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G7広島サミット 被爆者からのメッセージ 田邊雅章さん

  • 2023年05月17日

田邊雅章さんは、7歳の時に疎開先だった山口県から広島市内に戻り、入市被爆しました。実家は原爆ドームのすぐ隣にありましたが原爆投下で跡形もなくなり、自宅にいた母親と弟は行方が分からないままです。爆心地から約500メートルの防空ごうにいて被爆した父親も9日後に亡くなり、両親を失った田邊さんは祖母とともに親戚の家を転々としながら戦後の厳しい時期を乗り越えました。
あまりにつらい経験ゆえに田邊さんはその後、原爆のことは考えないように過ごしてきたといいます。
しかし還暦を迎えるころ、原爆ドームの前で楽しそうに記念撮影をする高校生の姿を見て、被爆の実態がしっかりと伝わっていないことに危機感を感じ、被爆前の爆心地をコンピューターグラフィックスで復元する事業に取り組み始めました。田邊さんが手がけた作品は、NPT=核拡散防止条約の再検討会議にあわせて国連本部でも上映されるなど、国内外の多くの人たちに、被爆前の広島を伝えてきました。
田邊さんから首脳たちへのメッセージです。

『モノ言わぬ証人 原爆ドームを身近かに』

田邊雅章さん(85)
「できるかぎり近づいて原爆ドームを見てほしい。そうすればあの日何があったかも理解できるし、今回広島で開催する意味もより深まると思います。歴史上の立場を超えて核廃絶や今のウクライナ戦争を早期に解決する努力をすることが今回のサミットの最大の目的だと思う。この原爆ドームを一つの柱にしていろいろな物事を考えて実行し広島の心、広島の声に応えていただきたい」

(年齢は取材当時です)

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