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全国高校駅伝 世羅(男子)大会最多11回目の優勝へ

  • 2021年12月22日

去年、大会最多となる10回目の優勝を達成した男子の世羅(広島)。連覇を目指すチームのキーマンが、3年生でエースの森下翔太選手です。去年も1区を走り、実力も十分の森下選手ですが、ことしは5月に右足を骨折するなど、試練に見舞われました。それでも、けがを乗り越え、一回り成長した姿で都大路に帰ってきます。

世羅は去年の優勝メンバー5人が残り、実力、経験とも充実した布陣で連覇に挑みます。

チームの目標は大会新記録での2連覇。

キーマンとなるのがエース区間、1区を走ることが濃厚の3年生の森下翔太選手です。

森下選手は去年、2年生ながら花の1区を任され、全国の強豪に食らいついて9位と好走しました。

森下選手の健闘で上位につけた世羅は3区で留学生が1位に躍り出ると、最後までトップを譲らず、5年ぶりの優勝を果たしました。

チームの狙い通り、序盤に流れを作る大仕事を果たした森下選手ですが、本人は去年の結果に満足していませんでした。

森下選手
「自分としては、せめて8位までに入りたかったですし、29分10秒未満で走りたかったので、あんまり満足していないです。(結果は29分18秒でトップと22秒差)。チームとしては優勝できてうれしかったんですけど、自分はもうちょっと走りたかったなって思いました」

ことしはさらなる高みを目指し、1区を走るために準備をしてきた森下選手。

しかし、5月にアクシデントに見舞われます。

右足の大たい骨を疲労骨折して、その後、4か月間、大会に出場できなくなりました。

けがの直後、森下選手は「ヤバい」と感じたといいます。

それでも復帰を焦らずに、走れない期間で自身の体づくりを見直しました。

リハビリ中に取り組んだのが、課題と感じていた柔軟性や体幹の強化でした。

地道にストレッチや体幹トレーニングで土台からしっかり鍛え直した森下選手。

その結果、走るときのフォームが安定してスムーズに走れるようになったと成長を実感しました。

さらに、無駄な動きがなくなったことで、疲労もたまりにくくなったといいます。

けがから復帰した9月には5000メートルで13分56秒12をマーク。

4か月間のブランクがありながら自己記録を更新し、走れない期間のトレーニングがレベルアップにつながりました。

森下選手
「(リハビリ期間に)疲労骨折のメカニズムや、ストレッチを走りにどう生かせるか、とか学ぶことができました。世羅高校では体幹トレーニングをすることがあまりないので、トレーニングは結構、楽しくて、あまり焦りはなかったです。夏合宿にぎりぎり間に合って練習を積めて9月の記録会でタイムも出てきて、練習の質も上がってきているので、自信につながりました」

ことしは、洛南(京都)や仙台育英(宮城)などとの優勝争いが予想される中、エース区間の1区を制することができれば、去年同様、レースを優位に進められます。

森下選手への期待も大きくなりますが、本人はプレッシャーには強い方だと話し、力強い答えが返ってきました。

森下選手
「今まででいちばんコンディションがいいと思ってるんで結構自信はあります。1区で他校のエースと戦えることは楽しいですし、そこで勝ったらうれしいですね。区間賞を取ることで目立つこともできるし、自分もアピールできるかなと思っています。チームとしても2連覇で大会新記録を出したいと思っています」

世羅の新宅昭二監督は理想のレース展開について、序盤でいかにリードできるかが大切だと考えていて、森下選手に大きな期待を寄せています。

新宅監督
「森下選手は自分をしっかり持ってる子で、周りに惑わされることなく、いい意味で自分の世界を持ってやっています。レースでもしっかり自分を見つめて走れるクレバーな選手だなと思います。駅伝ではレースの流れが非常に大切な要素なので、1区から他校と差をつけられないように流れを作っていきたい」

けがを乗り越えて一回り成長したエースが、大会最多を更新する11回目の優勝にチームを導くことができるのか注目です。

(広島局 菅洋介記者)

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