2020年09月26日 (土)

もやもやしない?"女らしさ男らしさ"<番組内容>

今回のテーマは“女らしさ男らしさ”
番組には、子どもたちのさまざまな“もやもや”の声が寄せられている。

小5男子「髪を伸ばしたいのに、先生に『男なんだから短くしろ!』と言われた」

中1女子「お母さんに『女の子だからお行儀良くしなさい』と言われたけど、それって男女共通じゃない?」

高1男子「華道が特技だが、友達に『それは女がやるものだ』と言われ悔しかった」

小5女子「先生に『男の子はいいけど、女の子はちゃんとしなさい』と言われて、なんで!?と思った・・・」


一体、“女らしさ男らしさ”ってなに?
どうすれば“もやもや”を解消できるのか、ゲストのりゅうちぇるさんと一緒に考えていく。

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ホゴシャーズの家庭にも、“もやもや”を抱えている子どもがいた。
ふうかさん(小6)は、虫取りやドッジボールが大好きな女の子。スカートが嫌いで、いつも動きやすいズボンをはいている。

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ふうかさんとお母さんのバジルさんは、いつも服装と持ち物を巡ってぶつかる。 

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今、もめているのは卒業式の服装。お母さんのバジルさんは、娘のふうかさんにスカートをはいてほしいと思っているが、ふうかさんはズボンをはきたいと考えている。

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一体、なぜ親子のすれ違いは起きるのか?

尾木ママ「親は決して、自分の子を型にはめて“女らしく男らしく”と言っているわけではなく、子どもが将来活躍できるように、みんなに好かれるように、と思って、無意識のうちに言っている」


堀内かおる先生(横浜国立大学教授) 教育とジェンダーが専門
「日本の歴史の中で、家父長制により、男は『男らしく家庭を守る』、女は『女らしく三歩下がって夫の後をついていく』などの価値観が生まれ、その価値観を持っている親たちが、知らず知らずのうちにしつけなどを通して、自分の子どもに伝えているのでは」

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※ジェンダー=社会的、文化的に作られた性別のこと。例えば、男の子はわんぱく、女の子はおしとやか、などと言われるイメージのこと。
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また、子どもたちへの“刷り込み”の一つに、メディアの影響があるという。メディアとジェンダーの関係に詳しい専門家に話を聞いた。

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須川亜紀子先生(横浜国立大学教授) メディアとジェンダーが専門

日本のテレビアニメは、オリジナルか・原作付きか、原作があるならその媒体(マンガ、ライトノベルなどの小説、ゲーム、その他)、原作の発表時期・舞台設定、アニメのターゲット視聴者層、放映時間、スポンサー(玩具メーカーなど)、フランチャイズ方針(いわゆるメディアミックス)などによって、表現内容に影響を与えることがあるため、その“コンテキスト”を考慮に入れておかなければならない。その中で子ども向けアニメの傾向をまとめるとすると、次のようなものがあると考えられる。


・子ども向けアニメの中の家庭の描き方
食事のシーンでは、お父さんは新聞を読んだり、座ってテレビを見たりするが、お母さんは、立って料理を並べたりする。また、お父さんは会社に行くが、お母さんは家で家事、子育てをする、など描き方が多い。こうした描き方の傾向は、原作発表年や舞台設定が過去の時代のアニメであればあるほど、強い。逆に、現代を描く子ども向けアニメには、夫婦共働き、母子・父子家庭、父親も主体的に家事や子育てをする描写が増えてきている。

・男女の性格などの描き方
スーパー戦隊ものでは男の子が主役、女の子はかわいくて思いやりがある癒やし系のタイプが古典的。また、博士のキャラクターは、だいたい年配で白衣を着てひげをはやしたような男性が多い。

・他には・・・
子ども向けアニメに限らないが、男の子がお風呂をのぞいたり、スカートの中に興味があるシーンはあるがその逆はない。女の子は性の対象になりがち。それは、原作が青少年男性対象の作品に顕著ではある。

しかし、上記のように、両親が共働き、お父さんが主夫という描写や、女の子が戦うガールヒーローものも存在し、歴史の長いスーパー戦隊ものでも、アクティブでさっぱりした性格の女性や、料理が得意な男性もチームに入っているなど、男女の多様性も表現されている。ただ、そうした新しい描き方は、子ども向け番組全体から見ると、まだまだ少数派であるのは、長寿番組における男女のイメージが色濃く残っているのも一因であろう。

重要なのは、そうした表現が生まれる背景や、それを見てどう思ったのか、を親子や友人同士で話し合い、メディアリテラシーを高めることだと思う。




堀内先生「こうしたアニメを見ることで、女の子は家事をするべき、男の子は強くあるべき、などの性別分業の役割意識を過剰にもってしまう。実際に、“女らしさ男らしさ”の偏見が子どもの将来に与える影響もあるのでは。

例えば、日本の15歳の科学的リテラシー、数学的リテラシーの成績は世界的に見てもトップクラスで、その男女差はあまり大きくない。一方で、大学の学部で、理学や工学を学ぶ女性は少なく、その割合は世界的に見ても低い。これは「工学や理学は男性のものだ」という思い込みが、進路選択に影響している可能性があるのではないか。」

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どうすれば“女らしさ男らしさ”から自由になれるのか?ヒントとなる事例がある。
東京都にある正則高等学校では、1年間かけて“女らしさ男らしさ”について学ぶ授業がある。

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例えば、「メディアの中のジェンダー」について学ぶ
先生が見せたのは2枚のポスター。こちらは、同じ映画のポスターなのに、国によってデザインが全く異なる。
社会全体がもつ女性に対するイメージがポスターに反映されているのだ。

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こうした学びを通じて、子どもたちは自分たちが“女らしさ男らしさ”に縛られていたことに気づいていくのだという。


最後に、りゅうちぇるさん、堀内先生から一言。

りゅうちぇる「自分らしく生きていったら何か言ってくる人は必ずいる。だから親は子どもに対し『そばにいてくれるだけで幸せ』ということを伝える。そうすれば子どもは『自分はここにいるだけでいいんだ』と思える。親として、子どもの自己肯定感を高めていくことが大切。」

堀内「自分のことを『男・女』と定義するのが難しい子どももいる。“女らしさ男らしさ”で語ること自体が苦しい子どもがいることを忘れてはいけない。自分らしく生きるということが大切。

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END

投稿者:制作スタッフ | 投稿時間:21:30


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