目指せ!オリンピアン 陸上中距離の広島のホープに迫る
- 2022年11月16日
広島経済大学陸上競技部1年の東秀太(あずま・しゅうた)選手は、中距離のカテゴリーにあたる800mと1500mを専門としています。今年8月、20歳以下の世界選手権に出場した東選手。その素顔に迫ります。(取材 佐藤洋之アナウンサー)
高校時代 全国大会で6位入賞!
東秀太選手は、兵庫県三田市の出身。三田松聖高校時代、全国高校総体の800mで6位入賞を果たしました。陸上のトラックを2周走る800mは、スピードも持久力も求められる難しい種目です。東選手はもともと1500mを専門としていましたが、当時の指導者に勧められ800mのレースに出場したところ好記録を出し、800mにも取り組むようになりました。
東秀太選手
「自分には一定の速いペースで走れるスピードと同時にスタミナがあるため、800mに向いているのだと思います。体力的にとてもきつい種目ですが、駆け引きが成功したときに達成感があります」
高校時代の活躍で複数の大学から勧誘された東選手。広島経済大学進学の決め手となったのは、シンプルな理由でした。
東秀太選手
「広島経済大学の尾方剛監督が、最初に勧誘してくださったからです。複数の大学から誘いがありましたが、最初に自分の力を認めてくださった方にお世話になることを決めました」
今年 はじめて日の丸をつけて国際大会を経験
広島経済大学に進学した東選手。今年6月の日本選手権の800mで1分48秒86の自己ベストをマークし、20歳以下の世界選手権代表に選ばれました。大学でレベルの高い先輩とともに練習したことが好記録につながったと分析しています。
東秀太選手
「高校時代、中距離専門は自分だけだったので一人で練習していました。大学で、自分よりも速い先輩とともに練習したことで力がついて、入学後すぐの大会で結果が出たのだと思います」
20歳以下の世界選手権はコロンビアで開催されました。はじめて日の丸を背負った東選手。これまでに経験したことがないほど緊張しましたが、序盤、海外の選手より前で走る積極的なレースを展開。予選で敗退しましたが、大きな経験になりました。
東秀太選手
「自分で引っ張る積極的な走りをしましたが、海外選手の中盤以降のスピードはけた違いでした。それでも国内大会では感じられない歓声の大きさや雰囲気を味わえたことが収穫でした」
オリンピアンからのアドバイス!
東選手を指導するのは広島経済大学陸上競技部の尾方剛監督。北京オリンピックのマラソン代表です。大学のトラックにあるモニュメントには、世界大会出場者と全国大会優勝者の名が刻まれていて、東選手の名をこのモニュメントに残したいと期待を寄せています。
尾方剛監督
「20歳以下の世界選手権でみせた積極性が彼の魅力です。レースの仕掛けどころを学べば、もっと強くなれると思います。2025年に東京で開かれる予定の陸上の世界選手権出場を狙ってほしいです」
東選手には、11月7日(月)ラジオ第1「ひろしまコイらじ」に出演していただきました。毎週月曜日のパーソナリティは、100mハードルでロンドンと東京と2度のオリンピックに出場した木村文子さん。生放送の中で東選手は、木村さんにアドバイスを求めました。
「20歳以下の世界選手権ではこれまでにないほど緊張しました。木村さんは緊張しないためのルーティンありましたか?」
「スパイクを左から履くなどのルーティンはあるのですが、緊張が悪いものと考えない方が良いです。私が好記録を出したときは、必ず心臓がバクバクするほど緊張していました。緊張するとタイムが速くなると思って臨んでください!」
想定していなかった木村さんのお答えに目からうろこが落ちた東選手。これからは緊張を恐れずにレースに臨むことができそうです。今後の目標を問われた東選手、まずは近い目標を語りました。
東秀太選手
「将来的には国際大会で活躍するランナーになりたいですが、まず、今年は予選で敗退した日本選手権の800mで、来年こそ決勝に残ることです」
10月に開かれた中国四国学生選手権の1500mでは大会新記録で優勝した東選手。夏の経験を糧に着実にステップアップしています。目の前の目標を1つ1つクリアしながら歩んでいく道のりが、オリンピックという大舞台につながることを期待しています。