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カープ 広島ゆかりの北の大地へ 

プロ野球交流戦 リポーター探訪記
  • 2023年06月22日

カープがプロ野球交流戦で遠征した北海道の「エスコンフィールド北海道」。
この球場がある北広島市は、今から140年ほど前に広島県から集団で移住した人々が開拓した場所です。今も広島とのさまざまなつながりがありました。
(広島放送局アナウンサー 高木修平)

カープの交流戦 新球場「エスコンフィールド北海道」

アナウンサーの高木修平です。 
カープは先日、プロ野球交流戦で北海道に遠征しました。
 乗り込んだのは、
ことし新たに誕生した北海道日本ハムファイターズの本拠地「エスコンフィールド北海道」。

 

エスコンフィールド北海道

日本初の開閉式の屋根が付いた天然芝の球場です。
中継当日の練習時間帯は屋根が開放されていて、
北海道の青い空と天然芝のコントラストが実に映えていました。

 

屋根が開いた状態 センター後方はガラス張り

私も中継のリポーターで初訪問。

 

センター後方のビアガーデンからリポート

広島県と関わりの深い“北海道北広島市”

エスコンフィールド北海道があるのは北海道の北広島市。札幌市に隣接しています。

 

JR北広島駅 エスコンフィールド北海道の最寄り駅

広島の名が付くとおり、広島県と関わりの深い街です。
明治17年(1884年)、広島県から103人が集団で移住して開拓したのが始まりです。

今回の出張では、球場の周辺にも赴いて、広島県とつながりの深い人や場所を取材してきました。

JR北広島駅から歩いて10分ほどのところにある「北広島市開拓記念公園」です。 

 

広島県から移住して100年を迎えた昭和59年(1984年)に整備されました。
園内には開拓を記念したさまざまな碑があります。

こちらは広島市との交流の証しとして作られた石碑。

 

右下の碑は“被爆石”
被爆した石で作られた碑

エスコンフィールド北海道のすぐ近くにも広島との関わりの深い場所がありました。

「平和の灯公園」です。

 

石の上に灯る炎は、広島市の平和公園にある「平和の灯」を分火して運んできました。

 

平成8年(1996年)9月1日、広島町から北広島市への市制移行を記念して、平和の灯が点灯されました。

19世紀の終わりに移住 世代を超えてカープを応援

北広島市に住む広島ゆかりの男性を訪ねました。 
北広島市広島県人会の会長、藤川隆志さん(93)です。
藤川さんの曾祖父が、現在の広島市安佐南区から北海道に移住してきました。

 

北広島市広島県人会会長 藤川隆志さん(93)

藤川さんは生まれてからずっと北広島市に在住。先祖の代からカープを応援してきました。
ファイターズが北海道に本拠地を移してもカープファンは変わらず、2016年の日本シリーズで両チームが対戦した時もカープを応援しました。

でも、今度は地元北広島市にエスコンフィールド北海道が誕生したことでファイターズも応援したい。カープとの交流戦はどうすれば、、、。

そこで、今回の両チームの対戦に向けて、藤川さんの息子である隆義さんがこんな応援グッズを考えました!

 

藤川隆義さん(移住して5世代目)

片面にはカープの“赤”。もう片面にはファイターズの“青”。両チームのチームカラーを施したリバーシブルのぼりです。

 

カープの交流戦に向けて作成

球場でも北広島市広島県人会の皆さんで応援しました。
現在は約70人の会員がいらっしゃるそうです。

 

さらに両チームへの想いを“ジャケット”にも込めました。 

色は「紫」。どの色を掛け合わせるとこの紫になるでしょうか? 

そうです!「赤」と「青」。球場でも県人会の皆さんが揃いのジャケットを着て声援を送りました。

広島県出身の大学生 カープ戦でデビュー!

北広島市にある星槎道都大学です。 
硬式野球部はことしの全国大学選手権に出場しました。


 

星槎道都大学 硬式野球部グラウンド(北広島市)

二宮監督をはじめ、選手やスタッフにも広島県の出身者が複数います。
今回お会いしたのは、
4年生の日髙蓮(ひだか・れん)さんと3年生の寺田聖歩(てらだ・とあ)さん。
日髙さんは広島商業高校、寺田さんは呉港高校の出身です。 

 

左:日髙蓮さん 右:寺田聖歩さん

取材で訪れた日。日髙さんは憧れの仕事のデビューを直前に控えていました。

エスコンフィールド北海道でのボールボーイです。

 

ボールボーイは、試合中にファウルボールや用具を回収したり、新しいボールを審判に渡したりする役割です。
日髙さんは広島県三原市出身。子どもの頃からのカープファンですが、北海道に住んでからはパシフィックリーグではファイターズを応援するようになりました。その中で、新庄監督のファンサービスへの姿勢に惚れ込み、近くで野球に携わりたいとの思いが募りました。
その熱意が叶い、奇しくも大ファンのカープとの交流戦でデビューとなりました。

北海道のカープファンが集うお好み焼き店主

球場では久しぶりの再会もありました。広島県江田島市出身の上向昇(うえむかい・のぼる)さん。
札幌市で20年以上お好み焼き店を営んでいます。

 

上向昇さん 
カープの3連戦中は球場で観戦するため店は臨時休業

2016年のカープとファイターズの日本シリーズで北海道に取材に来た際、カープファンが集まる店として紹介させてもらいました。

上向さんは20代の時、就職先の会社で札幌に赴任。故郷のお好み焼きを食べたくて自分で作り、同僚にふるまったところ好評で、20年前に店を開きました。  
「北海道でカープファンの方が少なかったので、カープの話をしたいお客さんが店に来てくれるようになりました」と上向さん。
この日も、顔見知りのカープファンから次々と声をかけられていて、北海道でもカープを通じた輪の広がりを感じられました。 

取材後期

19世紀の終わりに始まった広島県と北広島市のつながり。
エスコンフィールド北海道の誕生。そして、カープを通じて、両者のつながりがあらためてクローズアップされ、その深まりを随所に感じることができました。

北広島市でのカープの交流戦。
次は再来年になる見込みですが、カープファンの皆さんの想いは一つです!
「ことしの日本シリーズでカープとファイターズが対戦!北広島で待っています!!」

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