2021年05月15日 (土)

早生まれの悩み <番組内容>

今回のテーマは“早生まれ”
番組でアンケートをとると、「周りと比べて行動が遅い」「競争で勝てない」「勉強が苦手」など、早生まれについて心配する保護者の声が多く寄せられた。
早生まれの影響って本当にあるの?あるとすれば、保護者はどう向き合えばよい?

ゲストは、ご自身も2月生まれであり、早生まれのお子さんがいる、藤本美貴さん。

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早生まれの子がいる保護者は、どんなことで悩んでいる?

ハナミズキさん(小4次男が2月生まれ
・サッカーチームに所属しているが、体が大きい子にとばされてしまう
・負けずに頑張ってほしいが、「早生まれのせいで不利なのでは?」ともどかしい気持ちにもなる。

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ビオラさん(小4長男が1月生まれ
・小学1~2年生の頃は、文字の書き取りが苦手など、勉強の遅れが気になった。
給食を食べるのが遅かったり、同級生に言い負かされてしまったりなど、今でも生活面で心配なことが。

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教育学・育児学などに詳しい汐見稔幸さんによると・・・

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・4/2生まれの子と、その1年後の4/1生まれの子が同じクラスになる。当然、1年間の相対的な発達差がある。
自律神経は10歳ぐらいでほぼ大人と同じになる。それ以降は、生まれ月による発達差は気にならなくなる。
・生まれ月による学力差は、低学年では若干あっても、高学年ではその子の得意不得意が反映される度合いが高い。


しかし、こんなデータも・・・
日本のプロ野球選手の生まれ月を調べると、早生まれが少ない。
アメリカの大企業の社長や国会議員の生まれ月調べると、やはり早生まれが少ない。


早生まれと遅生まれで差があるのはなぜ?カギは“自己効力感”
生まれ月による差がなぜ見られるのか、その背景を調べた山口慎太郎さん(東京大学大学院経済学研究科)に聞いた。

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山口さんは、埼玉県の学力・学習状況調査(2015~2018年度)について、各学年の結果を生まれ月に注目して分析した。この調査では、算数や国語などの学力(認知能力)を測定するだけでなく、目標に向かってやりぬく力や自己をコントロールする力(非認知能力)についても子どもに答えてもらっている

算数や国語の成績は、早生まれのほうが遅生まれよりも相対的に低い傾向があったが、その差は学年が上がるにつれ徐々に縮まっていった。

しかし、「自分はできる」という自信である“自己効力感”などの非認知能力については、やはり早生まれのほうが遅生まれよりも相対的に低い傾向があったうえ、学年が上がってもその差が縮まらなかったのだ。

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山口さんの見解>
・生まれ月を考慮すれば問題ないのに、周囲が「あの子はできない」という不当な評価をすることで、早生まれは「自分はできない子なんだ」と誤って理解してしまう可能性が高い。それを裏付けるように、早生まれほど「先生や友人は自分のよいところを認めてくれない」と感じている傾向があることもわかった。
・これは制度の問題であり、早生まれの不利が人間関係の中で固定化されていると考えられる。リーダーシップをとる機会を均等にするなど、先生や保護者が介入しないと解決しない問題だと思う。


汐見さんの見解>
・環境や育て方しだいで、早生まれの子が不利になってしまう状況は解消できる。
・実はプロ野球選手の中でも、タイトル獲得者には早生まれが多く、日本人のノーベル賞受賞者にも早生まれが多い。小さいときから周りよりもスタートが遅れているぶん、努力して成功する経験をたくさんすることで、頑張り屋さんになりやすいのではないか。
・大事なのは、他の子と比べるような育て方はせずに、その子らしさを認めてあげること。



生まれ月を考慮する取り組みで、子どもの自信を育む
都内のある私立の小学校では、1年生の間だけ、【4~9月生まれ】と【10月~4月1日生まれ】でクラスを分けている。入学式では、【10月~4月1日生まれ】のクラスは落ち着きがない子が目立つなど、顕著に差が見られる。

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授業も、それぞれのクラスのペースに合わせて進めている。【4~9月生まれ】のクラスでは、座って教科書を音読する授業が行われていた。
一方、【10月~4月1日生まれ】のクラスでは、教室を歩き回りながら友達と好きなものを発表し合う授業が行われていた。じっと座って教科書を読むよりも、体を動かしたほうが授業に参加しやすいと、先生が判断したのだ。

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でも、これだと2つのクラスで学習の差が出ないのだろうか?

この小学校の先生によれば、【10月~4月1日生まれ】のクラスは2学期後半から徐々にペースアップしていくそう。さらに、この段階で習熟度に多少の差があったとしても、子どもたちが「小学校って楽しい」と感じたり、自信を育んだりすることのほうが、長い目で見れば大事だという。


<学校でできること>

・幼稚園・保育園から小学校へ円滑に移行する取り組み(幼保小連携)のように、多様な授業形態を柔軟に取り入れていくことが、早生まれと遅生まれの子の差を解消する一つの方法ではないか。汐見さん)

・ヨーロッパでは、異学年が混ざった学級を作るところもたくさんある。年上の子が年下の子に教えてあげることで、リーダーシップを発揮でき、これを繰り返していくとどの子もいろんなポジションを経験して育つ。日本でも、公立の学校で取り入れようとしている動きがある。尾木ママ

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早生まれでもそうでない子も、みんながその子らしく活躍できるような社会に近づくように、まず日々の声かけから意識してみませんか?

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投稿者:制作スタッフ | 投稿時間:21:30


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