G7 平和公園立ち入り制限 祈りをささげる人の姿 生活影響は
- 2023年05月18日
G7広島サミットの開幕を前に、広島市の平和公園では原爆ドームの周辺も含めて18日正午から立ち入りの制限が始まりました。近くで祈りを捧げる人や暮らしへの影響を取材しました。
祈りささげる人たち 平和への思い
18日午前、平和公園の原爆慰霊碑の周辺や公園近くの橋の上では、多くの人たちが祈りをささげていました。
原爆で伯母を亡くした女性(62)
「サミットが成功することを祈っています。各国の首脳には平和の大切さを心にしみこませて帰ってほしいです」
大阪から訪れた男性(58)
「各国の首脳がこの場所に訪れることを原爆で亡くなった人たちに報告しました。首脳たちには、まさにここで核兵器が使われたということを想像して欲しい。核兵器がなくなっていくことを願っています」
オランダから訪れた男性(32)
「核兵器が2度と使われないことを祈っています」
外国人観光客「原爆の被害や復興の歴史に触れたかった」
一方、平和公園にかかる橋のたもとでは、警察官が柵を設置するとともに公園内に入ろうとする観光客などに立ち入りが制限されていることを説明していました。
インドから訪れた女性(58)
「原爆の被害や日本が復興してきた歴史に触れようと来たので中には入れず残念です。原爆ドームの写真を撮ろうとしたのですが、柵の外から撮影せざるを得ませんでした」
平和公園のそばを通って通勤しているという女性(50)
「ふだんは人の多い公園に入れなくなり、さみしいです。ただ、安倍元総理大臣の銃撃事件や岸田総理大臣が狙われる事件もあったので、何事もなくサミットが終わればいいなと思います」
近くで路上生活の男性 退去求められる
平和公園の規制エリアの近くにある広島市立中央図書館の周辺で路上生活をしていた50代の男性は、今月はじめに警察官や警備員に声をかけられ退去を求められたといいます。
男性は、およそ3年にわたって図書館が閉館したあとの夜間に訪れて軒下で雨をしのぎ、朝には購入したほうきで掃除していたということです。
路上生活をしていた男性(50)
「先月も警察官がやってきて、『サミットの開催期間中は別の場所に行って欲しい。もう戻ってはいけない』と言われたので行く場所がない。今は雨を防ぐために川にかかる橋の下にいるが、サミット後も戻れないので先が見えない状態だ」
立ち入り制限は21日まで
平和公園の立ち入り制限はサミットが閉幕する今月21日まで行われ、その間、園内にある原爆資料館や広島国際会議場、レストハウス、それに追悼平和祈念館はいずれも休館となります。