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開幕間近 4年に一度のスペシャルオリンピックス日本

東京五輪聖火ランナーも務めた広島のマルチアスリートに迫る
  • 2022年10月26日
スペシャルオリンピックス ボウリング広島県代表 森日奈野選手

森日奈野選手は23歳。11月の第8回スペシャルオリンピックス日本夏季ナショナルゲーム・広島では、ボウリング競技に出場します。その素顔とは・・(取材 佐藤洋之アナウンサー)

ボウリングの広島県代表 森日奈野選手

第8回スペシャルオリンピックス日本夏季ナショナルゲーム・広島は11月4日から3日間、広島県内で開催されます。12の競技が行われ、ボウリングは広島市で行われます。ボウリングの広島県代表の森選手は尾道市在住です。週に一度福山市へ練習に出向き、一回で3ゲームを行います。

森日奈野選手

「ベストスコアは172です。最近、溝に近い端のピンのスペアが取れるようになりました。スペシャルオリンピックス夏季ナショナルゲームでは、ベストスコアを更新し優勝することが目標です」

私が取材にうかがった日も、森選手はきれいなフォームでスペアを決めていました。

2019世界大会は陸上で出場

4年に一度の夏季ナショナルゲームは、翌年の世界大会の日本選手団選考を兼ねています。森選手は、前回2018年、愛知県で開催されたスペシャルオリンピックスでは、なんと陸上の100メートルに出場し1位。その成績が評価され、翌年、2019年にUAE=アラブ首長国連邦で開催された世界大会に出場しました。

その時のレースがこちらです。左から4人目、5レーンが森選手です。撮影は父親の三郎さんです。

 

100mでは自己ベストを更新する19秒46のタイムで5位。さらに、やり投げと似ているジャベリックスローという種目にも出場し2位という結果を残しました。

表彰台にあがる森選手
2019世界大会で獲得した2つのメダル

森日奈野選手

「メダルをもらったときには興奮しました。開会式で世界中の選手団と一緒に行進したことが思い出に残っています」

7競技に取り組むマルチアスリート

ダウン症の森選手は、小学1年の時に陸上を始めました。高学年からはボウリング。中学生の時からバスケットボール。さらに、ダンス、競泳、柔道、フロアホッケーと競技の幅を広げていきました。

高校卒業後は、社会福祉法人の運営するカレー店で接客業に従事しながら、7競技の練習に取り組んでいるのです。ボウリングの成績が向上し、今回はボウリングで出場することにしました。

左は2019世界大会で仲良くなった兵庫県の木村真耶加選手

森日奈野選手

「毎日、とても忙しいけど、みんなとスポーツできることが楽しいです。2019世界大会の日本選手団の陸上競技チームで仲良くなった選手たちと、今年の広島の大会で再会することが楽しみです」

マルチアスリートとして世界大会も経験、東京五輪聖火ランナーにも選ばれるなどチャレンジ精神旺盛な森選手。母親の由紀さんは、スペシャルオリンピックスで様々な競技に打ち込むことは、日奈野さんにたくさんの効果があると考えています。

母親の由紀さん

森由紀さん

「多くの競技に取り組んだことで体幹が強くなり、体のバランスがよくなりました。そして様々な競技の練習では、参加する小さい子どもにも必ず声をかけて面倒を見ています。家では3人きょうだいの末っ子ですが、お姉さんとして成長できたことがうれしいです」

今回のスペシャルオリンピックスのスローガンは、「Power of Smile~だれもが輝ける場所へ。~」。競技に取り組む森選手は、笑顔がはじけ、キラキラと輝いていました。

10月28日(金)のラジオ第一「中国!ちゅーもく!ラジオ」(17:05~17:55)は、スペシャルオリンピックスがテーマです。森選手のインタビューも紹介します。

是非、お聞きください。そして、大会に関心を持っていただけたらうれしいです。

森日奈野選手と筆者
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