一斉休校、どうのりきる?<番組内容>
今回のテーマは、「一斉休校、どうのりきる?」。
新型コロナウィルスの感染拡大を受け、公立の小中高の、およそ99%が突然の休校に踏み切った。
強いショックを受けた子どもたちに、大人がどう向き合えばいいかを考える。
ゲストは、中1と小1の子どもを育てる本上まなみさん、教育学が専門の東京大学名誉教授の汐見稔幸さん、聖路加国際病院感染管理室マネージャーの坂本史衣さん。
【突然の休校にショックを受ける子どもたち】
卒業を間近に控えた小6の女の子。突然の休校で、いつも励ましてくれた大好きな先生に会えなくなり、勉強への意欲をすっかり失ってしまった。
卒業と同時に引っ越す中3の女の子は、仲間と過ごす最後の時間をうばわれた。そんな娘をどう励ましていいかわからず、親も苦しんでいる。
汐見さんは、
「“節目”というのは、それまでを振り返り、これからの目標を立てるための大切な時間。それが、突然奪われてしまった。子どもの中に大きな空洞ができている」と語る。
そして、尾木さんは、
「子どもたちは、なぜ学校に行けないのか、明確な基準や根拠を見いだせず、納得感を持てずに苦しんでいる」と語る。
卒業の時期ではない子どもたちにも、休校の影響は表れている。
≪ホゴシャーズの声≫
・小3の娘は自閉症。家にこもる生活が続きパニックに。大好きな学校に行けず、『がっこ、がっこ』と泣く娘が切ない。
・小1の息子が、学校が休みになって不安なのと、体を動かすことが難しいからか、夜泣きやおねしょをするようになった。
ショックを受けた子どもたちをどうケアすればいいかについて、尾木さんは、「まずは、子どもの気持ちを楽にするため、ちゃんと話を聞いて受け止めてあげること。そして、親も、子どもに、自分のつらいことを話したりして“共有する”ことが有効だ」と語る。
【外に出られないストレス】
ホゴシャーズからの声で多かったのは、「どこまで、子どもを外に出していいかわからない」という悩み。
学校から「不要不急の外出は控えよ」というお知らせがあったため、自宅で「“軟禁”のような生活をしている」という声も。
「外に出られないストレスで、きょうだい間のケンカが増えて困っている」という声もたくさん寄せられた。
子どもの外出について、坂本さんは、次のように語る。
「熱がなく具合が悪くないことを前提に、たとえば公園で遊ぶことについては、さほどリスクはない。行かないほうがいいのは、密閉されていて人が大勢で話し合っているような場所。子どもが感染した例は少ない。また重症化するケースもまれ。手洗いを励行していれば、過度に心配しなくてもいい」と語る。
≪ホゴシャーズの声≫
・わが家が子どもたちのたまり場に。お友達が毎日4人くらい来て、一日中いっしょにいる。
坂本さんは、自宅に友達が集まって遊ぶことについても、「密閉空間にならないように換気をこまめにして、手洗いを励行していれば、禁止にしなくていい」と語る。
また、「外出を控えよ」と要請やお知らせがあった現状について、汐見さんは、「それぞれの地域や家庭の状況に応じて柔軟に対応できるよう、議論することができなかったのか」と苦言を呈する。
さらに、尾木さんも、「学校側も、これからでいいから、個別の状況に合わせた対応を考えてほしい。子どもたちとの“信頼関係”にも関わってくる」と語る。
【この苦境をどうのりきる?】
突然起きたこの苦境をのりきるために、親たちは模索を続けている。
≪ホゴシャーズの声≫
・なげいてもしかたないので、この機会に自分でできることを増やす。いっしょに料理をしたり、家事を覚えてもらう。
今回の休校を機に、料理や家事など、「ふだんできないことを子どもに体験してもらう」という声が多く届いている。
VTRでは、生まれて初めて料理に挑戦する姉弟を紹介した。
(その際紹介した、「火も包丁を使わない」かんたんレシピについては下部に掲載)
汐見さんは、
「子どもは、家庭が危機状態になった時、力を発揮するようにできている。素直に『大変だから手伝って』と言ったら、喜んで手伝ってくれる。料理一つとっても、誰かの役に立っているという実感が、子どもたちのやる気を増幅してくれる。今回は、“役立ち感“というものを身につけるいい機会にもなる」と語る。
さらに、「料理以外にも、部屋のレイアウト変更を一緒に親子でやってみるなど、子どもが自分のやったことを評価されることを検討してみるといい」とアドバイスする。
<子どもたちが作っていた料理のレシピのご紹介>
火も包丁も使わないので安心です。
教えてくださったのは、料理研究家の上田淳子さんです。
●鶏肉のみそ風味蒸し
(材料 1人分)
・鶏もも唐揚げ用 5~6個(150g)
「みそだれ」
・みそ 大さじ1→プチトマトくらいの大きさ
・砂糖 大さじ1→同様
(作り方)
1)耐熱の器にみそだれの材料を入れる。
鶏もも肉を入れ、調味料をまんべんなくなじむようにからめる。→ スプーンなどの道具または手で
2)肉を重ならないように広げ、ラップをふんわりかけて 600Wのレンジで4分加熱。
やけどに気をつけながら取り出し、蒸気でやけどをしないようにラップをとる。
*好みでブロッコリー、キャベツなどの野菜を一緒に加熱しても(ただし量が多い場合は、レンジ加熱時間を少し調整すること)
●辛くないチーズタッカルビ
(材料 1人分)
・鶏もも肉唐揚げ用 5~6個(150g)
「ごまみそだれ」
・みそ 大さじ1
・砂糖 大さじ1
・しょうゆ 小さじ1
・白すりごま 大さじ1
・ごま油 小さじ1
・おろしにんにく(チューブで) 3~5センチくらい
・キャベツ 100g (大きめの葉なら2~3枚くらい)
・ピザ用チーズ 50g
(作り方)
1)ボウル又は鶏肉のトレーに鶏肉とごまみそだれの材料をすべて入れてよく混ぜ合わせる(スプーン、箸、手などで)
2)キャベツは洗って水けをきり一口大にちぎりながら耐熱皿に入れる。
3)2)のキャベツの上にまんべんなく肉を広げ、残ったたれも全体にかける。ふんわりラップをしてレンジに4分かける。
4)やけどに気をつけながらいったん取り出し、蒸気でやけどをしないようにラップを外す。ピザ用チーズをまんべんなく表面にちらし、ラップをせずに再度レンジに2分かける。
*レンジは600Wを使用しています。
ただし、機種や使用する耐熱容器によって多少加熱状況が違ってくる場合があります。
分数は目安で、もし火が通っていない場合は、再度30秒~1分程度加熱してください。
*番組へのご意見ご感想をお待ちしております。
投稿者:制作スタッフ | 投稿時間:00:00