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広島周辺にも活断層 能登半島地震と同様の被害も?

  • 2024年02月21日

能登半島地震で、最大震度7の激しい揺れと津波による甚大な被害を引き起こしたのは「活断層」だと考えられています。
専門家は、広島の周辺にも多くの活断層があり、同じような被害が起きる可能性もあるとして備えを進めるよう呼びかけています。

(NHK広島放送局記者 福田諒)

能登半島地震で被害出した活断層とは

広島大学の後藤秀昭准教授。活断層の研究が専門です。

広島大学文学部 後藤秀昭准教授

能登半島地震は、半島の北側に沿うようにある活断層などがずれ動いて起きたと考えられています。後藤准教授は、この活断層の位置が、甚大な被害の要因になったと分析しています。

広島大学文学部 後藤秀昭准教授
「能登半島の沿岸に活断層があって、その活断層がずれることで津波が発生しました。沿岸すぐそばですので、数分で津波が到達したというところがたくさんあります。活断層は足元に断層がありますので、すごく強い揺れが、生活しているところに直接来るということになります。規模はそんなにプレート境界ほどは大きくはないんですけども、内陸の活断層の場合には、地震動がすごく大きくなるというのが特徴です」

広島周辺でも海底に活断層が

後藤さんは、同じような地震が広島の周辺でも想定されていると言います。

活断層の分布図を見ると、内陸に加え瀬戸内海の海底にも活断層が連なっています。広島湾から山口県岩国市の沖合にかけての「安芸灘断層群」です。活断層がずれ動いた場合の地震の規模は最大マグニチュード7.5程度。能登半島地震にも匹敵すると想定されています。

広島大学文学部 後藤秀昭准教授
「瀬戸内海の中にも活断層があります。これが動いたときには、津波が発生すると思われます。断層が近いですから、すぐに津波が伝播して、伝わってくると思います。速やかな避難行動が必要だと思います。広島は江戸時代以降に、人間が切り開いてできた大地がほとんどです。ですので、標高がすごい低いんですね。津波が入ってくると、浸水深が深くなります。まちの中心部でも、1メートル、2メートルになる可能性がある場所が、たくさんあります」

活断層による大地震知って備えを

広島県内では、2001年の「芸予地震」を最後に震度6弱以上の揺れは観測されていません。
しかし、活断層などによる大地震が想定されていることを知った上で、備えを進めることが大切だとしています。

広島大学文学部 後藤秀昭准教授
「改めて活断層がどこにあるのかということを、知っていただきたいと思います。インターネットの『活断層データベース』などで活断層の位置が分かりますので、場所がどこにあるのかご理解いただきたい。その上で、地震に対して備える対策をもう一度確認いただきたい。家が耐震設計であるかどうか、耐震補強されているかどうか、家の中の大型の家具が固定されているかどうか、そんなことを見ていただければと思います」

  • 福田諒

    広島放送局 記者

    福田諒

    2018年入局。和歌山局を経て、ことし夏から広島局で経済や災害を担当。趣味はドライブ。

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