会の大原則は全ての人が対等な存在としてお互いを認め合い、対話を通してこの社会をつくり合っていくことで、学校はその一番大事な土台
先生と生徒が仲間になり、みんなにとってのよりよい学校を一緒に考えていくことが大事。


尾木ママ
・子どもたちが多様な個性を生かして楽しいなと思える学校にしていくことが大事。
それぞれのペースに合わせていろんな学び方が選べるような学校や、それを保証していく社会になるのが理想だと思う


浜島さん>
・まず家で、なるべく尋問のような会話はやめて、きちんと共感し対話できるようにしたい。
その上で「学校楽しんで行ってらっしゃい」と言えるようにしたいなと思う(浜島さん)

今求められているのは、自ら課題を見つけ、考え、判断する力。
子どもたちとの対話からはじめてみませんか?



END

 

投稿者:制作スタッフ | 投稿時間:21:30


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