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どうする?就学前からの性教育

ひるまえ子育てプロジェクト #13
  • 2023年11月22日

子どもから“性”について聞かれたら?

こんなとき どうすれば??
森 直美

リポーターの森 直美です。
みなさんは、お子さんに“性”のこと、どう伝えていますか?

「お風呂上りに裸でうろうろして困る」とか、「赤ちゃんってどう生まれるの?と質問されて、どう答えたらいいかわからない」など、子どもになんとなく性教育が必要だなと感じているけど、どう伝えればいいかわからないという方も多いのではないでしょうか?

今回は、小さな幼児のうちから、家庭でできる“性教育”についてお伝えします!

今回、教えていただいたのは、広島市内の産婦人科で助産師として働きながら、地域の親子向けに「いのちのはなし」と題した性教育のお話会などを開催しているほか、小学校や幼稚園向けの出張教室なども行っているという、増田かなえさんです。

出山知樹アナ 助産師・増田かなえさん 森直美

子どもに性教育といっても、「いつ」、「どれだけ」、「どのように」教えたらいいのか、戸惑ってしまうという声をよく聞きます。
今回は、就学前の幼児のときから始める性教育というテーマですが、そのくらいから始めた方がいいんでしょうか?

助産師・増田かなえさん

就学前から性にポジティブなイメージを育てていくことが大切なんですよね。大人が、性に対してポジティブな反応をすることで、お子さんたちに少しずつ理解してもらえればと思っています。

国連が定めた「国際セクシャリティー教育ガイダンス」でも、5歳からの教育が進められているんですよ。

我が家は2歳の女の子。まだ早いですか?

2歳くらいのお子さんでもそのお子さんが興味を持てば、「性教育」に関することを伝えることはできます。

例えば「おしっこやうんちが出てすっきりしたね」とか「お尻がきれいになって気持ちいいね」などポジティブな声をかけるということも性教育の第一歩です。

子どもへの“性教育” 3つのポイント

子どもに“性”を伝えるときの、3つのポイントを教えてもらいました。

①肯定的に捉える

今の大人世代では、性教育と聞いて苦手意識を持っている方が多いと思います。その背景に「はずかしいこと」、「人前で話すことでないこと」、「いやらしい」などという認識があります。そういった価値観を持たずに、「興味を持つことはおかしいことではないこと」、「はずかしいことやいやらしいことではない」ということをまず大人たちが意識して、お子さんたちに接することが大切です。

②科学的に捉える

「科学的」というと、少し難しく感じますが・・・

「正しい身体のしくみを理解する」ということです。例えば、「妊娠することは、すごいこと」「赤ちゃんがうまれるということは、感動的なこと」という伝えかたは、科学的ではないですよね。

性に関することを、偏見や自己の価値観で伝えないことが大切なんです。

③性の多様性を理解する

最近では少しずつ浸透してきている「性の多様性」ですが、性別は男と女の二つではなく、グラデ―ションの中にあるということです。性は、「生まれ持った身体の性」「自分自身が自分の性をどうとらえているかという心の性」「自分自身が自分をどのように表現したいか」、そして「恋愛や、性的思考がどの性に向くか」という4つの側面から決まると考えられています。

大人が無意識にしてしまいがちな声かけに「男なんだから、しっかりしなさい」や「女の子なのに、がさつ」といった発言は、多様性を否定してしまうことにもつながってしまいますので、一方的に言わないように気をつけておきたいです。

大人世代も、そう言われて育ってきた人も多いと思うので、つい無意識に言ってしまいがちですね・・・。

小さな子どもに伝えたい “自分の体を大切にする”ということ

森 直美

未就学の子どもにでもわかるように伝えるには、具体的に何を教えたらいいのでしょうか。

助産師・増田かなえさん

「自分の体を大切にする」ということから教えるといいといいます。その中でも特に大切なところがあるということを伝えるために使っているのが、「プライベートゾーン」ということばです。

普段、増田さんが「いのちのはなし」の講義をされるときに使われている水着を着た女の子のイラストを使って説明してもらいました。(講義では、男の子のイラストも一緒に使っています。)
 

プライベートゾーンは、単刀直入に言うと、性被害の対象となる体の部位のこと。
皆さんはどこがプライベートゾーンかわかりますか?

