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G7広島サミットと若者 「美術」で平和を伝えたい高校生

  • 2022年11月10日

来年5月のG7広島サミットに向けてつくられたロゴマーク。広島の高校生たちが制作しました。サミットをきっかけに、国内外から多くの人が広島を訪れることが期待される中、「美術」の可能性を信じて平和を伝えたいと活動に取り組む若者がいます。
                             広島放送局記者 重田八輝

未来への願い

10月13日夕方、広島市役所10階の市長公室には多くの報道関係者が集まりました。白い幕をはがすと、ハトと色とりどりの折り紙が。ハトは平和の象徴。折り紙は、県内23の市と町をイメージしたもの。サミットの開催を支援する県民会議のロゴマークのお披露目です。広島市立基町高校の創造表現コースに通う2年生5人がデザインしました。その1人、谷口世那さんはデザインに込めた思いを次のように語りました。

谷口世那さん
個性や笑顔のあふれる未来への願い。オール広島で取り組むという思い。そして、人々のつながり、認め合う心への願いが込められています。今後、このマークが人々の思いを乗せて羽ばたき、人々をつなげることを願っています。

輝け、飛び立て、アオギリ…

制作は8月から始まりました。職員室のホワイトボードには、制作当初にひねり出したさまざまなキーワードやアイデアが残されています。

輝け、飛び立て、ハト、アオギリ、もみじ…。「やっぱり未来を、ここから広げていく感じがね」「アオギリとかは最初使いよったよね、もみじとかも」谷口さんたちメンバーはボードを前に楽しそうに振り返っていました。

それをもとにつくったロゴマークの案を机の上に広げてもらいました。「いくつの案をつくったんですか?」と聞くと「…わからないです」と笑いながらの返事。大量という表現しか私も思いつきませんでした。「絞るのが難しかった。全部、全部愛着あるもんね」と話す谷口さん。長い時間をかけて議論した結果“未来に向かっていく”という若者らしいイメージに大事にしたといいます。メンバーからは「いろんな人に見てもらえる」「うれしい」「こんな青春過ごす人おらんね」という声が聞かれました。

谷口世那さん

谷口世那さん
本当に大きなものに関わるということで責任もあるし、大変だろうけど、でもやっぱり高校生としてみんなが明るくなれるようなメッセージを込めたロゴマークをつくりたいなと思いました。

美術でチャレンジ

母親が大学で美術を学ぶなど、美術が身近な環境で育った谷口さん。高校に入ってからもさまざまなことにチャレンジしていました。

こちらは色を付ける前のトロフィー。毎年、広島で行われる都道府県対抗の全国男子駅伝で、入賞したチームに渡されるトロフィーの制作にあたっていました。釉薬にこだわりが隠されていました。

トロフィーの釉薬に使う灰

谷口世那さん
トロフィーの釉薬に使う灰なんですけど、この灰が広島に集められた折り鶴の紙を灰にしてるものを使っていて、平和の思いというのも込められています。

さらに谷口さんは新たなことに取り組んでいます。被爆者の証言をもとに、当時の光景を描く「原爆の絵」の制作です。10月24日、基町高校で被爆者の高齢男性から話を聞く姿がありました。描くのは男性の父親です。背中などに大やけどを負い、半年間、寝たきりになったといいます。

被爆した男性
近くの病院がもういっぱいで診察なんか受けられない。もちろん薬ももらえない。やけどしたところは、もうグズグズになっていた。皮膚の下の赤い部分が出てた。小麦粉に天ぷら油、それから赤チンキっていう赤色をした傷薬を、これを器に入れてかき混ぜて、ピンク色のペースト状の薬ができるんよ。それをやけどしたところに布きれに塗って貼って。それを交換するのに朝晩はがすわけだ。はがすたびに悲鳴上げてたもん、大の男がね。だからよっぽど痛かったと思うよ。

美術は世界共通

今までに高校の先輩が描いてきた「原爆の絵」は、広島国際会議場で展示されるなど多くの人の目に触れてきました。サミットをきっかけに広島を訪れる人がさらに増えることを期待して、谷口さんは「美術」で平和を訴え続けたいと考えています。

谷口世那さん
平和というのはやはりいろいろな人の思いがあるからこそ実現するのが難しく、大変なことも多いだろうと思うんですけど、「美術」は世界共通でいろんな人に伝えたいことが伝わる手段だと思います。

“思いを伝えたい”

谷口さんに、広島サミットにあわせて取り組みたいことを書いてもらいました。

書いたのは、『伝えたい!』

谷口世那さん
いろんな活動をしていく上で伝えることの難しさや大切さを学びました。いろんな人に伝えて、それを受け取った人たちがいろんなことに興味を持ったり、考えたりするきっかけになったらいいなという思いで書きました。サミットをきっかけに広島にいろんな人が来て広島の思いや魅力も伝わってほしいし、世界に向けて、みんなが目を向けてくれるような私たちの思いを伝えたいです。

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