筆の町、熊野町の挑戦!目指せフォロワー1000人!
- 2022年02月16日
神社の参道を撮影した2枚の写真。まるで間違い探しのような、ほとんど変わらない写真ですが、どちらが“映えている”か分かりますか?フォロワー1000人を目指して“インスタデビュー”した熊野町の挑戦です。
(広島放送局記者 榎嶋愛理)
インスタで街の魅力を発信
冒頭の写真。撮影したのは熊野町役場の職員、徳山直弥さん。コロナ禍で旅行ができないなかでも、町の魅力を伝えたい。そして、コロナが落ち着いたら観光に来てほしい。去年10月、写真や動画を使って熊野町の魅力を効果的に発信したいと、公式のインスタグラムを始めることになりました。
産業観光課が担当することになり、白羽の矢が立ったのが、課の中でも比較的若い徳山さん(28歳)でした。しかし、インスタグラムやツイッターを使ったことがなく、試行錯誤の日々が続いたといいます。
徳山さん
「個人のアカウントを持っていなかったので、写真の撮り方、何をアップしたらいいのかも分かりませんでした。色んな人のインスタグラムやTikTokを見て研究していますがなかなかフォロワーが伸びなくて・・・」
頼ったのはSNSの達人
最初のころは見よう見まねでした。熊野町のマンホールの写真や町並みなどを撮影してアップしますが、2か月たってもフォロアーは200人ほど。思うように増えません。一体どうしたらフォロアーは伸びるのか・・・。
産業観光課の職員たちは頭を抱えたといいます。そんな中、町が頼ったのが、SNSを熟知した2人でした。地域創生プロジェクトとして人材をあっせんしている企業と提携した熊野町。そこで、SNSのプロを募り、2人を選定しました。大手企業で全国規模のメディアの立ち上げを担ってきた金澤達也さんと、担当するインスタのフォロアーを1万人にまで伸ばした芝垣京祐さんです。まさにSNSの“達人”です。
達人が教えるメソッドとは
この日、投稿する写真を事前に見てもらうと・・・。「何を見せたい写真なのか分からない」「行ってみたいと思える文言じゃないとだめ」「動画の音楽と内容が合っていない」達人たちの厳しいげきが飛びました。達人たちが指摘したフォロアーを伸ばすポイントは主に以下の4つです。
①写真で何を見せるのか、撮り方に注意。
“映える”写真はバランスが大事。冒頭の写真でいうと、“映える”のは右側。違いは、写真の構図です。右側のように、神社の参道がシンメトリー(対称)になるよう撮影するのがポイントだといいます。いくつも表示される写真のなかから選ばれ、タップしてもらうためには、写真の構図を大切にしたうえで、写してあるものが何か、一目で分かるように撮影する必要があるといいます。
②ターゲットを大切に。
熊野町では、親子連れに訪れてもらいたいと、ターゲットを子育てしている熊野町近隣の20代から40代にしたといいます。そうしたターゲットに向けてトピックを選定する必要があるといいます。例えば、この日の会議では、親が子どもを見守っている気持ちなるようなコンテンツがいいのではないかと提案されました。
③投稿する時間を大切に。
熊野町のインスタグラムは午後6時から9時の間によく見られていることが分かりました。フォロアーが多く訪れる時間を把握し、その時間に合わせて投稿することがポイントです。
④根気強く投稿を!
いままで記したポイントに気をつけながら、投稿頻度をあげることが最も重要だといいます。何度も投稿し、いいね!の数やフォロアーの伸び率などでフィードバックを把握することで、“コツ”をつかむことができるといいます。
金澤さん
「ターゲットを明確にしてそこに刺さるコンテンツを継続して発信していくことが大事」
芝垣さん
「SNSはすぐに効果が出るものではないので、トライ・アンド・エラーで根気強く発信を続けることが大事」
目指せ1000人!!
アドバイスを受け始めてからというもの、投稿した写真の「いいね!」は徐々に増えているといいます。
徳山さん
「いまの時代、行き先として選ばれるためには自治体もSNSを活用しないと。コロナが落ち着いたら熊野町に来てほしい」
フォロアーの数はまだ295人(2月15日時点)ですが、3月末までに1000人という大きな目標を掲げています。1000人達成なるのか!熊野町の挑戦に注目です。