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宮島に入れない… G7で規制 休業 知らずに訪れる観光客も

  • 2023年05月18日

G7広島サミットの開幕を前に、日本三景の1つ、宮島では、18日正午から立ち入りの規制が始まりました。
宮島を目当てに訪れた観光客や休業を決めた島内の店舗など話を聞いてみると、「残念だ」「さみしい」という声もあった一方で、この状況を「むしろ楽しむ」と話す人も見られました。

宮島の立ち入り制限を詳しく

G7広島サミットは19日から3日間の日程で行われ、各国の首脳や配偶者が広島県廿日市市の宮島を訪れる予定です。このため、宮島は18日正午から立ち入りが制限され、20日午後2時まで、識別証を持つ住民などを除いて原則として島に入ることができなくなります。 

宮島のあの場所は? 
世界遺産の嚴島神社では、19日終日と20日午後2時ごろまで閉門し、宝物館と千畳閣も同じ期間、拝観を取りやめることにしています。また、宮島水族館と宮島歴史民俗資料館、それに宮島伝統産業会館は、21日まで3日間、休館を続けることにしています。 

駆け込み観光 修学旅行生も

午前中の宮島では、全国から集まった警察官の姿が見られ、多くのお土産店や飲食店も休業していました。一方で、立ち入りの制限が始まる前に駆け込みで訪れた国内外の観光客でにぎわっていました。 

広島市から訪れた20代の女性 
「会社が休みだったのでドライブついでに立ち寄りました。制限されるのは知っていたのでお店が開いてるか不安ですが、楽しみたいです」 

中には新型コロナの感染が落ち着いたことで、久しぶりに県外の修学旅行で訪れた岐阜県の中学校の生徒たちもいて、土産物を買うなどしていました。
 

 下呂中学校3年の女子生徒
 「開いている店でお土産が買えてうれしかったです。G7のために頑張っている人の姿や広島の良いところを見ることができて良かったです」

 男子生徒 
「警備がすごくて特別感がありました。予定通りに宮島で楽しく観光ができていい修学旅行でした」 

北條裕也校長
 「まさか日程がサミット直前にかぶると思わなかったのでびっくりしましたが、ある意味特別な雰囲気の中で広島を見ることができて生徒にとってもいい経験だったと思います」 

立ち入り制限後の午後は

 広島県の宮島への立ち入り制限が始まってからもフェリーターミナルを訪れる観光客たちの姿も見られ、ボランティアに促されながら残念そうにターミナルをあとにしていました。
 東京から訪れたミャンマー出身の夫婦は、立ち入りの制限を知らずに広島空港から宮島に向かおうと急いでやってきましたが、間に合いませんでした。夫婦はフェリーターミナルから遠くに見える嚴島神社の赤い鳥居に向かって祈りをささげていました。 
 

ミャンマー出身の夫婦
 「平和の町として知られる広島や世界的にも有名な嚴島神社に行き、軍による弾圧で亡くなったミャンマー市民や避難民の平和を祈り、自分の国で起こっていることを伝えたかったです。行けなくてさみしい気持ちですが、サミットではミャンマーの問題についても議論されることを期待したいです」

 また、立ち入り制限が始まる前に島に入った外国人観光客が旅行を早めに切り上げて帰ったり、多くの店が休業しているため困惑したりしていました。

 アメリカから来た50代の女性
 「14時間かけてここまで来たのですが、早く島を出なければならず少し残念です。警察官がたくさんいて驚きましたが、安全でいいと思いました」 

オーストラリアの20代のカップル
「立ち入り制限があることは知らなかったので間に合ってよかったです。店があまりやっていなくて残念ですが、景色を楽しみたいと思います」

 休業「むしろ楽しむ」あさりをとる男性も

 宮島では飲食店や土産物屋などほとんどの店舗が18日から休業しています。 

営業を自粛する旅館のオーナーの男性
 「毎年この時期は修学旅行生の予約が多いので、営業ができないとなると経営への影響は大きいです。その分の補償はないですが、大事な会議なので協力しようと決めました」
 

また、この居酒屋では、数年ぶりに休店するということで、炊飯器を磨いたり、店の外側部分のペンキを塗り直したりしていました。 

従業員の女性 
「せっかく休んでいるのでお店をきれいにしたいです」 
 

宮島の砂浜では、立ち入り制限を受けて休業しているレジャーツアーを営む男性が19日に予定している友人たちとのパーティーに出す1品にしようと、あさりをとっていました。

 休業で潮干狩りをする男性
 「休みになるのは仕方ないです。この休みを楽しむしかないですね」 

一方で、営業しているカフェもあり、観光客でにぎわっていました。 

カフェのマネージャーの男性
 「観光客が来て店が営業していないのはかわいそうなので、おもてなしとして開けることにしました。来る人がいる限り気持ちに応えたいです」

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