※プライベートゾーンは、誰も性被害の加害者、被害者、傍観者に
ならないようにするためにうまれたことばです。

 

水着で隠れる部分ですか?

正解です!でも、実はもう一つあります!
「いのちにかかわるところ」と言えばわかりますか?

「口」、ですね。食べないと生きていけない。

そうです。「口」も命にかかわるところです。
小さなお子さんに「性被害の対象になるところだよ」と伝えるのは難しいので、「いのちに関係するところ」という風に伝えています。
いのちに関係するところだから、大切なところだと伝えると小さなお子さんでも理解できます。

それは、男の子でも女の子でも一緒です。

伝え方は、年齢や発達、理解度に合わせて変えていく必要がありますが、自分で考えたり発言すると、より理解度が増します。

いのちに関係するところだから、人に見せたり、触らせたりしてはいけないということを伝えています。

親が、お尻を拭いたり、体を洗ったりする場合はどうなんでしょう?

体に触れるとき、親が勝手に始めずに、子どもに声かけをするようにしてください。お尻をふくとき、歯の仕上げ磨きのときも、小さなうちから「同意をとる」ということを大人も意識するようにすると良いでしょう。

パンツを自分で洗うことを習慣に

増田さんが、オススメの方法として教えてくれたのが、「パンツを自分で洗う」ということ。

助産師・増田かなえさん

パンツをはくようになった子なら、男の子も女の子も、何歳でも始められます。
プライベートゾーンを守るパンツを自分で洗うことによって、プライベートゾーンは自分だけのところという意識が強くなります。

ただし、パンツを洗う時に気を付けたいのが「汚い」「汚れ」というワードを使わないこと。

お風呂に入るときに一緒にパンツを持って入って洗う。それを日常化していけば、思春期、第二次性徴を迎えて、月経や射精を経験するようになったときに自分で対処できるようになります。

森 直美

パンツは自分で洗うということを小さなころから「当たり前」にしておけば、
濡れたパンツが洗濯かごに置いてあっても焦らなくて済みますね。

はい、中には病気になったと悩んでしまうお子さんや、驚いてパンツを捨てたり隠したりする子もいるんですよ。パンツを洗う習慣がついていると、慌てず自身で対処することができます。

子どもの質問にどう答える?

森 直美

最近、うちの子はトイトレ中で、保育園でもお友達の性器を見ることがあるみたい。男女の違いに気づきだした。質問されたときどうしたらいい?

助産師・増田かなえさん

答えられる質問については、嘘をついたり、ごまかしたりせず教えてあげるようにしましょう。

例えば、赤ちゃんはどこから来るの?なんて聞かれた時も「コウノトリが連れてくる」なんて言わずに、その子にわかる範囲で教えてあげてください。
何より、あからさまに嫌な表情や発言をしないように気を付けましょう。

大人もどう伝えたらいいかわからなかったり、そもそも子どもにわからないだろうと思う内容の場合はどうしたらいいですか?

わからないことや、伝えにくいことは「どう思う?」、「なんで気になったの」と聞いてみたり、対話しながら一緒に考えていくことがとても重要です。
わからない場合は「調べてから話すね」と言っておくのもいいでしょう。

書店や図書館に行けば「性」を取り扱った絵本もあります。幼い子どもにも理解しやすいので力を借りてみるのもいいですね。

一緒に絵本で勉強するのもいいですね。

そうですね。
大切なのは、子どもが困ったときに「お母さんやお父さんに話してもいいんだ」と思えることや、話せる窓口があるということだと思います。

年齢や理解度など、その子にわかる範囲で、少しずつ伝えて、何かあったときには頼ってもらえる、そういう環境づくりをするということが大事なんですね。

みなさんも、ぜひお子さんと少しずつ始めてみてください。

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