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G7広島サミット 被爆者からのメッセージ 田中稔子さん

  • 2023年05月02日

田中稔子さんは、6歳の時に爆心地から約2.3キロの地点で被爆し、頭や首、腕にやけどを負いました。原爆によって同居していた叔母や多くの同級生を亡くして心に深い傷を負い、60年以上にわたって被爆体験を話すことができませんでした。
しかし、国際交流で南米を訪れた際に、現地の人から「あなたには被爆の経験を話す責任がある」と言われて考えが変わり、70歳になってから証言活動を始めました。特に、海外の人たちに被爆体験を伝えることに力を入れていて、証言や交流で訪れた国や地域は90を超えるといいます。
G7広島サミットを前にした4月上旬にもアメリカの大学などを訪れ、70代後半から学び始めたという英語で、通訳を介さずに講演しました。田中さんから、首脳たちへのメッセージです。

『会話を尽くして 平和への道を』

田中稔子さん(84)
「軍備をどんどん広げるのではなくて、核兵器廃絶の道へのかじ取りをしていただける会議になってほしいと思いますね。被爆者は核兵器が使われた時の怖さを知っています。首脳たちには資料館をじっくり見て、被爆者の証言を聴いてほしい。
自分の妻や子、親が原爆を受けたら、この人たちと同じような思いをしたらどうだろうかと想像力を働かせてほしい。スケジュールもあるでしょうが、そういう時間は確保してほしい。
私たちは地球という同じ船の乗組員です。一部の争いも、全体に波及します。ここから逃げてどこか行く場所はありません。指導者たちには、持続可能な地球であることを考えてほしいと思います。
核兵器はまずなくさないといけないものなんです。広島で会議をなさるわけですから、ここを平和へ向かっていく分岐点にしてほしいと思います」

(年齢は取材当時です)

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