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G7サミット警備の課題 専門家と広島の街を歩く

  • 2023年02月24日

G7広島サミットでは、要人の警護だけでなく、市民の安全を守るためにも「警備」が大きな課題です。7年前の伊勢志摩サミットにつづいて、広島サミットでも警備体制の構築に関わる専門家と、広島の街を歩いて警備のポイントを探りました。
(広島放送局 記者 有馬護)

警備のエキスパートに同行した

今回、私が現地視察に同行させてもらったのは、テロ対策や危機管理を研究している「公共政策調査会」の板橋功さん。伊勢志摩サミットや東京オリンピック、今回の広島サミットでも、警察と協力してテロ対策の事業者向けセミナーを開くなど、警備体制の構築に関わるエキスパートです。

広島駅に到着した板橋功さん


ポイント1 海上の警備

海上警備の訓練

板橋さんがまず向かったのは、サミットの会場である広島市南区の「グランドプリンスホテル広島」。伊勢志摩サミットの会場と同じく島の中にあります。島にわたる入り口が限られるため、その点では警備がしやすいといいます。ただ、広島サミットの会場は海がより近く、「海上の警備」が一段と重要になると指摘しました。

公共政策調査会 板橋功さん 
「直近が海ですので、海上警備が重要になる。直近のところはジェットスキーも持つ警察の水上部隊。その外側は海上保安庁が警戒する形になると思います」


ポイント2 自然に応じた警備

宇品島の地形に着目

板橋さんは、宇品島の豊かな自然にも着目しました。
 

板橋さん 
「うしろに山がありますので、ここを検索しなくてはいけません。爆発物などが仕掛けられていないかを、事前にチェックすることは行われると思います」

ポイント3 路面電車に注意!

広島は路面電車の街

警備が必要なのは、島の中だけではありません。板橋さんが目をつけたのは、広島市内を走る路面電車。要人の移動ルートを決める際は、路面電車が通る道路は、なるべく避けるべきだと指摘しました。

板橋さん 
「路面電車と並走しての移動は警備的に難しい。日本では、路面電車が走っている地方都市で開催されたことがないと思う。広島という都市の特徴であり、ポイントだと思います」

ポイント4 開けたスペースに注意!

平和公園から周囲を見渡す板橋さん

板橋さんは首脳が訪れる可能性のある「平和公園」も視察。開けたスペースならではの注意点を指摘しました。

板橋さん 
「見渡すといくつかの高い建物があり、そこからの銃撃。ドローンを使った攻撃への警戒もしていくことになると思います」

ポイント5 「ソフトターゲット」

JR広島駅

警備の体制を考えるうえで重要なのは、要人がいる場所だけではありません。板橋さんが注目したのは広島駅。不特定多数の人が集まる駅や商業施設は「ソフトターゲット」と呼ばれ、テロの標的になりやすいといいます。

板橋さん 
「会場はセキュリティーが厳しいので、むしろ、どこを狙っても大きなインパクトがあるということで、ソフトターゲットが狙われるケースが多い」

爆発物が仕掛けられないよう開催期間の前後には、コインロッカーの使用が制限されることが予想されます。利用者にとっては不便ですが、安全を確保するには市民の協力が欠かせないと板橋さんは訴えます。

板橋さんは市民の協力を呼びかける

板橋さん 
「ソフトターゲットを狙ったテロは警察だけの力では守れない。不審な物が置いてあったり、不審者がいたりしたら、すぐ通報する。開催地の人たちが一丸となって警戒することが必要になると思います」

  • 有馬護

    広島放送局記者

    有馬護

    2016年入局
    宇都宮局を経て2021年から広島局に所属。現在は県警・司法担当キャップ。

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