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広島の避難所①子供(赤ちゃん)との避難 ためらわないため

  • 2022年10月27日

    小さい子どもを連れていざ避難所に行くとなった場合、保護者の方は、ミルクなどさまざまな面で不安があるのではないでしょうか。乳幼児との避難をためらわないためにはどんな工夫が必要か、取材しました。

    赤ちゃんを連れての避難にはためらいの声も

    街で、0歳の子どもがいる親に、乳幼児を連れての避難について聞きました。

    0歳児の母

    泣き声とか、「ぎゃあぎゃあ」いう声とかが、仕切りがあったとしても気になることじゃないですかね。

    0歳児の母

    保存がきくミルクがあると思うので、そういうのを避難所でちょっと多めにストックしてもらったら、母親としては助かるなという思いはあります。

    0歳児の母

    迷惑かかるだろうなと思うから、なるべく避難しないかな…。

    課題が見えたミルクの備蓄

    そうした課題を少しでも解決しようと、東広島市では、大規模な災害が発生した場合に備えた避難所運営の訓練が行われ、市内26の会場でおよそ600人が参加しました。

    備蓄品などをチェック

    2022年8月の訓練で初めて行われたのが、避難所運営に女性の視点をいかそうという試みで、市内の女性10人ほどがさまざまな点をチェックしました。

    プライベート空間を意識した間仕切りや、授乳や着替えのための個室も用意するなど、設備を整えてきました。

    しかし、避難所の備蓄品に粉ミルクがないことが議論になりました。東広島市で備蓄されている粉ミルクは1つの倉庫にまとまっていて、届けるのに時間かかることが課題です。

    訓練参加者

    ミルクがあれば、お母さんも安心して避難できるんじゃないかと思ったんです。

    訓練参加者

    どこの避難所にも粉ミルクを置いていただけることが、子どもたちを、赤ちゃんたちを守っていける大切なことだと思います。

    「ローリングストック」で素早くミルクを届ける

    課題として挙がった粉ミルクの備蓄。いち早く対策に取り組んでいるのが、広島市です。

    保育園で備蓄されている粉ミルク

    広島市では市内にある87すべての公立保育園で粉ミルクを備蓄し、いざという時、素早く近くの避難所に届ける仕組みを作っています。備蓄量は、市全体でおよそ120キロ。乳幼児およそ1000人が1日をしのげる量です。

    保存方法にも工夫があり、消費期限が近づいたものは保育園で使い、なくなった分を新たに補充しています。「ローリングストック」と呼ばれるこの仕組みで、日常的に使いながら災害にも備えます。

    広島市災害予防課 井上久也課長
    ミルクを飲んでいる子どもがいたら、一緒に近くの避難所に遠慮なく避難してもらえればと思います。

    安心して避難できるよう、避難所でもさまざまな工夫が重ねられています。このような行政側の準備も心強いですが、家庭での備えも大切です。備蓄は最低3日分を目安に、粉ミルク、離乳食、おむつなど、その子に合ったものがあると安心です。

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